下肢・足指の後遺障害について

交通事故の被害に遭って下肢や足指に後遺障害が残ってしまうと、自由に歩くことが難しくなり、日常生活や仕事に多大な影響が出てしまいます。

下肢や足指の後遺障害が認定されるのは、どのような場合で、どのくらいの後遺障害慰謝料が認められるのでしょうか?さっそく確認しましょう。

 

1.下肢の後遺障害の種類

下肢の後遺障害には、欠損障害と機能障害、変形障害と短縮障害があります。

1-1.欠損障害

下肢の欠損障害とは、脚の一部が失われることです。下肢には「股関節、ひざ関節、足首の関節」の3大関節がありますが、どの部分が失われたかによって、認定される等級が変わります。

 

等級

症状

後遺障害慰謝料

1級5号

両下肢をひざ関節以上で失ったもの

2800万

2級4号

両下肢を足関節以上で失ったもの

2370万

4級5号

1下肢をひざ関節以上で失ったもの

1670万

4級7号

両足をリスフラン関節以上で失ったもの

1670万

5級5号

1下肢を足関節以上で失ったもの

1400万

7級8号

1足をリスフラン関節以上で失ったもの

1000万

リスフラン関節とは、足の真ん中くらいの位置にある関節のことです。

 

1-2.機能障害

機能障害とは、下肢が物理的に失われたわけではないけれども、下肢の機能が失われた場合に認められる後遺障害です。具体的には3大関節の動作(可動域)が制限されたケースや、人工関節に置き換えられたケースなどにおいて認定されます。

 

等級

症状

後遺障害慰謝料

1級6号

両下肢の用を全廃したもの

2800万

5級7号

1下肢の用を全廃したもの

1400万

6級7号

1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの

1180万

8級7号

1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

830万

10級11号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

550万

12級7号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

290万

「用を全廃したもの」というのは、関節が強直した場合や完成麻痺の状態になった場合のことをいいます。「著しい障害」とは、可動域が2分の1以下に制限された場合などをいい、単なる「障害」は、可動域が4分の3以下に制限されたケースなどをいいます。

 

1-3.変形障害

変形障害とは、骨折した後、骨が癒合不全を起こして偽関節ができた場合や変形した場合などに認められる後遺障害です。

「偽関節」とは、骨折した箇所の治癒が停滞、停止してしまい、骨折した部位が関節のように動くなど異常な動きをするようになってしまった場合をいいます。わかりやすく言うと、骨折した箇所が完全にくっつかず、本来関節ではない箇所が、関節であるかのように動いてしまうようになった状態です。

 

等級

症状

後遺障害慰謝料

7級10号

1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

1000万

8級9号

1下肢に偽関節を残すもの

830万

12級8号

長管骨に変形を残すもの

290万

 

ところで、腓骨に偽関節ができたケースには注意が必要です。この場合、後遺障害が労働能力に及ぼす影響は少ないと評価されて、逸失利益を計算する際に考慮される労働能力喪失率が、一般よりも低めに認定されることがあるのです。

 

1-4.短縮障害

短縮障害とは、足の長さが短くなり、健常な方の足と差ができてしまった状態です。

 

等級

症状

後遺障害慰謝料

8級5号

1下肢を5cm以上短縮したもの

830万

10級8号

1下肢を3cm短縮したもの

550万

13級8号

1下肢を1cm以上短縮したもの

180万

 

ここでも、後遺障害逸失利益の労働能力喪失率との関係で問題が発生します。

1センチメートル以上3センチメートル未満の13級8号に該当する後遺障害の場合、それによっては労働能力に及ぼされる影響が小さいのではないかと主張されて、労働能力喪失率を0にされたり、基準より低く認定されたりすることがあるためです。

 

1-5.その他の後遺障害

上記に該当するもの以外でも、骨折した箇所に痛みなどの症状が残ると、神経症状の後遺障害があるとして、12級や14級の認定を受けられることがあります。

 

2.足指の後遺障害の種類

脚そのものではなく、足指に欠損や機能障害が生じた場合にも、後遺障害が認定されます。

2-1.欠損障害    

足指の欠損障害とは、物理的に足の指がなくなってしまったケースです。足指の場合、関節ではなく「何本の指がなくなったのか」によって、認定される後遺障害の等級が異なります。

等級

症状

後遺障害慰謝料

5級8号

両足の足指の全部を失ったもの

1400万

8級10号

1足の足指の全部を失ったもの

830万

9級14号

1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの

690万

10級9号

1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの

550万

12級11号

1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの

290万

13級9号

1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの

180万

2-2.機能障害    

足指の後遺障害にも、機能障害があります。指は残っているけれども、機能が失われたケースです。親指の場合、末節骨の半分以上が失われた場合や指節間関節の可動域が2分の1以下になったケース、それ以外の指であれば、遠位指節間関節以上が失われた場合や、中足指節間関節もしくは近位指節間関節の可動域が2分の1以下になったケースなどで認められます。

 

等級

症状

後遺障害慰謝料

第7級11号

両足の足指の全部の用を廃したもの

1000万

第9級15号

1足の足指の全部の用を廃したもの

690万

第11級9号

1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの

420万

第12級12号

1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの

290万

第13級10号

1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの

180万

第14級8号

1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの

110万

 

 

このように、下肢や足指の後遺障害の種類は非常にたくさんありますし、争点になることも多いです。自分で等級認定の手続きをしてもうまくいかないことがよくあるので、早めに弁護士に相談しましょう。