脊髄や体幹の後遺障害について

交通事故で強い衝撃を受けた場合、脊髄や体幹にダメージを受けることがあります。

脊髄や体幹にダメージを受けてしまうと、全身に麻痺が残るなどの重大な後遺障害が残ることも多いです。

そこで、今回は、交通事故で脊髄や体幹に後遺障害が残った場合における後遺障害等級などについて解説します。

 

1.脊柱の後遺障害

脊椎や体幹の後遺障害には、脊柱の後遺障害と脊髄損傷による後遺障害があります。まずは、脊柱の後遺障害について、説明します。

脊柱は、頚椎では頭部の支持機能、胸腰椎では体幹の支持機能を担っています。このため、後遺障害等級の認定においては、頚椎と胸腰椎を異なる部位として取り扱います。ですから、頚椎と胸腰椎の両方に後遺障害があれば、個別に後遺障害等級を認定した上で、併合の処理がなされます。

脊柱の後遺障害は、事故の衝撃によって脊柱が損傷することにより、脊柱が変形したり、脊柱の運動障害が生じたりした場合に認められる後遺障害です。

変形障害は、脊柱に著しい変形が残った場合、脊柱に変形が残った場合、鎖骨・胸骨・肋骨・肩甲骨・骨盤骨に変形が残った場合に認定されます。

運動障害は、脊柱に著しい運動障害が残った場合や、それに至らない運動障害が残った場合に認定されます。

具体的な後遺障害の等級は、以下の通りです。金額は後遺障害慰謝料の目安です。

6級5号 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの 1180万円

8級2号 脊柱に運動障害を残すもの 830万円

11級7号 脊柱に変形を残すもの 420万円

12級5号 鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 290万円

なお、等級表には明示されていませんが、脊柱に中程度の変形を残すものが8級相当と取り扱われています。

 

2.脊髄損傷による後遺障害

次に、脊髄損傷による後遺障害について説明します。これは、事故によって脊髄がダメージを受けてしまったケースです。脊髄が損傷を受けてしまうと重大な症状が現れることが多いですし、回復が難しいことから、重い後遺障害が残ってしまう可能性が高いです。

起こりうる症状は、身体機能の麻痺や循環障害、呼吸障害、膀胱や直腸の障害などです。

麻痺は、全身(四肢)に及ぶ場合もあれば、半身や上肢、下肢のみのケースもあります。

脊髄損傷を受けて重篤な麻痺が生じると、介護を要する状態になることが多いことから、後遺障害の等級も非常に高くなります。

脊髄損傷によって認められる可能性のある後遺障害の等級と後遺障害慰謝料の目安は、以下の通りです。

1級1号(要介護)神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

2800万円

2級1号(要介護)神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

2370万円

3級3号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

1990万円

5級2号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1400万円

7級4号 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1000万円

9級10号 神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

690万円

12級13号 局部にがん固な神経症状を残すもの

290万円

 

3.最後に

脊髄に損傷を受けると身体が不自由になり、生活が一変してしまいます。就労ができなくなったり、介護が必要になったりするなど、家族に与える影響も非常に大きいです。

適切に後遺障害認定を受ける必要があるので、困ったときには弁護士に相談しましょう。

 

 

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