脳(頭部)の後遺障害について

交通事故に遭うと、身体のいろいろな部分に後遺障害が残る可能性があります。中でも、身体の中で最も重要な器官の1つである『脳』が損傷してしまうと、様々な後遺障害が残ってしまい、その後の生活や就労に大きな支障が生じてしまうことが多いです。

そこで今回は、交通事故で『脳』の後遺障害の種類や内容、等級について解説します。

 

1.脳の後遺障害の種類

脳が損傷したことによって生じる後遺障害の主なものに、高次脳機能障害と遷延性意識障害があります。

これらの後遺障害は、交通事故の衝撃で、脳挫傷・びまん性軸索損傷などの傷害を負い、脳が損傷を受けることで発生する症状です。

 

2.高次脳機能障害

2-1.高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳が損傷を受けたことによって認知能力などが低下する障害のことです。具体的には、以下のような症状が現れます。

  • 失語

言葉が出てこなくなる症状です。一部の言葉だけが出てこないこともありますが、まったく話せなくなることもあります。

  • 運動障害

ボタンをかけられなくなったり、自転車に乗れなくなったりすることもあります。

  • 記憶障害

忘れっぽくなったり、新しいことを覚えられなくなったりします。

  • 注意障害

注意力や集中力が低下します。

  • 遂行機能障害

物事を計画したり、計画に沿って成し遂げることが難しくなります。

  • 人格・性格の変化

性格に変化が生じ、自分勝手になったり、子どもっぽくなったり、怒りっぽくなったりすることがあります。

 

2-2.高次脳機能障害の等級と慰謝料

高次脳機能障害になった場合、症状の内容や程度に応じて、以下の等級に認定される可能性があります。金額は後遺障害慰謝料の目安です。

1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

2800万

2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

2370万

3級3号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

1990万

5級2号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1400万

7級4号 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1000万

9級10号 神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

690万

 

3.遷延性意識障害

3-1.遷延性意識障害とは

遷延性意識障害とは、脳が損傷を受けることにより、いわゆる植物状態になることです。

3ヶ月以上、以下の症状が継続する場合に遷延性意識障害と認められます。

  • 自力で移動することが不可能
  • 自力で食事ができない
  • 排泄をコントロールすることができない
  • 何らかの音は出せても、意味のある発語が不可能
  • 簡単な指示に従うことができても、それを超えた意思疎通が不可能
  • 眼球が動いても、認識ができない

3-2.遷延性意識障害の後遺障害等級

遷延性意識障害になった場合、常時介護を要するなら1級1号、随時介護が必要なら2級1号に認定されます。

 

脳に後遺障害が残ると、重大な結果になることが多いため、適切に後遺障害の等級認定を受ける必要があります。困ったときには弁護士に相談しましょう。

 

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