だいち法律事務所

  高次脳機能障害 Cases14
 

高次脳機能障害
後遺障害等級:併合3級
解決:令和3年1月21日示談
大阪エリア

事案の概要】
症状固定時25歳の男性が自動車の助手席に同乗していたところ、その自動車が渋滞で停止していた車両に追突しました。この交通事故によって、被害者は、両側前頭葉脳挫傷、急性硬膜外血腫、頭蓋底骨折、前頭骨骨折などの重傷を負い、高次脳機能障害や眼の障害などの重篤な後遺障害が残ってしまいました。

後遺障害の認定までの経過

1.保険会社の対応
高次脳機能障害のため、被害者には十分な判断能力がありませんでした。また、家族は、交通事故の対応について十分な知識や経験がありませんでした。このため、当初、保険会社に任せきりになっていました。そして、保険会社は、初診病院などに作成してもらった後遺障害診断書を入手した上で、「事前認定手続」によって後遺障害等級の認定を受けようとしていました。
この時点で、被害者は、高次脳機能障害に関するリハビリを受けるため、高次脳機能障害に詳しい医療機関に通院していました。しかし、保険会社が入手していた後遺障害診断書の中には、この医療機関が作成した診断書は存在しませんでした。
2.受任後の対応
だいち法律事務所がご依頼を頂いたのは、保険会社の手元に必要書類が集まり、もうすぐ「事前認定手続」を始めるという段階でした。
受任後、すぐに保険会社に連絡を入れ、『被害者請求手続を取る方針なので、事前認定手続を行わないように』と申し入れ、保険会社の動きを止めました。その上で、保険会社が持っていた資料の開示を受けるとともに、家族から被害者の状況を聴取したり、高次脳機能障害のリハビリのために通っている医療機関の見解を確認するなどして、本人の症状の内容や程度を把握しました。その結果、初診病院では、十分な神経心理学的検査を実施していないことが分かりました。また、作成されていた後遺障害診断書の記載は、被害者の高次脳機能障害をとても軽く評価していると判断しました。
このため、だいち法律事務所は、高次脳機能障害のリハビリのために通っている医療機関に対し、高次脳機能障害についての詳細な評価を依頼しました。その上で、被害者の状態について詳細に記載した後遺障害診断書などを作成してもらいました。
これらの資料を入手した上で、「被害者請求手続」を行いました。その結果、自賠責保険は、高次脳機能障害について5級2号と判断してくれました。また、眼の障害について、併合8級と認定されたため、最終的な後遺障害等級は併合3級に認定されました。

後遺障害等級

高次脳機能障害       別表第二第5級2号
視力障害          別表第二第9級1号
両耳側半盲         別表第二第9級3号
眼の障害の中での併合処理  併合8級
全体の併合処理       併合3級

損害賠償請求の方針

本事案では、併合3級という重度の後遺障害等級が認定されました。本来であれば、損害賠償請求訴訟を提起すべきと判断するところですが、本件では、諸般の事情を考慮して、裁判ではなく、示談交渉で解決する方針としました。
一番の問題点は、初診病院にて、被害者の高次脳機能障害を正しく評価していない後遺障害診断書が作成されてしまっていたことです。訴訟を提起すれば、保険会社は、後遺障害等級を重大な争点にして、もっと軽い後遺障害等級が相当だと主張してくるのは明らかでした。この争点について慎重に検討した上で、被害者やその家族の考えも考慮した上で、裁判が泥沼化して長期化する事情を回避することになったのです。

解決の内容

すでに述べたとおり、本件では、被害者の高次脳機能障害が「別表第二第5級2号」と認定されました。眼の障害(併合8級)と併合して最終的に併合3級と認定されました。 この後遺障害等級を前提として被害者が被った損害額を計算し、保険会社に提示した結果、こちらが提示した金額のほぼ満額を認めてもらうことができました。
特筆すべきなのは、示談での解決だったにもかかわらず、日額3000円の将来介護費を認めてもらった点だと思います。これ以外の損害項目も、ほぼ満額の回答を得たため、早く解決することができました。

担当弁護士のコメント

1.「事前認定手続」のデメリット
自賠責保険に後遺障害等級の認定を求める方法は2種類あります。保険会社が主導する「事前認定手続」、被害者が手続をとる「被害者請求手続」です。
事前認定手続は、被害者にとってもメリットがあることは確かです。保険会社が資料収集などをしてくれるため、手続にかかる労力を減らせることです。
これに対し、「事前認定手続」には、もっと大きなデメリットがあります。
まず、保険会社は、後遺障害の認定に必要な最低限の資料しか集めないため、『重い後遺障害等級が認定されにくい』ことです。保険会社にとっては、後遺障害等級が認定されればいいのであり、その後遺障害等級が「被害者にとって適切か」を検討することはありません。そして、軽い後遺障害等級で示談がまとまれば、保険会社は、支払う賠償金を少なく抑えることができます。
次に、事前認定手続の場合、後遺障害等級が認定されても、示談が成立するまで被害者に対して自賠責保険金が支払われません。被害者が金銭的に困っていれば、早期に示談に応じてしまう可能性が高くなります。また、保険会社から、自賠責保険金を含んだ金額が提示されるため、被害者は、多額の支払いを受けられると考えて納得しやすくなってしまいます。
2.本事案の場合
本事案では、事前認定手続が行われようとしていました。そして、保険会社が集めていた資料を検討したところ、被害者の後遺障害の詳細が記載されておらず、そのままでは現実よりも軽い後遺障害等級しか認定されないと予想できました。
被害者にとっては、「事前認定手続」のデメリットが現実のものになろうとしていたのです。 幸いにも、保険会社が事前認定手続を始める前に、だいち法律事務所にご依頼があったため、被害者請求に切り替えることができました。
3.「事前認定手続」は慎重に
保険会社は、被害者に対し、「事前認定手続」を選択するように勧めてきます。それは、自分たちにとって「事前認定手続」のメリットが大きいからです。
安易に「事前認定手続」を選択することはとても危険です。自賠責保険の請求手続を選択する場面では、慎重な判断を心がけてください。そして、少しでも迷ったら、弁護士に相談してください。

 
 

高次脳機能障害
後遺障害等級:併合3級 解決:令和3年1月21日示談 大阪エリア


【事案の概要】
症状固定時25歳の男性が自動車の助手席に同乗していたところ、その自動車が渋滞で停止していた車両に追突しました。
この交通事故によって、被害者は、両側前頭葉脳挫傷、急性硬膜外血腫、頭蓋底骨折、前頭骨骨折などの重傷を負い、高次脳機能障害や眼の障害などの重篤な後遺障害が残ってしまいました。

後遺障害の
認定までの経過

1.保険会社の対応
高次脳機能障害のため、被害者には十分な判断能力がありませんでした。また、家族は、交通事故の対応について十分な知識や経験がありませんでした。このため、当初、保険会社に任せきりになっていました。そして、保険会社は、初診病院などに作成してもらった後遺障害診断書を入手した上で、「事前認定手続」によって後遺障害等級の認定を受けようとしていました。
この時点で、被害者は、高次脳機能障害に関するリハビリを受けるため、高次脳機能障害に詳しい医療機関に通院していました。しかし、保険会社が入手していた後遺障害診断書の中には、この医療機関が作成した診断書は存在しませんでした。
2.受任後の対応
だいち法律事務所がご依頼を頂いたのは、保険会社の手元に必要書類が集まり、もうすぐ「事前認定手続」を始めるという段階でした。
受任後、すぐに保険会社に連絡を入れ、『被害者請求手続を取る方針なので、事前認定手続を行わないように』と申し入れ、保険会社の動きを止めました。その上で、保険会社が持っていた資料の開示を受けるとともに、家族から被害者の状況を聴取したり、高次脳機能障害のリハビリのために通っている医療機関の見解を確認するなどして、本人の症状の内容や程度を把握しました。その結果、初診病院では、十分な神経心理学的検査を実施していないことが分かりました。また、作成されていた後遺障害診断書の記載は、被害者の高次脳機能障害をとても軽く評価していると判断しました。
このため、だいち法律事務所は、高次脳機能障害のリハビリのために通っている医療機関に対し、高次脳機能障害についての詳細な評価を依頼しました。その上で、被害者の状態について詳細に記載した後遺障害診断書などを作成してもらいました。
これらの資料を入手した上で、「被害者請求手続」を行いました。その結果、自賠責保険は、高次脳機能障害について5級2号と判断してくれました。また、眼の障害について、併合8級と認定されたため、最終的な後遺障害等級は併合3級に認定されました。

後遺障害等級

高次脳機能障害       別表第二第5級2号
視力障害          別表第二第9級1号
両耳側半盲         別表第二第9級3号
眼の障害の中での併合処理  併合8級
全体の併合処理       併合3級

損害賠償請求の方針

本事案では、併合3級という重度の後遺障害等級が認定されました。本来であれば、損害賠償請求訴訟を提起すべきと判断するところですが、本件では、諸般の事情を考慮して、裁判ではなく、示談交渉で解決する方針としました。
一番の問題点は、初診病院にて、被害者の高次脳機能障害を正しく評価していない後遺障害診断書が作成されてしまっていたことです。訴訟を提起すれば、保険会社は、後遺障害等級を重大な争点にして、もっと軽い後遺障害等級が相当だと主張してくるのは明らかでした。この争点について慎重に検討した上で、被害者やその家族の考えも考慮した上で、裁判が泥沼化して長期化する事情を回避することになったのです。

解決の内容

すでに述べたとおり、本件では、被害者の高次脳機能障害が「別表第二第5級2号」と認定されました。眼の障害(併合8級)と併合して最終的に併合3級と認定されました。 この後遺障害等級を前提として被害者が被った損害額を計算し、保険会社に提示した結果、こちらが提示した金額のほぼ満額を認めてもらうことができました。
特筆すべきなのは、示談での解決だったにもかかわらず、日額3000円の将来介護費を認めてもらった点だと思います。これ以外の損害項目も、ほぼ満額の回答を得たため、早く解決することができました。

担当弁護士のコメント

1.「事前認定手続」のデメリット
自賠責保険に後遺障害等級の認定を求める方法は2種類あります。保険会社が主導する「事前認定手続」、被害者が手続をとる「被害者請求手続」です。
事前認定手続は、被害者にとってもメリットがあることは確かです。保険会社が資料収集などをしてくれるため、手続にかかる労力を減らせることです。
これに対し、「事前認定手続」には、もっと大きなデメリットがあります。
まず、保険会社は、後遺障害の認定に必要な最低限の資料しか集めないため、『重い後遺障害等級が認定されにくい』ことです。保険会社にとっては、後遺障害等級が認定されればいいのであり、その後遺障害等級が「被害者にとって適切か」を検討することはありません。そして、軽い後遺障害等級で示談がまとまれば、保険会社は、支払う賠償金を少なく抑えることができます。
次に、事前認定手続の場合、後遺障害等級が認定されても、示談が成立するまで被害者に対して自賠責保険金が支払われません。被害者が金銭的に困っていれば、早期に示談に応じてしまう可能性が高くなります。また、保険会社から、自賠責保険金を含んだ金額が提示されるため、被害者は、多額の支払いを受けられると考えて納得しやすくなってしまいます。
2.本事案の場合
本事案では、事前認定手続が行われようとしていました。そして、保険会社が集めていた資料を検討したところ、被害者の後遺障害の詳細が記載されておらず、そのままでは現実よりも軽い後遺障害等級しか認定されないと予想できました。
被害者にとっては、「事前認定手続」のデメリットが現実のものになろうとしていたのです。
幸いにも、保険会社が事前認定手続を始める前に、だいち法律事務所にご依頼があったため、被害者請求に切り替えることができました。
3.「事前認定手続」は慎重に
保険会社は、被害者に対し、「事前認定手続」を選択するように勧めてきます。それは、自分たちにとって「事前認定手続」のメリットが大きいからです。
安易に「事前認定手続」を選択することはとても危険です。自賠責保険の請求手続を選択する場面では、慎重な判断を心がけてください。そして、少しでも迷ったら、弁護士に相談してください。