後遺障害1級の症状と認定条件、認定を受けるためのコツは?

交通事故による後遺障害の中でも、最も重いものが1級に該当する後遺障害です。
1級にはいくつかの種類があり、それぞれ症状が異なります。今回は、認定条件や慰謝料に言及しながら、後遺障害認定1級について解説していきます。

後遺障害認定1級に認定される症状は?

1級の認定が下される症状には、大きく分けて「要介護のもの(別表第一)」「要介護でないもの(別表第二)」の2種類に分類できます。また、要介護のものは2種類、要介護でないものは6種類の症状が存在します。これらは全て異なる症状ですが「労働能力を完全に失っている(労働能力喪失率100%)」ことが共通点です。

また、慰謝料の額には自賠責基準と弁護士基準の2通りがあります。一般的に自賠責基準のほうが金額は少ないため、交通事故に強い弁護士に依頼し、適切な慰謝料を獲得することが大切です。

後遺障害1級の症状(別表第一(要介護))

○1号…神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し常に介護を要するもの
○2号…胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

・自賠責保険の上限額…4000万円
・自賠責保険の慰謝料額…1600万円
・弁護士基準の慰謝料額…3000万円前後

後遺障害1級の症状(別表第二(介護不要))

○1号…両目が失明したもの
眼球の喪失、失明、矯正後視力が0.01未満の場合が該当します。

○2号…咀嚼および言語の機能を廃したもの
咀嚼機能は流動食しか食べられない程度、言語機能は以下の発音ができない場合が該当します。
咽頭音(いんとうおん):は行
口蓋音(こうがいおん):か行、が行、や行、ひ、にゅ、ぎゅ、ん
口唇音(こうしんおん):ま行、ぱ行、ば行、わ行、ふ
歯舌音(しぜつおん):な行、た行、だ行、ら行、さ行、しゅ、ざ行、じゅ

○3号…両上肢を肘関節以上で失ったもの

○4号…両上肢の用を全廃したもの
両腕そのものは存在していても、肩から下がまったく動かない、もしくは可動域が10%以下になった場合が該当します。また、動かなくなった理由は麻痺・硬直のどちらでもかまいません。

○5号…両下肢をひざ関節以上で失ったもの

○6号…両下肢の用を全廃したもの
4号の場合と同様に、足自体は存在していても、動かなかったり可動域が10%以下に落ちたりしたときに該当します。

・自賠責保険の上限額…3000万円
・自賠責保険の慰謝料額…1100万円
・弁護士基準の慰謝料額…3000万円前後

後遺障害1級を獲得するには「被害者請求」が重要

症状を見てわかるとおり、被害者はその後の人生の大半を、大きなハンデを負った状態で過ごさなくてはなりません。そのため、少しでも多くの慰謝料や保険金を勝ち取ることが重要です。

しかし、後遺障害1級の慰謝料や保険金は非常に高額であり、保険会社が積極的に支払いに応じるものではありません。そのため、専門知識を持った弁護士に依頼し、裁判を経て勝ち取ることを考える必要があります。

また、一般的に、後遺障害等級の認定手続を加害者側の保険会社に任せることが多いと思います。しかし、保険会社はお金を払う側ですから、被害者のためを考えて手続をしてくれるわけではありません。被害者が納得できる結果が得られるかどうかを考えると、むしろ、その逆の結果がでる可能性のほうが高いわけです。

そこで「被害者請求」が鍵になります。被害者請求は、加害者側の保険会社に申請を任せず、自ら後遺障害等級認定の手続を行うことです。被害者請求により、後遺障害1級に認定されやすくなるわけです。ただし、これにはさまざまな書類の作成や整理などが必要になります。重い障害を負って間もない被害者やその家族が、手続を行うのは難しいでしょう。そのため、交通事故に強い弁護士に、被害者請求を行ってもらうわけです。

障害のダメージを少しでも減らすために

前述したように、後遺障害1級は、労働する能力が完全に失われていることが共通点です。そのため、一生働けない状態になってしまったのですから、なんとか自分の人生を歩むだけの資金を確保することが重要です。

特に「要介護のもの(別表第一)」は介護の程度によって1級か2級かが別れます。これは非常に微妙な差であり、申請のやり方で本来1級であってもおかしくない障害が、2級に認定されることもあるのです。

ですから、保険会社に自賠責保険の手続を丸投げせず、かならず交通事故に強い弁護士に相談しましょう。