子どもが交通事故で重傷を負った場合の賠償金の相場は?

将来ある自分の子供が交通事故で重傷を負った場合、どの程度の慰謝料を受けとれるのでしょうか。今後の成長や進学、就職といった子供の未来を考えると、それなりの金額をもらわなければ納得できませんよね。そこで、子どもの慰謝料相場を過去の判例から解説します。子供の年齢や親、兄弟への慰謝料も含め、適切な金額を知っておきましょう。

子どもが交通事故にあったときの慰謝料相場一覧

では早速、子どもの年齢やケガの状態別に、慰謝料の相場を紹介します。今回提示するのは、実際に裁判所からの判決で言い渡された金額です。

●子ども8歳、植物状態(後遺障害1級)
・子ども本人への慰謝料…2800万円
・両親への慰謝料…800万円

●子ども10歳、高次脳機能障害(後遺障害5級)
・子ども本人への慰謝料…1400万円
・両親への慰謝料…250万円

●こども14歳、高次脳機能障害(後遺障害3級)
・子ども本人への慰謝料…1990万円
・両親への慰謝料…100万円

また、子どもの交通事故では、将来その子が得るはずだった収入を「逸失利益」として計算し、慰謝料とは別に請求することが可能です。この逸失利益は、平均余命、平均収入、後遺障害の程度に基づいて計算され、年齢が若いほど高額になる傾向にあります。
さらに、子どもに重い後遺障害が残り、介護が必要になった場合は「将来介護費」も認められます。慰謝料と逸失利益、将来介護費用を合わせて、億単位の損害額になることも珍しくありません。

●子ども9歳、後遺障害1級
・子ども本人への慰謝料…3100万円(入通院慰謝料400万円、後遺障害慰謝料2700万円)
・両親への慰謝料…それぞれ200万円
・将来介護費…4450万円
・逸失利益…6565万円
・合計…約1億5670万円

●子ども7歳、後遺障害1級
・子ども本人への慰謝料…3100万円(入通院慰謝料400万円、後遺障害慰謝料3000万円)
・両親への慰謝料…それぞれ300万円
・将来介護費…5996万円
・逸失利益…6011万円
・合計…約2億2940万円

慰謝料請求は「弁護士基準」で!

このように子どもが交通事故で重傷を負ったときは、賠償金の額が高額になる傾向にあります。
ただし、これは「弁護士基準」で請求した場合の賠償金です。

慰謝料の決まり方には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3つのルートがあります。それぞれを簡単に解説すると、以下のとおりです。

・自賠責基準

強制加入の保険である自賠責保険から慰謝料を受け取る場合の基準。「被害者に対する最低限度の補償」という性格上、非常に低い金額が提示される。3つの基準の中では最も金額が低い。

・任意保険基準

任意保険会社が採用している計算に従った基準。被害者本人が任意保険会社から提示される金額は、任意保険基準によって計算されている。自賠責基準よりは高い金額だが、後述の弁護士基準を大きく下回るのが通常である。

・弁護士基準(裁判基準)

弁護士が示談交渉、裁判をするときに採用される基準。弁護士・裁判基準を使うと、自賠責基準や任意基準に比べ2倍~3倍以上の慰謝料になることも珍しくない。高額な慰謝料が発生する案件では、弁護士基準(裁判基準)での計算が必須といえる。

これら3つのうち、どの基準が採用されるかは、被害者側の対応次第です。
しかし、弁護士基準は他の2つに比べて圧倒的に高額な慰謝料を獲得できる方法ですからできればこの方法を選択していきたいところ。弁護士基準での慰謝料請求は、弁護士に依頼して示談交渉してもらうことが前提ですから、早めに相談しておくと良いでしょう。

保険会社との示談がまとまる前に相談を!

このように高額になりがちな子どもの賠償金は、どの計算基準を採用するかで金額が大きく変化します。弁護士基準とその他2つの基準では、数百~数千万円単位で賠償金が変わることも珍しくありません。保険会社と示談が成立してしまう前に、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談することが重要です。