後遺障害案件はいつ弁護士に相談したらよい?

交通事故に遭い、不運にも「後遺障害」が残る可能性が出てきた場合は、弁護士に相談することを検討すべきです。後遺障害の認定手続きには専門の知識が必要で、この手続きを弁護士に任せることで、さまざまなメリットを受けることができるからです。
しかし、「どのタイミングで相談すべきか分からない」という方も多くいると思います。人生の中で弁護士に何かを相談する経験は、そう多くありませんからね。そこで今回は、後遺障害等級の認定の手続きを弁護士に依頼するタイミングについて解説します。

弁護士に後遺障害案件を相談するタイミングは?

交通事故の被害者になり、何らかの後遺障害(労働力の低下や喪失)が残った場合は、後遺障害等級の認定手続きをとることが必要になります。認定された後遺障害の等級に応じて、自賠責保険が支払われたり、賠償金が支払われるからです。また、後遺障害認定で適切な後遺障害等級を認定してもらうためには、被害者側から能動的に手続きを行う「被害者請求」が重要です。しかし、後遺障害認定の手続きは、普通の生活ではまず使うことのない手続きです。そのため、「弁護士にどう依頼してよいか分からない」という方は少なくありません。

後遺障害等級認定手続きの流れ(被害者請求の場合)

結論から言うと、「事故後、できるだけ早く依頼すべき」なのです。
後遺障害認定の流れに沿ってタイミングを解説します。被害者請求の場合、次のようなステップで後遺障害等級認定が行われます。

1.けがの治療を行い「病状固定」の状態になる(病状固定=怪我が、改善も悪化もしないと判断された状態)
2.保険会社から認定に必要な下記の書類を送ってもらう
・交通事故証明書
・支払い請求書兼支払い指図書
・事故状況説明図
・印鑑証明書
・診断書と診療報酬明細書
・後遺障害診断書
3.かかりつけの医師に「後遺障害診断書」を作成してもらう
4.作成した後遺障害診断書とその他の書類を保険会社へ提出する
5.後遺障害診断書を受け取った保険会社は「損害保険料率算出機構」へ書類を転送する
6.損害保険料率算出機構の中の「自賠責保険調査事務所」が後遺症の調査・等級認定を行い、結果を保険会社に通知する
7.保険会社は通知された結果を被害者へ通知する
8.内容に応じて異議申し立てなど

理想は1~2のタイミングで依頼

このように8つのステップで行われる後遺障害等級認定ですが、もちろん独力で行うことも可能です。しかし、2の書類の準備は、準備する書類も多いことから、このタイミングで弁護士に相談するのがベストかもしれません。ちなみに、「源泉徴収票」や「住民票」「その他補足資料」が必要になることもあります。

異議申し立ては弁護士の助力がマスト

次に重要なタイミングは、8の「異議申し立て」です。等級認定の結果に納得できないときは、異議申し立てによって再び審査を求めることができます。異議申し立ては何度でも可能で、回数制限はありません。
しかし、ただ「納得できない」と不満を述べるだけで結果が変わることはありません。「等級認定が不適切な理由」を客観的に述べ、「実態と医療情報の差を埋める」必要があるのです。
具体的には、「医証の追加」として以下のような手続きを行います。

・診断書をはじめとした、「客観的な資料」を追加で提出する
・等級認定上、重要と思われるポイントを医師に質問し、証拠とする

これらは、交通事故に強い弁護士が強みを発揮する分野です。ただし、症状固定後では対策の打ちようがないこともありますから、やはりできるだけ早い段階で弁護士に相談するのが良いでしょう。

納得のいく後遺障害等級認定のために

後遺障害等級認定は、労働能力の喪失具合を含め、さまざまな「医証」が鍵を握っています。特に「要介護のもの」は、介護の程度によって1級か2級かの分かれ目があり、損害賠償金の金額が大きく変わってきます。前述したように「実態は1級相当」であっても、医証が不適切なために2級に認定される可能性があるのです。せっかく手間暇をかけて被害者請求を行うのですから、正確かつ納得のいく結果を目指していきましょう。