治療費打ち切りマニュアル

はじめに

交通事故に遭って怪我を負った場合,まず大事なのは治療に専念することです。

きちんと治療をしないと,症状がしっかりと改善せず,痛みが取れなくなってしまうなどの問題が残ってしまう可能性があります。

 

加害者が任意保険に加入していれば,治療を開始した当初は,その保険会社が治療費を支払ってくれることが多いと思います。

 

しかし,事故後,数ヶ月が経過してから,保険会社から“治療費の打ち切り”を伝えられることがあります。

治療を続けているにも関わらず,保険会社から,「治療費はもう払えません」と言われるのです。

 

 

治療中なのに,打ち切りってどういうこと!?

 

通院している病院の主治医からは,「まだ治療が必要です」と言われているのに,保険会社は治療費を支払ってくれない・・・

これって違法じゃないんですか?と相談されることがあります。

 

しかし,残念ながら,保険会社は,治療終了まで被害者のために治療費を支払う義務を負っているわけではありません。ですから,保険会社が治療費の支払を打ち切ったとしても,違法ではありません。

 

交通事故で怪我を負った場合でも,治療費の支払義務は,実際に治療を受けた被害者が負っています。保険会社は,治療の経過を把握できるし,後々で負担することになる可能性が高いため,その都度,治療費を支払ってくれているだけなのです。

 

治療費を打ち切りにすると言われたときの対処法

 

1 保険会社と交渉する

2 治療費を一旦あなたが立て替え,後から請求する

3 後遺障害認定の申請をする

 

●保険会社と交渉する

交通事故で負った怪我が完治したかどうか,これ以上は治療を続けても治らない状態になった(症状固定)かどうかは,医師免許をもった医師が判断するべき事項です。

主治医に相談して,まだ治療が必要だという見解を持っているのであれば,それを保険会社に伝え,交渉してみるといいでしょう。

その際に,「あと何ヶ月は治療が必要と言われた」と,具体的な期限を伝えると交渉が上手くいくことが多いです。

 

●治療費を立て替える

症状固定までの治療費は,後々の示談交渉や裁判の中で請求することになります。それまでの治療費は,一旦,自分で支払っておき,示談交渉などの中で損害として認めてもらう方法です。

後々に請求ときの資料になるので,治療費の領収証は大切に保管しておく必要があります。

 

●後遺障害認定の申請をする

主治医も,保険会社と同じく,もう症状が固定していると判断している場合があります。この場合は,以後の治療費を保険会社に負担してもらうことは不可能です。

こうなってしまったら,主治医に後遺障害の有無を確認し,後遺障害が残っていれば,主治医に後遺障害診断書などを作成してもらった上で,自賠責保険に後遺障害認定の申請をするしかありません。

注意しなければならないのは,保険会社が支払ってくれる治療費は,症状固定日までの分だということです。症状固定日より後の治療費を支払ってもらうのは,原則的に難しいと考えてください。

 

まとめ

 

治療費の支払を打ち切られると,早い段階で経済的負担を負うことになるので,辛い状況になるかと思います。

保険会社は,早めに治療を切り上げてもらい,示談を急ごうとしているのだと思います。

そのため,しっかりと情報を知っておかないと,不利な条件で示談してしまうことになります。示談が成立すれば,それを覆すのは難しいです。

 

保険会社から「治療費を打ち切る」と言われたら,弁護士に相談しましょう。

弁護士が保険会社と交渉します。

怪我の痛みもまだ残っているかもしれません。精神的負担を減らしてもらえるようお力になります。