交通事故で加害者になってしまった

当事務所にお寄せいただいたご質問にお答えしています。

 

 

私の不注意で交通事故を起こしてしまいました。相手の方への補償はもちろんですが、交通事故の加害者として他に何をすればいいのか、詳しく教えてください。

 

交通事故を起こしてしまったとき、パニックになって何をすればいいのか分からなくなることも多いと思います。しかし、事故を起こした加害者は、事故直後にとるべき対応が法律で定められています。ここでは、交通事故の加害者がその場でするべきことと、法律上の責任についてご紹介します。

 

 

事故を起こしてしまったときにするべきこと

交通事故を起こしてしまった加害者は、道路交通法上、次の3つの義務を負います。

 

    負傷者の救護義務

人身事故を伴う場合、すぐに車を停車させて負傷者を救護しなければなりません。必要な救護活動を行いましょう。

 

    危険防止の措置義務

事故現場は混乱することが多いので、第二、第三の事故を防ぐため、後続車を誘導して事故の拡大を防ぎます。ただし、事故車を移動すると、事故態様の究明が困難になる危険性があり、後日、過失割合の争いの原因になることが多いです。できれば、警察官が来るまでそのまましておくと良いでしょう。

 

    警察への事故報告義務

警察にいつ、どこで、どのような事故が起きたのか、負傷者の数や壊れたものなどを報告します。警察が現場に到着したら実況見分に立会い、捜査に協力します。

 

これらの義務を怠った場合、道路交通法上の措置義務違反として処罰されます。事故を起こしてしまったら、まずは冷静になり事故の対応にあたりましょう。

 

また、法律上で定められた義務ではありませんが、損害賠償手続きで必要となるため、被害者と住所・氏名・電話番号を確認します。それに伴い、任意保険に加入している方は事故発生から60日以内に保険会社への連絡をしておきます。

 

 

交通事故の加害者は「3つの責任」に問われる

交通事故を起こしてしまったら、加害者は次に挙げる3つの責任を負うことになります。

 

    民事上の責任

事故によって被害者を死傷させた場合、怪我の治療費、休業損害、後遺障害慰謝料など、事故によって被害者が被った損害を賠償する責任があります。事故で物を損壊した場合には物的損害についても賠償しなければなりません。

 

    刑事上の責任

加害者は道路交通法、刑法などにより懲役刑、禁固刑、罰金刑などの刑罰が科されます。検察官が権限に基づき起訴し、裁判所が刑罰を科すものですが、被害者と示談が成立している場合や、軽微な事故で刑事事件にならなかった場合は刑事上の責任を免れることもあります。

 

③行政上の責任

公安委員会がその権限に基づき免許を取り消したり、反則金や違反点数を科したりします。交通事故や交通違反のほとんどは交通反則通告制度(反則金を科し期日までに納付すれば刑事訴追を免れる)という行政処分で処理されていますが、酒酔い運転や死亡事故を起こした場合は一発で免許取り消しとなります。

 

刑事上の責任と行政上の責任は、権限を持つ国家機関が処分を行うのに対し、民事上の責任は被害者と加害者との私的な関係であり、金銭的にどのように解決するかが問題となります。主に示談や調停、裁判などの方法で解決が図られます。