高次脳機能障害と身体の麻痺について

症状固定時43歳の女性が、原動機付自転車で第1走行帯を直進していたところ、同走行帯をわずかに先行して走行していた普通乗用自動車が、進入禁止の場所から側道に進入しようとして、左折の合図を出した直後に左への進路変更を開始した結果、普通乗用自動車と原動機付自転車が衝突した事故。

被害者は、急性硬膜外血腫・急性硬膜下血腫・脳挫傷・水頭症などの傷害を負い、高次脳機能障害・麻痺のために起立・歩行困難などの後遺障害のため、別表第一第1級1号に認定されました。

本事案の争点は多岐にわたりますが、主な争点は、
 ① 過失相殺(被告は、被害者にも過失があると主張した)
 ② 後遺障害等級(被告は、被害者の後遺障害等級は2級相当であると主張した)
 ③ 将来介護費の額
 ④ 自宅購入・改造費の算定
 でした。

これらの争点について、裁判所は、以下のように判断しました。

① 事故の発生についての責任は、もっぱら被告にあるとして、過失相殺を否定した。

② 被害者の症状からすれば、常時介護が必要であり、

被害者の後遺障害は別表第一第1級1号に該当すると判断した。

 ③ 被害者が施設入所を継続することを前提として、

1か月あたり約43万6000円の施設入所費、1週間あたり2万5000円の近親者介護費を認めた。

 ④ 将来的に自宅で生活する可能性があること、

定期的に自宅外泊をしていることを理由として自宅の購入・改造

の必要性を認めた上、購入費の3割に加え、改造費約700万円を損害と認定した。

 

① この事案では当初、

後遺障害等級が別表第一第2級1号と認定されていました。

ただ、被害者の後遺障害の状況を詳しく検討した結果、

2級の認定は相当でないと判断できたため、

主治医から意見書を得るなどして異議申立を行い、

別表第一第1級1号の認定を得た上で、提訴しました。

2級のままで提訴するのと1級の認定を得てから提訴するのでは、

結果に大きな違いがあったと思います。

② 裁判では、後遺障害等級が主要な争点となりました。

家族の陳述書だけでなく、入所していた施設職員の陳述書、

主治医の意見書を用い、

さらに日常生活に関する記録に基づいて詳細な主張を実施した結果、

裁判所に1級の認定が相当であると理解してもらうことができました。

③ 過失割合については、

あらかじめ現地に赴いて事故現場を確認し、

現場の状況を頭に入れておきました。

その上で、資料を検討したり、

被告本人を尋問したので、主張に具体性が出せたと考えています。

 

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