高次脳機能障害の判断基準

1 高次脳機能障害の「有無」

(1) 意識障害の有無・程度・持続時間

高次脳機能障害の有無を判断するに際しては、
『意識障害の有無とその程度・長さ』を把握することが重要なポイントとされています。

また、脳外傷による高次脳機能障害は、意識消失を伴うような頭部外傷後に起こりやすいとされています。

意識レベルの評価は、
JCS(ジャパン・コーマ・スケール)
GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)
によって評価されます。

⑵ 画像所見

高次脳機能障害の有無・程度を判断するにあたり、画像所見の有無・内容がとても重要とされています。

受傷直後には、頭部CT・頭部MRIなどの画像所見によって、頭部外傷の有無・程度について判断することができます。

また、経過に沿って画像所見を確認することで、
びまん性軸索損傷の有無、脳室拡大、脳萎縮を確認することが可能になります。

2 高次脳機能障害の「程度」

⑴ 神経心理学的検査

高次脳機能障害の程度は、神経心理学的検査の結果によって評価すること
になります。

一般的に用いられる検査には、

① 知能MMSE
長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
WAIS-R(子供向けはWISC-Ⅲ)

② 記憶三宅式記銘力検査
WMS-R
リバーミード行動記憶検査(RBMT)

③ 遂行機能BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)

があります。

なお、これらの検査は、認知障害を評価するには適していますが、人格変化は評価できないとされています。

⑵ 診療医による具体的な所見

実際に患者を診察した医師から得られる具体的な所見は、画像所見や神経心理学的検査などと相まって、
日常生活上の障害の有無・程度を医学的に明らかにする資料となります。

⑶ 日常生活の状況の把握

神経心理学的検査だけでは、高次脳機能障害の存在を明らかにできても、
実生活上、どの程度の支障となっているかを明確にできない場合がある。

このため、その人が生活している環境で、その人の行動を観察し、どのような場面でどのような問題が起きたかを記録する必要があります。

そして、生活環境における行動の記録は、家族などの観察に頼らなければならないことが多いです。

 

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