脊髄損傷の推移

頚髄損傷の推移

⑴ 灰白質の変化

脊髄損傷では、中心灰白質の小血管から点状出血が多数出現します。この点状出血は、血管周囲への漏出性出血であり、時間の経過とともに増加し、しかもひとつひとつが拡大して相互に融合します。6~8時間でほぼ最大に達し、髄内出血の形状を呈します。
また、中心性出血を起こす小血管は、透過性が亢進しており、周辺に血管原性浮腫が26時間から36時間まで拡大していきます。
脊髄挫傷の周辺に長期間にわたって虚血が存在することが、脊髄の損傷機転のひとつとなっています。

⑵ 白質の変化

中心性壊死および出血の周囲に発生する浮腫は、36時間ころには白質にまで伸展します。これとは別に、脊髄辺縁部の白質に現れる楔状浮腫と呼ばれる血管原性浮腫もみられます。その原因は、静脈系のうっ滞によるものと考えられています。
静脈うっ滞と浮腫の拡大は、脊髄の腫脹をもたらします。脊髄軟膜は比較的強靱であるため、脊髄内の組織圧を上昇させ、虚血を助長すると推定されています。脊髄が外部へ十分に腫脹できないため、内部にある軸索の伝導性に影響を及ぼします。

脊髄ショック

急性期の重篤な症状のことを指します。
四肢または両下肢が完全な弛緩性麻痺を呈し、深部反射は完全に消失し、バビンスキー反射も見られません。表在知覚・深部知覚の両方とも脱失し、重篤な膀胱直腸障害を呈します。
数日の間に、ある程度の回復が見られることがほとんどです。

 

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