示談金・慰謝料の増額交渉を弁護士に任せた方がいい理由

交通事故で受けた損害についての賠償交渉において、加害者の保険会社から示談金の提案があった場合、どの様な気持ちでその提案を確認されていますか。「保険会社は、おかしな提案をしないはずだ」と思っている方もおられると思います。しかし、現実は違います。保険会社は、利益を上げるため、被害者に支払う保険金を少なくしたいと考えています。ですから、必要最低限の提案しかしてこないことが多いのです。これには、損害賠償額の算定基準が複数存在することも影響しています。

ここでは、不当に低い金額で示談をしてしまわないため、交通事故における示談交渉を弁護士に依頼すべき理由について説明します。

 

1.使う基準によって算定される賠償金の額が異なる

交通事故で怪我を負って治療をした場合、治療費や休業損害、入通院慰謝料などの損害が発生します。後遺障害が残ってしまった場合は、後遺障害に対する慰謝料や逸失利益などについても損害賠償請求を行うことができます。

損害賠償請求をする場合の具体的な金額は、治療費のように既に発生した金額が明確なもの以外は、一定の基準に従って計算されます。その基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判基準(弁護士基準)の3つがあります。

賠償金の額は、この3つの基準のどれを用いるかによって変わってきます。通常は、自賠責保険基準が最も安く、次が任意保険基準であり、一番高いのが裁判基準となる傾向にあります。

例えば、専業主婦の休業損害は、

自賠責保険基準  1日あたり5,700円

任意保険基準   1日あたり5,700~8,000円程度

裁判基準     1日当たり約9,000円

(女子労働者の全年齢平均賃金(賃金センサスより))から計算)

となります。

また、入通院慰謝料についても、例えば、むちうち(他覚症状なし)で2か月の間に6回通院した場合、

自賠責保険基準  50,400円(1日4,200円×通院日数(6日)×2)

任意保険基準   20~25万円

裁判基準     30~40万円

となります。

このように、賠償金を算定する時に、裁判基準によって計算すれば最も高額になる場合が多いのです。

 

2.損害賠償の増額交渉を弁護士に任せた方がいい理由

(1)相手方保険会社の提案が変わる

交通事故の示談交渉において、加害者の加入している保険会社は、自賠責基準か任意保険基準に基づいて損害額を算定してくることがほとんどです。裁判を起こさない限り、裁判基準によって損害額を算定することはほとんどないと考えていいでしょう。

このような場合に、弁護士に、保険会社との示談交渉を依頼すると、保険会社が、自賠責基準や任意保険基準よりも高い金額で提案してくることがあります。

保険会社の立場からすると、被害者側に弁護士がついていれば、示談が成立しない場合に訴訟を起こしてくる可能性が高いと予想できます。そこで、保険会社は、自賠責保険基準や任意保険基準よりも高い金額を提示して、訴訟になる前に示談を成立させようと考えるのです。

また、実際に、訴訟になると、弁護士に対する報酬などの支払が増える可能性や、解決までに期間がかかってしまうというデメリットもあります。

紛争が長期化するというデメリットを避け、なるべく早い解決を目指しつつ、自賠責保険基準や任意保険会社基準で計算された損害よりも高額の損害賠償を受けるためには、示談交渉を弁護士に依頼した方がよいといえます。

(2)示談を成立させるか訴訟を起こすかについて的確な判断ができる

弁護士に依頼していれば、裁判基準であればどの程度の損害賠償を受けられる可能性があるのか、また、実際に裁判を起こした場合、解決までどの程度の期間や費用がかかるかなどの見通しについても、専門家である弁護士の意見を聞くことができます。その上で、示談を成立させるか、訴訟を起こすかを判断できるので、的確な選択をすることができます。

(3)治療に専念することができる

また、相手方保険会社との交渉には、時間的な負担だけでなく、精神的な負担も伴います。弁護士に示談交渉を依頼することで、煩わしい交渉の負担を免れることができ、治療に専念できるというメリットもあります。

 

3.まとめ

このように、交通事故の示談交渉においては、様々な面において、弁護士に依頼をした場合のメリットが大きいといえます。弁護士というと敷居が高いと思われるかもしれませんが、交通事故の相談に関しては初回の相談が無料という弁護士も少なくありません。また、ご自身の加入している自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合もあります。このような無料相談や弁護士費用特約を利用することで、費用面の負担を減らすこともできます。

ですから、交通事故に遭われたときは、できるだけ早い段階で、弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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