事故を起こして5年後に首にしびれが

当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。

5年前、信号待ちで停止中に後続車に追突され、頸椎を捻挫しました。その時は軽い痛みを感じましたが、治療を続けてなんとか回復し、加害者とも示談を成立させました。ところが、最近になって首にしびれが出てきています。おそらく事故が原因だと思うのですが、5年前も経ち、示談も成立しています。このような状況でも後遺障害と認められることはあるのでしょうか?

 

等級認定を受けられる可能性は低い

交通事故に遭った直後は、精神的に興奮状態にあって痛みを感じにくいことが多いのですが、事故からしばらくして気持ちが落ち着くと、首の痛みや痺れなどの症状が出てくることがあります。

この症状は、一般的に「むちうち症」と呼ばれています。交通事故が発症の原因と認められれば、後遺障害の認定を受けられる可能性があります。

 

しかし、後遺障害として認められるのは、事故から数日や数週間ほどの事故から間がない時期に症状が出たケースが認められるのがほとんどです。

これに対し、事故から5年もたっている場合には、後遺障害として認定を受けられる可能性は低いと言えます。事故から5年も経過しているため、事故とは関係のない原因で発症した症状ではないかと疑われる可能性が高くなるのです。つまり、首のしびれと事故との因果関係を証明するのが極めて困難になってしまうのです。

 

 

損害賠償請求も難しい

原則として、一度成立した示談をやり直すことができません。ですから、示談成立時に「これ以上の損害が出ても加害者に対して損害賠償請求をしない」という旨の示談を成立させた場合は、追加で損害賠償請求をすることは難しいと考えられます。

このような「示談成立後に追加で損害賠償請求しない」という約束は、被害者が加害者に対して無用な損害賠償請求を繰り返すのを防ぐことを目的としています。しかし、示談成立後に後遺障害が認められた被害者の救済にはなりません。被害者保護の観点から、示談書にそのような旨の記載があったとしても、場合によっては追加で損害賠償請求を認めるべきだとする判例もあります。

これに対し、「新たに後遺障害が判明した場合は、別途協議する」と記載があれば、加害者と協議の上、損害賠償請求できる可能性があります。

ただし、いずれの場合も、あくまでも症状と事故との因果関係が認められ、後遺障害として認定されることが大前提ですので、注意が必要です。

 

 

 

新たに事故の後遺症が出てきたら弁護士に相談を

事故から5年が経過していることもあり、交通事故との因果関係を証明するのは難しいかもしれません。しかし、「事故の被害に遭わなければむち打ちの症状に悩まされることはなかった」とお考えでしたら、交通事故に詳しい弁護士に相談してみましょう。何年も前の事故でも、損害賠償請求等の法的な手続きや相談には対応してくれます。