死亡事故 Cases8
 

死亡事故
解 決:令和4年3月28日判決
裁判所:神戸地方裁判所尼崎支部

【事案の概要】
被害者は、片側2車線の道路を徒歩で横断していたところ、走行してきた自動車に衝突されました。この交通事故によって、被害者は、頭蓋底骨折、多発性脳挫傷などの重傷を負い、遷延性意識障害の状態になりました。
この交通事故の後、被害者は、入院治療を続けていましたが、徐々に全身状態が悪化し、事故から約8か月が経過した後、誤嚥性肺炎によって死亡しました。

受任までの経過

ご家族は、この交通事故に関する対応を依頼するため、交通事故に詳しい弁護士を探しました。法律事務所のホームページを確認するなどした上で、実際に複数の弁護士と面談されたようです。
だいち法律事務所にご相談を頂いたのは、最後だったようです。そして、以下のことが決め手となって、ご依頼を頂くことになりました。
①刑事手続から損害賠償請求の解決に至るまでの流れについて詳しく説明したこと
②交通事故に関する全ての手続(民事手続だけでなく刑事手続も含めて)に高い水準で対応できること

刑事手続への対応

ご依頼を頂いたのは、加害者の刑事裁判が始まる前でした。
遷延性意識障害の状態だったため、被害者本人の意思は確認できませんでしたが、ご家族は、加害者に厳罰を科すことを望んでいました。このため、だいち法律事務所では、起訴前から検察官と連絡を取り合い、ご家族が厳罰を望んでいることを伝えました。
そして、加害者が公判請求(起訴)された後は、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事裁判に関与しました。主な対応は、加害者に対する被告人質問であり、事故状況について補足的に質問をしたり、事故後の対応や反省の有無を問い質すなどの対応をとりました。

自賠責保険の請求 

1交通事故と死亡との間の因果関係
被害者の全身状態は、徐々に悪化していました。そして、交通事故から約8か月が経過した頃、誤嚥性肺炎によって死亡しました。
交通事故から死亡までに8か月もの期間が経過していたため、交通事故と死亡との間に因果関係が認められるかどうかが問題になると見込まれました。この因果関係が認められるか否かは、以下の通り、損害賠償に大きく影響します。
⑴交通事故と死亡に因果関係が認められる場合
この場合、「死亡事故」として取り扱われることになり、逸失利益の算定において以下の影響があります。
①生活費が控除されます。
②年金受給者であれば、年金収入が基礎収入になります。
⑵交通事故と死亡との間の因果関係が否定される場合
この場合、後遺障害の事案として取り扱われ、交通事故とは別の原因で死亡したことになります。逸失利益の算定において、以下のような影響があります。
①生活費が控除されません。
②年金収入は、基礎収入になりません。
2自賠責保険の請求手続
因果関係についての判断をしてもらう意味もあり、自賠責保険の請求手続を行いました。
自賠責損害調査事務所は、病院に対する医療照会を行うなどした結果、本件では、交通事故と死亡との間に因果関係があることを認め、死亡事故としての自賠責保険金を支払ってくれました。

損害賠償請求の方針

被害者が80歳代という高齢だったので、支払われた自賠責保険金は限度額に達していませんでした。このため、民事裁判(損害賠償請求訴訟)において、追加の賠償金の支払が認められる可能性がありました。
また、ご家族が大きなショックを受けていたことから、固有の慰謝料を請求したいと考えましたが、これを認めてもらうためには提訴が必要です。
争点として、交通事故と死亡の因果関係、過失割合、逸失利益の算定、慰謝料の額などが問題となることが予想されました。
これらの事情をご家族と検討した結果、自賠責保険金を受領した後、提訴することになりました。

裁判所の認定

1交通事故と死亡との間の因果関係
当初、被告(保険会社)は、交通事故と死亡との間の因果関係に疑問を持っていました。
この点に関する因果関係が否定されると、被害者は、交通事故とは別の原因で死亡したことになり、本件は後遺障害の事案として損害額が算定されることになります。こうなると、年金収入だけを得ていた高齢の被害者の場合、逸失利益が計上されないことになります。
被告にとって、支払うべき金額を減らすには、効果的な方法だったのです。 しかし、取り寄せた医療記録を調査した結果、交通事故によって被害者が重篤な状態になっていたこと、小康状態があったものの全身状態は悪化し続けていたこと、誤嚥性肺炎は十分に有り得る死因だったことから、被告は、この点の因果関係に対する主張を撤回しました。
2逸失利益
高齢の被害者が得ていたのは年金収入のみでした。
被告は、交通事故と死亡との間の因果関係を認めることになり、年金収入を基礎収入とすることへの争いはなくなりました。
従って、逸失利益を算定してもらうことができました。
3慰謝料の額
本件では、以下の額の慰謝料が認められました。
被害者が85歳という高齢であったことを考えれば、この金額は、かなり高い水準だと思います。
 死亡慰謝料     2000万円
 家族の固有の慰謝料  460万円
 合計        2460万円
4過失相殺
被告は、事故現場は横断歩道・信号機のない交差点であること、被害者が横断しようとしていた道路は交通量の多い片側2車線道路であること、事故現場から西に約80mの地点・東に約80mの地点に横断歩道が設置されていることなどを主張して、被害者の過失割合は20%であると主張しました。
これに対して、被害者の過失割合はもっと小さいことを強く主張しました。
審理の結果、裁判所は、被害者の過失割合を15%と認定しました。

弁護士のコメント

この事案では、事故直後の早い段階からご依頼を頂きました。このため、刑事裁判への対応から、損害賠償請求事件の解決まで、交通事故において生じる全ての段階における対応に当たらせていただきました。
1刑事手続
検察官に対し、ご家族が、加害者に対する厳罰を望んでおられることを明確に伝えました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、できるかぎり多くの記録(資料)を入手して詳細に情報を把握するとともに、公判廷で実施された被告人質問において、事故前後の状況、事故態様などについて質問しました。
これらの対応をしたことが、後々の民事裁判における過失相殺の主張に役立ちました。
2損害賠償請求手続
本件では、事故から約8か月が経過してから被害者が死亡するという特殊事情がありました。このため、自賠責保険の請求手続を行って、交通事故と死亡との間の因果関係に関する判断を得ることにしました。
その上で、損害賠償請求訴訟では、逸失利益・慰謝料などの損害項目で十分な額の認定を得ること、被害者の過失割合をできる限り小さく認定してもらうことを主眼に置いて、綿密な主張と立証を行いました。この結果、裁判所に、十分な水準の認定をしてもらうことができました。
3最後に
ご家族は、自分たちだけで十分に対応することは難しいと考え、弁護士に依頼することを検討していました。交通事故に関して高いレベルで対応できる弁護士を探すため、複数の弁護士に相談したそうです。
複数の弁護士を比較した結果、ご家族は、
・損害賠償だけでなく、刑事手続についても対応すること
・刑事手続から損害賠償の解決に至るまで、十分な知識と経験があること    
・対応が丁寧で、分かりやすく説明していたこと
などの事情から、だいち法律事務所を選んでくれました。
だいち法律事務所としても、ご依頼を頂いた当初から、その思いに応えられるように最善を尽くして対応に当たりました。ご家族に納得して頂ける水準の結果を得ることができ、とても喜んで頂けましたので、こちらも嬉しく思っています。

 

死亡事故
解決:令和4年3月28日判決 裁判所:神戸地方裁判所尼崎支部

【事案の概要】
被害者は、片側2車線の道路を徒歩で横断していたところ、走行してきた自動車に衝突されました。この交通事故によって、被害者は、頭蓋底骨折、多発性脳挫傷などの重傷を負い、遷延性意識障害の状態になりました。この交通事故の後、被害者は、入院治療を続けていましたが、徐々に全身状態が悪化し、事故から約8か月が経過した後、誤嚥性肺炎によって死亡しました。

受任までの経過

ご家族は、この交通事故に関する対応を依頼するため、交通事故に詳しい弁護士を探しました。法律事務所のホームページを確認するなどした上で、実際に複数の弁護士と面談されたようです。
だいち法律事務所にご相談を頂いたのは、最後だったようです。そして、以下のことが決め手となって、ご依頼を頂くことになりました。
① 刑事手続から損害賠償請求の解決に至るまでの流れについて詳しく説明したこと
② 交通事故に関する全ての手続(民事手続だけでなく刑事手続も含めて)に高い水準で対応できること

刑事手続への対応

ご依頼を頂いたのは、加害者の刑事裁判が始まる前でした。
遷延性意識障害の状態だったため、被害者本人の意思は確認できませんでしたが、ご家族は、加害者に厳罰を科すことを望んでいました。このため、だいち法律事務所では、起訴前から検察官と連絡を取り合い、ご家族が厳罰を望んでいることを伝えました。
そして、加害者が公判請求(起訴)された後は、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事裁判に関与しました。主な対応は、加害者に対する被告人質問であり、事故状況について補足的に質問をしたり、事故後の対応や反省の有無を問い質すなどの対応をとりました。

自賠責保険の請求

1 交通事故と死亡との間の因果関係

被害者の全身状態は、徐々に悪化していました。そして、交通事故から約8か月が経過した頃、誤嚥性肺炎によって死亡しました。
交通事故から死亡までに8か月もの期間が経過していたため、交通事故と死亡との間に因果関係が認められるかどうかが問題になると見込まれました。この因果関係が認められるか否かは、以下の通り、損害賠償に大きく影響します。
⑴ 交通事故と死亡に因果関係が認められる場合
この場合、「死亡事故」として取り扱われることになり、逸失利益の算定において以下の影響があります。
① 生活費が控除されます。
② 年金受給者であれば、年金収入が基礎収入になります。
⑵ 交通事故と死亡との間の因果関係が否定される場合
この場合、後遺障害の事案として取り扱われ、交通事故とは別の原因で死亡したことになります。逸失利益の算定において、以下のような影響があります。
① 生活費が控除されません。
② 年金収入は、基礎収入になりません。
2 自賠責保険の請求手続

因果関係についての判断をしてもらう意味もあり、自賠責保険の請求手続を行いました。
自賠責損害調査事務所は、病院に対する医療照会を行うなどした結果、本件では、交通事故と死亡との間に因果関係があることを認め、死亡事故としての自賠責保険金を支払ってくれました。

損害賠償請求の方針

被害者が80歳代という高齢だったので、支払われた自賠責保険金は限度額に達していませんでした。このため、民事裁判(損害賠償請求訴訟)において、追加の賠償金の支払が認められる可能性がありました。
また、ご家族が大きなショックを受けていたことから、固有の慰謝料を請求したいと考えましたが、これを認めてもらうためには提訴が必要です。
争点として、交通事故と死亡の因果関係、過失割合、逸失利益の算定、慰謝料の額などが問題となることが予想されました。
これらの事情をご家族と検討した結果、自賠責保険金を受領した後、提訴することになりました。

裁判所の認定

1 交通事故と死亡との間の因果関係
当初、被告(保険会社)は、交通事故と死亡との間の因果関係に疑問を持っていました。
この点に関する因果関係が否定されると、被害者は、交通事故とは別の原因で死亡したことになり、本件は後遺障害の事案として損害額が算定されることになります。こうなると、年金収入だけを得ていた高齢の被害者の場合、逸失利益が計上されないことになります。
被告にとって、支払うべき金額を減らすには、効果的な方法だったのです。 しかし、取り寄せた医療記録を調査した結果、交通事故によって被害者が重篤な状態になっていたこと、小康状態があったものの全身状態は悪化し続けていたこと、誤嚥性肺炎は十分に有り得る死因だったことから、被告は、この点の因果関係に対する主張を撤回しました。
2 逸失利益
高齢の被害者が得ていたのは年金収入のみでした。
被告は、交通事故と死亡との間の因果関係を認めることになり、年金収入を基礎収入とすることへの争いはなくなりました。
従って、逸失利益を算定してもらうことができました。
3 慰謝料の額
本件では、以下の額の慰謝料が認められました。
被害者が85歳という高齢であったことを考えれば、この金額は、かなり高い水準だと思います。
死亡慰謝料     2000万円
家族の固有の慰謝料  460万円
合計        2460万円
4 過失相殺
被告は、事故現場は横断歩道・信号機のない交差点であること、被害者が横断しようとしていた道路は交通量の多い片側2車線道路であること、事故現場から西に約80mの地点・東に約80mの地点に横断歩道が設置されていることなどを主張して、被害者の過失割合は20%であると主張しました。
これに対して、被害者の過失割合はもっと小さいことを強く主張しました。
審理の結果、裁判所は、被害者の過失割合を15%と認定しました。

弁護士のコメント

この事案では、事故直後の早い段階からご依頼を頂きました。このため、刑事裁判への対応から、損害賠償請求事件の解決まで、交通事故において生じる全ての段階における対応に当たらせていただきました。
1 刑事手続
検察官に対し、ご家族が、加害者に対する厳罰を望んでおられることを明確に伝えました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、できるかぎり多くの記録(資料)を入手して詳細に情報を把握するとともに、公判廷で実施された被告人質問において、事故前後の状況、事故態様などについて質問しました。
これらの対応をしたことが、後々の民事裁判における過失相殺の主張に役立ちました。
2 損害賠償請求手続
本件では、事故から約8か月が経過してから被害者が死亡するという特殊事情がありました。このため、自賠責保険の請求手続を行って、交通事故と死亡との間の因果関係に関する判断を得ることにしました。
その上で、損害賠償請求訴訟では、逸失利益・慰謝料などの損害項目で十分な額の認定を得ること、被害者の過失割合をできる限り小さく認定してもらうことを主眼に置いて、綿密な主張と立証を行いました。この結果、裁判所に、十分な水準の認定をしてもらうことができました。
3 最後に
ご家族は、自分たちだけで十分に対応することは難しいと考え、弁護士に依頼することを検討していました。交通事故に関して高いレベルで対応できる弁護士を探すため、複数の弁護士に相談したそうです
複数の弁護士を比較した結果、ご家族は、
・ 損害賠償だけでなく、刑事手続についても対応すること
・ 刑事手続から損害賠償の解決に至るまで、十分な知識と経験があること  
・ 対応が丁寧で、分かりやすく説明していたこと
などの事情から、だいち法律事務所を選んでくれました。
だいち法律事務所としても、ご依頼を頂いた当初から、その思いに応えられるように最善を尽くして対応に当たりました。ご家族に納得して頂ける水準の結果を得ることができ、とても喜んで頂けましたので、こちらも嬉しく思っています。