事故後の回復が遅く退職させられた場合の対応

はじめに

交通事故で怪我を負ったことが原因で仕事に支障が出てしった結果、退職を余儀なくされるケースは珍しくありません。

しかし、保険会社から支払われる休業損害はケガによってそれまで通りに仕事ができなくなってしまった場合に限定されます。

では、事故後に退職した場合でも、休業損害の認定を受けることはできるのでしょうか。

 

会社は事故に遭ったことを理由に簡単に解雇ことはできない

労働基準法では、会社が従業員を解雇しようとする場合に、極めて厳格なルールを定めています。

そのため、会社側は、簡単には従業員を解雇できません。当然ながら、不慮の事故によって仕事ができなくなったり、仕事に支障をきたしたりした場合も、

直ちに解雇することは禁止されています。人事異動や配置転換をするなどして、怪我をした後でも、雇用を継続できるように配慮しなければなりません。

 

しかし、怪我の回復が遅く、一向に復帰の兆しが見えない場合は、やむを得ず解雇される可能性があります。

もしも会社から解雇の予告を受けた場合は、弁護士に対応を相談し、会社と話し合う機会を設けるべきでしょう。

 

 

退職後も休業損害が認められることがある

では、治療継続中に解雇された場合、休業損害は認められるのでしょうか。

 

実際にあった判決例として、21歳の男性がビル清掃を行う会社に入社した翌日に事故で負傷し、

治療のため長期の欠勤を続けた結果、解雇されてしまったという事案があります。

この裁判では、「新卒者以外の就職は容易ではない」として、求職活動を始めてから再就職するための必要な期間について休業損害を認めました。

そして、再就職するために必要な期間は、3ヶ月が妥当だと判断されました。

 

ただし、交通事故で負傷した後の解雇がすべて休業損害の対象になるとは限らないため、

判断に迷ったときは、弁護士に相談することをおすすめします。

 

休業損害が認められるポイント

退職後も休業損害が認められる場合、負傷と退職との間に因果関係があるか、

また会社都合の退職なのかどうかを判断する必要があります。

 

退職理由が自己都合の場合、休業損害が認められなくなります。自己都合による退職では、事故との因果関係がないと判断されるためです。

「もともと退職したかったが、事故で負傷したことをきっかけに退職した」という場合も認められません。

 

会社都合による退職なら、失業保険が支給される時期も自己都合退職より早くなります。

加えて、休業損害の支払いも受けられ易くなるので、退職後の金銭面での不安が解消される可能性が高くなります。

ただし、雇用保険が再就職を前提としている性質上、長期的な治療が必要な場合、申請が認められない可能性があります。

くわしくは最寄りのハローワークへお問い合わせください。

 

 

休業損害を受け取れる期間

 

休業損害は、事故による怪我が原因で休業または休職を余儀なくされた期間に対して補償されるものです。

 

・ケガが完治するか、後遺障害が残る場合は症状固定まで

・再就職先が見つかるまで

 

のいずれか短期の期間までの補償が認められる可能性があります。

例えば、けがが完治していなくても再就職先が見つかって働き始めれば打ち切りになります。

 

なお、退職後の休業損害は、「再就職できるまでの相当な期間」についてのみ補償を受けられます。

再就職の意欲がなかったり、相当期間を超えて再就職先を見つけられなかったりする場合は、途中で打ち切りになる可能性があるので注意しましょう。

 

交通事故により退職する場合は弁護士に相談すること

このように、事故によって仕事に支障をきたし、解雇されたり退職勧告をされたりした場合は、一度弁護士にご相談ください。

休業損害はけがの程度や治療の期間、転職先が決まる可能性の有無などさまざまな要素を考慮して休業損害が支給されるかどうかが決定されます。

当然ながら支給されないケースもあります。法律に詳しくない方が休業損害を受け取るかどうか、判断をするのは難しい場合があります。

 

交通事故を専門とする弁護士なら休業損害に関するご相談や、申請に必要な手続等にも詳しく、被害者も安心して依頼できます。

まずはお気軽に弁護士にご相談ください。