交通事故で自覚症状がなければ・・・

はじめに

当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。

 

運転中、信号待ちをしているときに後続車に追突されました。軽くぶつけられた程度なので私は負傷せずに済んだのですが、親にこの話をすると「後からむちうちになることがあるから絶対に病院に行った方がいい」と言われました。まだむちうちの症状が出ていなくても病院に行った方がいいのでしょうか?

 

結論から申し上げると、すぐにでも病院で診察を受けるべきでしょう。というのも、交通事故による負傷がきっかけで長年にわたってむちうちの症状に悩まされる被害者は少なくないからです。むちうちは、事故直後は痛みを感じなかったのに事故から数時間後あるいは数日たってから症状が出始めるケースがほとんどです。ここでは、交通事故で自覚症状がなくても病院に行くべき理由を詳しく説明します。

 

 

保険会社から受け取れる損害賠償金が受け取れなくなる

保険会社が被害者に対して支払う損害賠償金は、「事故の被害に遭ったために発生した損害」に限られます。つまり、事故との因果関係がなければ損害を賠償してもらうことはできません。

 

事故発生から長期間経過した後に症状が現れ、病院を受診して事故の後遺症だと診断されたとしても、「それは本当に事故と関係がある症状なのか」と保険会社に反論されてしまう可能性が高くなります。たとえ自覚症状がなくても、できるだけ早く、医師の診察を受けたほうが因果関係を証明しやすいのです。

 

交通事故によって後遺症が残ってしまった場合、後遺障害等級の認定を受ければ後遺障害慰謝料などを受け取ることも可能です。事故が原因でむちうちの症状が出た場合は、保険会社から適切な賠償金を支払ってもらうことが重要です。そのための第一歩として、まずは医師による診察を受け、診断書を作成してもらう必要があります。

 

 

自覚症状がなくてもできるだけ早く病院へ

むちうちは正式な病名ではなく、医学上は「外傷性頚部症候群」または「頸椎捻挫」と呼ばれ、主な症状として、首の痛み、肩こり、頭痛、しびれなどがあります。事故直後は精神的に興奮状態にあるため症状を感じにくいのですが、事故からしばらくたって落ち着いてくると徐々に症状を感じるようになります。症状が現れるのは、事故の翌日だったり、数日後だったりする場合もあります。保険会社に事故との因果関係を認めてもらうためには、事故発生当日から、遅くても一週間以内には、医師による診察を受けるべきでしょう。

 

 

人身事故での示談を進めるときは弁護士に相談を

被害者に目立った外傷がなく、むちうちのような身体の異変もない事故なら、保険会社は物損事故として示談を進めようとするはずです。しかし、事故後にむち打ちの症状が出てしまった場合は、人身事故に切り替えた上で示談をすすめなければなりません。初診が遅れ、すでに物損事故として対応を進めてしまっている場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談のうえ、保険会社と交渉してもらうことをおすすめします。