過失割合に納得がいかない

当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。

 

交差点を渡っているときに車と接触し、全治1ヶ月のケガをしました。その後、相手の保険会社から過失割合について連絡がありましたが、あまりにも理不尽で納得がいきません。自分には過失はないと思っているのですが、保険会社が提示した過失割合に従うしかないのでしょうか。

 

交通事故は、加害者が一方的に悪くて起きるのではなく、被害者にも落ち度があったために事故につながったという場合が多いです。被害者にも落ち度があった場合、被害者と加害者のそれぞれに、どれくらいの割合で過失があったかを決める必要があります。これを「過失割合」といい、被害者は、自らの過失の分だけ損害賠償額が減額されます。

 

例えば、被害者と加害者の過失割合が30:70だった場合、被害者が受けた損害のうち7割しか賠償の対象になりません。つまり、被害者に1000万円の損害が発生した場合を考えると、300万円は被害者の自己負担となるのです。

このように過失割合は、いくらの賠償金を受けとれるかを決めるにあたって、とても重要な意味を持っています。だからこそ、保険会社が提示してきた過失割合に納得いかないとする被害者からのご相談が多く寄せられているのです。

 

ここでは、過失割合の決め方と納得できないときの対処法について説明します。

 

 

過失割合の決め方

過失割合は、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という、過失割合を定めた本を参考に決められます。これは保険会社だけでなく、裁判所や弁護士も利用しています。

 

例えば、信号機のある交差点での事故で、歩行者が青信号で横断歩道を渡っている時に車が赤信号で進入した場合の過失割合は、歩行者が0%、車は100%となります。反対に、歩行者が赤信号で横断歩道を渡っている時に車が青信号で進入してきた場合の過失割合は歩行者が70%、車が30%となります。このように、事故の発生状況によって過失割合が類型化されており、当該事故により近い状況の事例を探します。

 

さらに過失割合を調整する「修正要素」があるかどうかを確認します。例えば、車側に酒気帯び運転や居眠り運転などの「著しい過失・重過失」がある場合は、歩行者の過失割合が20%減ります。このような修正要素を加味して過失割合を事故の状況に近づけていきます。

 

 

過失割合に納得がいかなければ弁護士に相談を

保険会社には過失割合を決める権限はありません。保険会社から示される過失割合は、あくまでも保険会社の見解に過ぎません。被害者が受け入れなければ、過失割合を確定させることはできません。

 

保険会社が決めた過失割合が本当に正しいものかが分からないときは、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、被害者の主張を聞いた上で、保険会社の見解を検討し、保険会社の見解が合理的かどうかを判断します。

過失割合で保険会社と折り合いがつかなければ、裁判で争うことになります。被害者と加害者は、それぞれが正しいと考える事故の発生状況を主張するとともに、過失割合に関する主張も行い、裁判所に最終判断をしてもらうのです。