交通医療研究会

てんかん

2023.05.18

第1.定義

第1.定義

さまざまな原因でおきる慢性脳疾患で、その特徴は、脳ニューロンの過度な発射に由来する反復性発作であり、多種多様な臨床及び検査所見を随伴する。

1.反復性発作
ある間隔をおいて発作が繰り返されることが特徴。ただ1回だけの発作で治ってしまう場合も絶無ではないが、ほとんど大部分のてんかんは適切な治療を加えなければ、頻度はさまざまだが発作が繰り返し起こるのが通例である。
てんかんとは、「脳が発作が起こしやすくなった状態(発生準備性)」が亢進した状態である。

2.脳ニューロンの過剰発射

ニューロンの活動によって、生体電気が発生することが発作が起こる原因。
大脳の皮質にある一部の神経細胞が異常に突発的な電気活動を起こし、それが周囲の神経細胞を巻き込んで、しばらくの間(多くは5分間以内)、異常な電気活動が継続される。
てんかん発作の症状は、千差万別である。発射が起こる局所、すなわち発作焦点が大脳半球のどの領域にあるかによって発作の症状が違ってくる。
【前頭葉】
眼球・頭が側方を向く。
全身性のけいれんを起こしやすい。
一側性に手足が強直・ピクピクする。
複雑な身振り自動症。
発作時間が短く(長くても1~2分)、1回発作が起こると、その日のうちに何回か繰り返す。
【側頭葉】
吐き気、胸が苦しい感じ、めまい感、全身の冷感、不安感、恐怖感、嫌な臭い・味覚などの感覚が最初にある。
その後、意識が混濁し、動作の停止と一点凝視、舌打ち、口をモグモグさせるなどの自動症がある。
発作時間は2~5分間と比較的長く、発作後もうろう状態がある。時に全身性のけいれんを伴う。
【頭頂葉】
一側性に手足の感覚異常・異常運動がある。
頭頂葉は、発作症状として特徴的なものは少なく、そこ以外の領域(前頭葉・側頭葉・後頭葉)に広がって症状として確認される。
【後頭葉】
ものが2つに見える、視野が黒ずむ、変な色・光・影が見えるなどの視覚に関わる異常がある。
また、瞼がピクピクしたり、眼球が一側を向くなどの眼に関する症状を示す。介護費用が低額化する蓋然性の有無は、証拠に基づいて認定されなければならない。しかし、一般に、被告(加害者もしくは保険会社)は、低額化の可能性を書面にて主張しても、それを裏付ける証拠を提出することはない。にもかかわらず、これまでの裁判例は、安易に、介護費用の低額化の蓋然性があると認定してきた。
かかる態度は強く非難されるべきであり、早急に改められなければならない。
この点、福岡地裁平成17年7月12日判決は、
『予測される原告Aの生存期間である今後十数年の間に、各所介護サービスがより廉価で利用できるようになる具体的な見込みが存することを認めるに足る証拠はなく、現時点で利用可能な介護サービスを使用する場合に実際に要する実費を基礎として将来の介護費用を算定せざるを得ないというべきである』
と判断し、職業介護人の介護費用について、現実の介護に必要な費用として日額2万5392円を認定した。
この福岡地裁の裁判例は、証拠に基づく判断を徹底している。

3.発生原因はさまざまである
【症候性てんかん】
脳疾患・脳外傷など、病理学的原因が明らかな場合
【特発性てんかん】
発作の病理学的原因が証明できないてんかん
【潜因性てんかん】
症候性と推定されるが、原因の不明確なもの

4.多種多様な臨床および検査所見を随伴する
・脳波上のさまざまな「発作性脳律動異常」
・脳画像上のさまざまな病理学的変化
・神経心理学的検査による認知機能などの高次神経機能の変化
これらの随伴所見の多くが、「発作間欠期」発作のない時期にも持続して認められる。発作間欠期の持続的障害は、以下の①~③に分類される。
① 脳病変による持続的障害
症候性てんかんの多くは、知的障害・人格障害などの持続的障害を重複する。脳病変が発作と持続的障害の双方の原因となっている。
② 発作の反復による持続的障害
「てんかん発作はたとえ長期間にわたって反復しても、脳損傷を生じることはないし、また発作の反復だけで精神機能の欠損をきたすことはない」と言うのが従来からの一般的な見解。
最新の研究では、発作を頻発した人の脳に、ニューロンの微細構造の変化あるいは消失があること、実験てんかんで発作の回数にほぼ正比例してニューロン数の減少が認められることが確認されるようになっている。
③ てんかん薬による持続的障害
てんかん薬の使用量が多すぎたり、多剤併用の場合に、注意集中困難、動作緩慢、持続力減退、疲れやすい、などの高次神経機能障害を引き起こすことがある。

この種の持続的障害は、教育やリハビリテーションの妨げとなり、本人に不利をもたらす。本人・周囲がこの種の持続的障害をもたらすことがあることに留意し、疑いがあれば直ちに主治医に相談し、適切な処置をしてもらう必要がある。医師は、発作の抑止だけに目を奪われず、持続的障害の発生にも配慮しなければならない。

第2.診断と治療

てんかんは、慢性の病気であり、当事者は長期にわたって医療を受けることが多いから、主治医との間の信頼関係が保たれることが診療を効果的にするために大切である。また、医師の当事者に対する態度とともに、当事者、家族の協力が必要である。

1.診断
・それは本当に発作か?
・それは「てんかん性の発作」か?
・てんかん発作であれば、どんな症状か
⑴ 確認項目
⒜発作の始まりの状況
⒝意識減損の有無
⒞運動状況の把握
⒟持続時間
⑵ 脳波検査は、欠かすことのできない有力な手段である。
てんかん発作にはさまざまな種類があり、発作の種類によっててんかん薬の効果が違うが、脳波の特徴から発作の種類を正確に特定することができる。
脳波のもう一つの効能は、治療の効果の判定に役立つことである。発作間欠時の脳波に亜臨床発作波形の出現が少ないほど、経過がよい。
⒜検査方法
①安静覚醒閉瞼時記録
②脳波賦活法
異常脳波を発現または顕著に出現させるための操作を行う方法
③長時間脳波記録
など
⒝てんかん性発作波
突発波が、発作時点間発射として見られる以外に、発作と発作の間の間欠期にも発作間欠期てんかん発射として見られる。
①棘波(spike)
持続が20~70msecのもので、背景脳波から際立っている波
②鋭波(sharp wave)
持続が70~200msecのもので、背景脳波から際立っている波
③棘・徐波複合
棘波と5~2Hzの徐波とが複合した波
⒞脳波は、大脳の表面の電気的信号の一部を記録している。脳の深いところだけで異常な電気的活動があって、脳波では記録できないこともある。
部分てんかんでは、覚醒時の脳波は正常で、睡眠時の脳波のみ異常という場合が頻繁にある。
それでも、異常が検知されない場合も少なくなく、何度か脳波を繰り返したり、特殊な脳波検査で初めて見つかることも珍しくない。
⑶ 症候性てんかんでは、病変の部位、拡がりを確かめることが適切な治療を行う上で極めて大切である。
 CT・MRIが用いられる。PET・SPECTの利用は、将来の課題。
病変部位(発作焦点)が確認された場合には、外科手術が検討されるべき。

2.治療
⑴ てんかん薬による治療
てんかん薬が如何なるメカニズムによって発作を抑え、発作閾値を変え、神経細胞の電気的な異常活動を阻止するのかは完全に解明されている訳ではない。
⒜医師は、脳波、その他の検査で発作の種類を正確に診断した上で、それぞれの発作に最も効果のある薬を選択しなければならない。
まず単剤で治療を開始し、第一選択薬が無効であれば、第二選択薬を追加し、それが有効であれば、十分に時間をかけて前薬を減量・中止し、単剤に戻す。
複数の発作を重複してもつ難治てんかんの場合には、2剤や3剤での治療を余儀なくされる場合が多い。
多剤併用治療の結果、発作が長期間抑制されていれば、脳波所見を手がかりにして単剤化を図る。
⒝てんかん薬の直接の作用は発作の抑制であって、根治ではないから、患者は、多くの場合、長期にわたって用い続けなければならない。
そのため、
①薬の種類、使用量を必要最小限にとどめなければならない(できれば1種類。せいぜい2種類)。認知障害などの副作用は、薬の種類、使用量が多すぎる場合に起きやすい。
②発作がしばらく起きていないからといって、勝手に服薬を中止してはならない。
服薬を急にやめると、発作の頻発が起きることがあるため。
てんかん薬の持続的使用で2~3年間、発作が全くない場合に、用量を少しずつ減らして、発作が起きないようであれば中止しても良い。
ただ、10年ぐらい発作がなくても再発した例もあり、再発の可能性は否定できない。
③てんかん薬を服薬していても、血中濃度が有効濃度に達していなければ、発作を抑制できない。定期的に血中濃度を検査する必要がある。
血中濃度を調べることは、服薬をサボっていないかを確かめるにも有効である。
⑵ 外科治療
ある種の脳腫瘍など、発作の原因が明らかな場合には、脳外科手術が必須かつ有効な場合が少なくない。
側頭葉てんかんなどの症候性てんかんで、発作焦点の局在が明確な場合にも、脳外科手術によって、焦点部分を除去することが、発作の抑止に有効である。
<手術適応基準p133>
①発作が脳の局限した部位から起こる
②適切な薬物治療で発作をコントロールできない
③発作の頻度と内容が患者の生活を障害するほどに激しい
④3~4年以上続き、寛解する兆しが見られない
⑤手術によって、生命の危険、失語や片麻痺といった重篤な神経脱落症状を招かず、発作が消失すれは、ほぼ通常の生活に復帰できる
⑥術前の必要な検査に協力的で、術後も処方通りの薬を服用できる
<手術の方法>
①側頭葉切除術
最も一般的に実施されている手術。発作消失が70%に近い。
②側頭葉以外の脳葉の切除術
③大脳半球切除術
健常な脳に行うと、片麻痺・半盲・言語機能などに著明な影響をきたす危険がある。このため、一側半球に器質的・機能的障害が既に存在し、切除してもこれ以上の機能障害を招かないことが明らかな症例が対象となる。
④脳梁離断術
脳梁は、左右の大脳半球を結ぶ神経繊維束である。これを離断すると発作発射の両側同期化が抑制されて二次性全般発作が緩和される。
切除外科の対象から除外された難治症例にとって、唯一残された治療手段となっている。

第3.てんかんの予後とリハビリテーション

1.予後
⑴ 分類
てんかんの予後は、大まかに
A群:ここ数年間は発作がなく、十分な職業能力のあるもの
B群:発作はあるが、職業能力のあるもの
C群:発作が頻発、重複障害があり、他人の介助を要するもの
に分類される。
障害と職業能力に応じた適切なリハビリテーションが必要である。
⑵ 難治性てんかん
適切な抗てんかん剤投与による治療をしても、てんかん頻度が減らないものを「難治性てんかん」という。
難治である理由は、
①薬の処方量が足りない
②患者が薬のスケジュールを守っていないため、十分な量が吸収されていない
③その薬が患者に適合していない
④てんかんをもたらしている脳の病変が、薬剤のみではコントロールできない
などがある。
⑶ てんかん重積
何回もの発作が引き続いて起こり、長時間(通常30分以上)にわたり発作状態が持続する場合、または、発作が通常の時間内に終了しても、意識が回復する前に次の発作が反復し、その様な状態が30分以上続く場合。
この状態が続くと、脳の不可逆的な損傷が起こって、時には生命を危険にさらす。緊急治療措置が必要となるので、病院への搬送が必要。
⑷ 症状の悪化
継続的に発射する異常てんかん波が、神経細胞を疲弊させ、次第に大脳皮質・海馬(記憶中枢)の神経細胞を摩滅せさ、数が減ってしまう。
さらに進行すると、一方の脳半球にある発射焦点が、脳半球の反対位置にある大脳皮質に自発興奮性を誘発するという現象が起こり、新しいてんかん焦点が創り出されてしまう(鏡像現象)。そして、記憶障害や思考力・知能の低下がもたらされる。

2.リハビリテーション
⑴ 就業
医師から「職業能力あり」と認められた者でも、就職できない状況にある。多くは、企業のてんかんに対する理解の欠如が原因である。
⑵ 共同作業所
小規模の共同作業所が、てんかん患者を多く受け入れている。
多くは、知的障害・肢体障害を重複しており、てんかんとしては分類されていない。
てんかん患者を受け入れる作業所の増加、てんかん専門の作業所の設置、職員のてんかんに対する力量の向上、などが課題。
⑶ 重症心身障害者施設、療育施設
発作が難治であるばかりでなく、手足の麻痺・重度の知的障害のため、介助を要する患者は、これらの施設に入所していることが多い。
ただ、患者・家族が、共同作業所に通うことを望んでも、受け入れできる状況にはない。

3.予後(参考)
てんかん患者の死亡原因は、病死を除くと溺死が最も多い。入浴中、もしくは用水せきへの転落死である。

第4.てんかん発作の特徴

1.発作の観察項目
⑴目の動き(眼振の有無、眼球偏位、眼球上転、開眼か閉眼か、眼瞼のピクピク)
⑵四肢の動き(四肢の強直、四肢のピクピク、左右差、全体か一部か)
⑶発作時の発声の有無、あればどんな声か
⑷発作は単発か、重積か、シリーズ形成か
⑸発作の持続時間・間隔
⑹全身状態の観察(チアノーゼの有無、呼吸状態の異常の有無など)
⑺随伴症状の有無(嘔吐、発熱、発汗など)
⑻外傷の有無(発作時に転倒した場合)
⑼発作後の睡眠の有無
⑽発作の起こりやすい時間帯の有無(覚醒時など)
⑾誘因の有無(光や音との関連など)

2.分類
⑴発作が全身に及び、意識障害を必ず伴うもの(全般てんかん)
→ 大脳皮質の全体にわたって同時に神経細胞の過剰な電気活動が発生するもの
①強直-間代発作(いわゆる大発作)
⒜前駆症
特に大発作型の場合、約10%の患者が、発作を起こす数時間・数日前に、頭痛や不安、不機嫌などの症状(前駆症)を示す。
⒝けいれん発作
意識消失とともに運動が消失し、直後に「強直けいれん」、次いで「間代けいれん」を起こす。けいれんを起こしている時間は、合わせて1分間程度(強直十数秒+間代数十秒)である。
【強直けいれん】
筋肉の収縮が持続的に起こっている場合で、手足が屈曲または伸展したままで固くなる。手足に力が入って、細かく震えて見えることもある。
【間代けいれん】
上下肢がリズミカルに屈曲、伸展を繰り返す場合。顔の筋肉にもリズミカルな収縮が見られることもある。
発作は、
突然、意識が消失して発作が始まり、身体の動きが停止する。
その後すぐ地上に転倒してしまう。転倒は、手足の筋肉の急激な収縮のために起こる。
やがて、全身に細かな震えが出現し、次第に大きくなって、短いが強い筋肉の弛緩と収縮が交互に起こり、手足がガクッガクッと大きく揺れるようになる。
筋収縮は、次第に間隔が伸び、ある時点で完全に停止する。
という経過をたどる。

⒞発作後期
けいれん後、そのまま数分間、深い眠りに陥る。
意識を回復するまでに10分から半時間かかる。
意識を回復しても、見当識は失われ、発作中の出来事についての記憶はない。
②欠神発作(アブサンス)
意識が消失することを主症状とする発作。
⒜単純欠神
何の前触れもなく、突然意識がなくなり、数秒から数十秒間、この状態が続いた後、突然意識を回復して終了するもの。
倒れることはまずない。意識は、発作直後ただちに回復する。短い発作の場合は、他人に気づかれないことも多い。
⒝複雑欠神
意識障害に加え、他の症状(主に、自動症・ミオクロニー欠神)を伴うもの。
【自動症を伴う欠神】
欠神発作の間、特に後半に、唇をもぐもぐ動かす、舌なめずりをする、揉み手をする、自分の衣服を掴むなどの単純な動作を繰り返し行う状態
【ミオクロニー欠神】
欠神発作の間、眼瞼や手などをピクピク動かす動作を伴うもの
【後屈欠神】
発作中に筋肉の緊張が高まって上半身を後屈させる
【脱力欠神】
力が抜けて立っていられなくなる
③(両側)汎ミオクロニー発作
瞬間的に全身の筋肉が強い収縮を起こして、手足を屈曲し、頚部を前屈させる。
意識消失がなく、ごく軽く身体がピクッとする程度のものから、意識も消失し、身体を投げ出すようにパタンと倒れてしまうものまである。
持続時間は瞬間的で、発作終了後は、ただちに意識が回復して起き上がる。
④点頭発作(乳児スパムス)
乳児期特有のてんかん
⑵ 身体の一部に局限して起こるか、全身性でも身体の一部から始まる発作(局在関連性てんかん)
→ 大脳のある限られた場所の神経細胞の過剰な電気活動から始まるもの
→ 単純部分発作  意識障害を伴わない
複雑部分発作  意識障害を伴う
①運動発作
身体の運動機能の障害を主な症状とする発作。一般に意識は消失しない。
⒜焦点運動発作
大脳の表面(大脳皮質)の運動を支配する領域の病巣に一致して、脳の病巣のある側とは反対側の身体の一部に起こる発作。片側の手(特に親指)・口唇・舌の片側・顔面の半側などがピクッピクッとリズミカルに収縮する間代性のけいれん。躯体や足には少ない。身体のほかの部位には拡がらない。持続時間は、数秒~数十秒で、一般的には短いことが多いが、時には断続的に1~2時間にわたって続くこともある。
⒝ジャクソン型発作
身体の一部から始まった焦点運動発作が、同側のほかの部分に拡がっていくもの。手がピクピクする間代けいれんが眼瞼に移り、口角に波及する形が多い。それ以外には、手→腕→足、足→脚→腕→顔面などの形態がある。
⒞偏向発作
片側の腕を振り上げて、頭を振り上げた手の方向へ回転させ、目もその手を見るように腕を振り上げた側に変位するような発作である。
⒟身体抑制発作
身体の一部が一時的に利かなくなり、麻痺を起こす。極めてまれ。
⒠失語性発作
一過性に言葉が出なくなる。極めてまれ。
②感覚発作
大脳の感覚を支配する領域(知覚領野)に異常な電気的変化が出現し、異常のある側とは反対側の身体の一部、特に親指、手、腕などに数秒から数十秒間、異常な感覚をきたす発作。
チクチクする感じ、しびれ感、感覚が麻痺してしまったような感じを覚えることが多い。ほかの部位に拡がることもある。
感覚発作から運動発作に移行する場合もある。
③自律神経発作
自律神経系に関係のある症状が発作性に出現するもの。
腹痛・嘔気・嘔吐・便意、呼吸や脈が速くなるなどの症状がある。頭痛や頭が重いと訴えることもある。
てんかん性のものか否かを区別することが難しい。
持続時間は数秒から数分。
④精神症状を起こすてんかん(側頭葉てんかん)
さまざまな精神症状をきたす発作
⒜意識混濁発作
欠神発作と非常に似ているが、欠神発作ほど急激に意識が消失するのではない。動作が止まる場合でも、何かやっていることを一休みするといった形で現れ、表情や姿勢も変わらない状態から、呼び掛けに全く反応しない状態に陥っていく。終わり方も徐々に意識が戻る感じで、欠神発作のように急激に意識を回復して、すぐに元の動作を続けられる状態ではない。
⒝精神運動発作
意識混濁発作の後半に、欠神発作で述べた自動症が見られるもの。欠神発作の自動症よりも動作が複雑なことが多い。
意識が朦朧としていながら、口をモグモグさせたり、ボタンを外したりする。激しいときには、急に着物を脱いでしまったり、歩き回ったり、叫び声を上げながら部屋の中を走り回ったりすることもある。

第5.発作に直面した場合の対処方法

強直-間代発作であれば救急処置が必要であるが、ほとんどの場合、何もできることはない。

1.強直-間代発作
⑴ 慌てない
てんかん発作は、重積状態でない限り、一過性のもの。
一旦、発作が始まったら、止めることはできない。成り行きに任せる。
⑵ 転倒による負傷の防止
突然に意識消失し、同時に全身の筋群が強直し、立位の場合であれば棒状に倒れ、座位ならそのまま転倒する。
素早く支え、臥位を取らせ、周辺の危険物を取り除き、安全を確保する。
場所が浴室・トイレ・ベッドの間・通路などの狭い場所では危険を伴うので、安全な場所に移す。
⑶ 咬舌防止・気道の確保・誤嚥防止
⑷ 発作後終末睡眠に入るため、安静と睡眠を十分に取らせ、自然覚醒を待つ。
⑸ 回復後
発作を他人に見られた・再発の不安がある・健忘が残る・失禁を恥じるなどの心情、失望、劣等感、抑うつ気分などに対する受容と共感的な対応が求められる。

2.欠神発作
特に積極的な処置は必要ない。急に脱力して転倒するタイプもあるので、負傷防止を心がける。

3.意識減損発作・精神運動発作
不用意な刺激(声かけ・注意・行動の抑止など)を与えると、感情的・衝動的な過剰反応を呼び起こしてしまう危険がある。このため、用意周到に見守り、患者と行動をともにしながら発作が終わるのを待つ。
一定のパターンを示すことが多いので、行動を観察しておく。

第6.誘因

1.一般的な発作誘発因子
・睡眠不足
→過剰な断眠は、発作閾値を低下させる。
・精神緊張
→適度の緊張は、むしろ発作を抑制する効果を持つ
・感情過激
・肉体過労
・発熱
・月経
・アルコールの過剰摂取
→中枢神経において一部の神経伝達物質の正常な活動を妨げる。てんかん薬にも影響を与える。
・カフェイン(1日数回のコーヒー・お茶程度では大丈夫)の過剰摂取
・他の薬品との相互作用

2.光過敏性けいれん
光の点滅がてんかんの原因を作ったのではなく、てんかんの起こり易い人にてんかん的反応を生じさせたもの。光の点滅が脳にダメージを与えたのではない。長期にわたって職業介護人の利用に必要な費用の額を正確に予測することは困難である。これまでにも2~3年おきに介護報酬の改定が繰り返されており、今後も改定が実施されることが見込まれるからである。
しかし、以上に述べた状況に鑑みれば、介護報酬が改定されるとしても、特に中重度の障害者に関しては、減額される方向で改定される可能性は皆無である。かえって、増額の方向で改定される蓋然性が存在している。
従って、職業介護人の利用に必要な費用を認定する場合、少なくとも現時点における介護費用を認定すれば、自ずから『控え目』な認定がなされることになる。現在の介護費用がそのまま認定されるべきであり、そこから減額すべき根拠はない。

第7.各種認定基準

1.自賠責保険
⑴ 1~3級:1か月に2回以上の発作がある場合
この場合、通常、高度の高次脳機能障害を伴っているので、高次脳機能障害の認定基準により障害等級を認定する
⑵ 5級:1か月に1回以上の発作があり、かつ、その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」又は「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」であるもの
「意識障害の有無を問わず転倒する発作」 → 強直-間代発作
「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」→ 精神運動発作
⑶ 7級:転倒する発作等が数ヶ月に1回以上あるもの又は転倒する発作以外の発作が1か月に1回以上あるもの
⑷ 9級:数ヶ月に1回以上の発作が転倒する発作以外等の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの
⑸ 12級:発作の出現はないが、脳波上明らかにてんかん性棘波を認めるもの

2.障害年金
【1級】
頻繁に繰り返す発作または高度の痴呆、性格変化、その他の精神神経症状があり、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
【2級】
頻繁に繰り返す発作または痴呆、性格変化、その他の精神神経症状があり、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
【3級】
痴呆は著しくないが、性格変化その他の精神神経症状があり、労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

3.特別障害者手当
【1級】
頻繁にくり返す発作又は高度の痴呆、性格変化、その他の精神神経症状があることによって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
【2級】
頻繁に繰り返す発作または痴呆、性格変化、その他の精神神経症状があることによって、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

4.障害児福祉手当
頻繁にくり返す発作又は痴呆、性格変化、その他の精神神経症状があることによって、日常生活において常時介護を必要とする程度以上のもの

5.特別障害者手当
重度の重複傷害のある場合で、日常生活において常時特別の介護を必要とする程度以上のもの。てんかんによるものにあっては、頻繁にくり返す発作又は高度の痴呆、性格変化、その他の精神神経症状があるもの又はこれに準ずる程度の症状を有するもの

第8.自動車運転免許

従前は、てんかん患者は自動車運転免許を取ることができなかったが、平成13年の道交法改正により、平成14年6月以降、免許申請が可能となった。
その条件は、
①過去5年以上発作がない患者
②過去2年以上発作がなく、今後も数年間は発作を起こす恐れがないと医師から判断された患者(数年後に臨時適性検査が必要)
③1年間の経過観察で、意識障害や運動障害を伴わない発作しか起こしていないと医師から判断された患者
④2年間の経過観察で、睡眠中の発作しか起こしていないと医師から判断された患者

第9.事故を起こした場合の罰則

1.自動車運転処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)の規定
【第3条第2項 病気運転致死傷罪】
自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

2.自動車運転罰則法施行令
法第3条第2項の政令で定める病気として、以下のものが挙げられている。
意識障害又は運動障害をもたらす発作が再発するおそれがあるてんかん(発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)

3.走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態
運転前または運転中に発作の前兆症状が出ていたり、症状が出ていなくても所定の治療や服薬を怠っていた場合で、事故時に結果的に「正常な運転が困難な状態」であれば、本罪が成立する。

4.罰則
【負傷】15年以下の懲役
【死亡】1年以上の有期懲役

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