解決事例

高次脳機能障害 Cases1

2005.07.12

高次脳機能障害
後遺障害等級:1級1号 
解決:平成17年7月12日判決 
裁判所:福岡地方裁判所

【事案の概要】
高次脳機能障害などの重篤な後遺障害を負い、別表第一第1級1号の認定を受けた症状固定時70歳の女性について、将来介護費として合計2万9392円、近親者分も含め3800万円の慰謝料が認められた事案

後遺障害等級 高次脳機能障害 1級1号
内容・詳細 裁判所は、以下のように判断した。
①入院雑費を日額1500円
②症状固定までの付添費について、入通院を問わず日額8000円
③将来の介護費用について、職業介護が実施される週6日間は職業介護人2万5392円・近親者4000円の合計2万9392円と認定した。近親者のみの介護となる週1日は日額8000円と認定した。
④慰謝料について、本人に傷害慰謝料200万円・後遺障害慰謝料2800万円の合計3000万円、夫の固有の慰謝料300万円、長男の固有の慰謝料500万円を認めた(慰謝料の合計額3800万円)。
弁護士のコメント 本件で特に注目すべきは、将来付添費についての認定です。
被告(保険会社)は、裁判において、「今後、介護保険の給付割合や保険適用の範囲が変更されれば、介護ビジネスにも様々な影響があり、付添以外の介護サービスや廉価で利用できる介護施設などが充実すれば、職業的付添よりもそちらを選択することも考えられ、介護産業が発展し、介護の内容・程度による料金体系の細分化や合理化も考えられる」と述べ、将来付添費の認定を低く抑えるべきであると主張しました。
しかし、裁判所は、『本人の生存期間である今後十数年の間に、各種介護サービスがより廉価で利用できるようになる具体的な見込みが存することを認めるに足りる証拠はなく、現時点で利用可能な介護サービスを使用する場合に実際に要する実費を基礎として将来の介護費用を算定せざるを得ない』と述べ、現時点で支出する必要のある実費全額を将来付添費として認定しました。
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