だいち法律事務所

  高次脳機能障害 Cases2

 

高次脳機能障害
【自保ジャーナルNo.1844掲載】

後遺障害等級:1級1号
確定年:平成22年12月7日判決
裁判所:名古屋地方裁判所


【事案の概要】
被害者は、自転車に乗って、路側帯を走行した後、右に進路変更して道路を横断しようとしました。この時、後方から走行してきた車に衝突されました。

この衝突によって、被害者は、急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫・脳挫傷などの傷害を負い、四肢麻痺・高次脳機能障害などの後遺障害が残り、常に介護が必要な状態になってしまいました。

後遺障害等級

この事案では、被害者が重篤な後遺障害を負ったため、
別表第一第1級1号
と認定されました。  

裁判の争点

本件では、後遺障害等級は争点になりませんでした。
争点となったのは、主に、
・将来介護費の額
・慰謝料の額
・自賠責保険金、保険会社の内払金の充当の順序
・過失
でした。
将来介護費・慰謝料の額については、
・ご家族が作成した陳述書
・介護の状況を撮影した写真
・介護に関する文献
を提出し、必要な介護の内容、介護の負担が大きいことについて詳しく主張・立証を行いました。
また、過失割合について、保険会社は、工学鑑定の専門家の意見書を提出し、被害者の過失が70%もあると主張してきましたので、こちらも工学鑑定の専門家に事故状況の検討を依頼し、被害者の過失割が小さいことを主張しました。

裁判所の認定

裁判所は、以下のように判断しました。
1将来介護費
近親者の介護費用     日額1万円
職業介護人の介護費用   日額2万円
2慰謝料
入通院慰謝料       360万円
後遺障害慰謝料     2800万円
合計          3160万円
3充当方法
自賠責保険金、保険会社の内払金は、遅延損害金に先に充当されると判断されました。
4過失割合
被害者の過失割合は30%と判断されました。
なお、被害者の過失によって減額された部分は、訴訟終了後、人身傷害保険を請求し、ほぼ全額を穴埋めができました。 

人身傷害保険の請求

裁判は、判決によって終了しました。
その後、人身傷害保険を請求することによって、過失相殺によって減額された損害額の大部分(約5500万円)を補填してもらうことができました。

弁護士のコメント

1将来介護費
高額な将来介護費を認定してもらうためには、裁判所に、介護の内容や大変さを正しく把握してもらうことが重要です。このため、この事案では、以下の工夫をしました。
・近親者に、介護の内容やの大変さを詳細にまとめた陳述書を作成してもらう。
・介護の状況を撮影した写真を提出し、目で見て理解できるようにする。
・医学文献などを用いて、一般的な介護の手順、注意点を明らかにする。
また、近親者の尋問も実施し、直接、裁判所に介護の実態を訴えました。
この様な努力が実った結果、高額な将来介護費を認定してもらうことができたと考えています。 

2充当方法
保険会社は、自賠責保険金を含めた全ての既払金について、損害額の元本に先に充当すべきと主張してきました。そして、保険会社が内払を行った経過などを明らかにするため、保険会社の担当者の証人尋問を請求し、実際に尋問を実施しました。
しかし、交渉の段階において、被害者やご家族に対して、遅延損害金について説明されているケースは皆無です。また、被害者や家族が、事故発生時から遅延損害金が発生していること、充当方法によって遅延損害金を請求できるか否かが違ってくることなどを理解しているはずがありません。これらの点を指摘して反論しました。
こちらが詳細な反論を行った結果、保険会社の主張は認められず、自賠責保険金を含めた既払金は、遅延損害金に先に充当されると判断してもらうことができました。 

3過失割合
保険会社は、被害者の過失が70%もあると主張してきました。
重篤な後遺障害を残した事案では、過失割合が10%違うだけで、受領できる賠償金が1000万円単位で変わってしまうことがあります。受け取る金額が大きく減ってしまうと、被害者の将来の生活・介護に影響してしまいます。
そのため、弁護士には、事故状況を正確に把握した上で、適確に主張をする力量が求められます。
この事案では、事故現場を見に行って周囲の状況を確認しました。また、刑事記録を入手した上で、工学鑑定の専門家に検討を依頼し、最終的には過失割合に関する意見書を提出しました。また、同種の事故態様に関する裁判例を数多く分析しました。
この様な対応をした結果、裁判所は被害者の過失割合を30%と判断してくれました。 

4まとめ
裁判を選択すれば、解決までに時間がかかりますし、手間も増えます。
しかし、被害者や家族が、将来にわたって経済的な不安を持たずに生活できるようにするためには、安易に妥協して示談で終わらせず、裁判によって解決を図ることを選択することも必要だと思います。
そして、本件では、しつこいくらいに主張・立証を尽くした結果、十分な成果が得られました。
人身傷害保険によって過失相殺による減額分の殆どが穴埋めできたこともあり、被害者とそのご家族に満足していただける解決が図れました。

 
 

 高次脳機能障害 【自保ジャーナルNo.1844掲載】
後遺障害等級:1級1号 確定年:平成22年12月7日判決 裁判所:名古屋地方裁判所

【事案の概要】被害者は、自転車に乗って、路側帯を走行した後、右に進路変更して道路を横断しようとしました。この時、後方から走行してきた車に衝突されました。
この衝突によって、被害者は、急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫・脳挫傷などの傷害を負い、四肢麻痺・高次脳機能障害などの後遺障害が残り、常に介護が必要な状態になってしまいました。

後遺障害等級

この事案では、被害者が重篤な後遺障害を負ったため、
   別表第一第1級1号
と認定されました。  

裁判の争点

本件では、後遺障害等級は争点になりませんでした。
争点となったのは、主に、
  ・将来介護費の額
  ・慰謝料の額
  ・自賠責保険金、保険会社の内払金の充当の順序
  ・過失
でした。
将来介護費・慰謝料の額については、
  ・ご家族が作成した陳述書
  ・介護の状況を撮影した写真
  ・介護に関する文献
を提出し、必要な介護の内容、介護の負担が大きいことについて詳しく主張・立証を行いました。
また、過失割合について、保険会社は、工学鑑定の専門家の意見書を提出し、被害者の過失が70%もあると主張してきましたので、こちらも工学鑑定の専門家に事故状況の検討を依頼し、被害者の過失割が小さいことを主張しました。

裁判所の認定

裁判所は、以下のように判断しました。
1 将来介護費
 近親者の介護費用     日額1万円
 職業介護人の介護費用   日額2万円
2 慰謝料
 入通院慰謝料       360万円
 後遺障害慰謝料     2800万円
 合計          3160万円
3 充当方法
自賠責保険金、保険会社の内払金は、遅延損害金に先に充当されると判断されました。
4 過失割合
被害者の過失割合は30%と判断されました。
なお、被害者の過失によって減額された部分は、訴訟終了後、人身傷害保険を請求し、ほぼ全額を穴埋めができました。

人身傷害保険の請求

裁判は、判決によって終了しました。
その後、人身傷害保険を請求することによって、過失相殺によって減額された損害額の大部分(約5500万円)を補填してもらうことができました。

弁護士のコメント

1 将来介護費
高額な将来介護費を認定してもらうためには、裁判所に、介護の内容や大変さを正しく把握してもらうことが重要です。このため、この事案では、以下の工夫をしました。
   ・近親者に、介護の内容やの大変さを詳細にまとめた陳述書を作成してもらう。
   ・介護の状況を撮影した写真を提出し、目で見て理解できるようにする。
   ・医学文献などを用いて、一般的な介護の手順、注意点を明らかにする。
また、近親者の尋問も実施し、直接、裁判所に介護の実態を訴えました。
この様な努力が実った結果、高額な将来介護費を認定してもらうことができたと考えています。 

2 充当方法
保険会社は、自賠責保険金を含めた全ての既払金について、損害額の元本に先に充当すべきと主張してきました。そして、保険会社が内払を行った経過などを明らかにするため、保険会社の担当者の証人尋問を請求し、実際に尋問を実施しました。
しかし、交渉の段階において、被害者やご家族に対して、遅延損害金について説明されているケースは皆無です。また、被害者や家族が、事故発生時から遅延損害金が発生していること、充当方法によって遅延損害金を請求できるか否かが違ってくることなどを理解しているはずがありません。これらの点を指摘して反論しました。
こちらが詳細な反論を行った結果、保険会社の主張は認められず、自賠責保険金を含めた既払金は、遅延損害金に先に充当されると判断してもらうことができました。 

3 過失割合
保険会社は、被害者の過失が70%もあると主張してきました。
重篤な後遺障害を残した事案では、過失割合が10%違うだけで、受領できる賠償金が1000万円単位で変わってしまうことがあります。受け取る金額が大きく減ってしまうと、被害者の将来の生活・介護に影響してしまいます。
そのため、弁護士には、事故状況を正確に把握した上で、適確に主張をする力量が求められます。
この事案では、事故現場を見に行って周囲の状況を確認しました。また、刑事記録を入手した上で、工学鑑定の専門家に検討を依頼し、最終的には過失割合に関する意見書を提出しました。また、同種の事故態様に関する裁判例を数多く分析しました。
この様な対応をした結果、裁判所は被害者の過失割合を30%と判断してくれました。 

4 まとめ
裁判を選択すれば、解決までに時間がかかりますし、手間も増えます。
しかし、被害者や家族が、将来にわたって経済的な不安を持たずに生活できるようにするためには、安易に妥協して示談で終わらせず、裁判によって解決を図ることを選択することも必要だと思います。
そして、本件では、しつこいくらいに主張・立証を尽くした結果、十分な成果が得られました。
人身傷害保険によって過失相殺による減額分の殆どが穴埋めできたこともあり、被害者とそのご家族に満足していただける解決が図れました。