だいち法律事務所

  高次脳機能障害 Cases5

 

高次脳機能障害
後遺障害等級:5級2号
確定年:平成23年10月6日判決
裁判所:鹿児島地方裁判所


【事案の概要】
症状固定時29歳の男性が、バイクで交差点を直進しようとしたところ、同じ交差点で右折しようとした貨物自動車と衝突しました。この衝突によって、被害者は、急性硬膜下血腫、脳挫傷、びまん性軸索損傷、複視・眼球運動障害、下顎骨折、歯牙欠損などの傷害を負い、高次脳機能障害などの後遺障害が残った事案です。当初、自賠責保険は、高次脳機能障害を別表二第7級4号と認定しました。これを不服として異議申立を行った結果、高次脳機能障害は別表二第5級2号に認定されました。

後遺障害等級

高次脳機能障害  別表第二第5級2号
複視       別表第二第10級2号
咀嚼障害     別表第二第12級相当
歯牙障害     別表第二第12級3号
併合       別表第二併合第4級

裁判の争点

被害者は、提訴した時点で、障害者の支援に理解がある職場で就労していました。
このため、裁判では、過失割合とともに、後遺障害等級・労働能力喪失率が争点となりました。また、介護の必要性と将来介護費の額も大きな争点でした。
特に、高次脳機能障害の後遺障害等級が重要な争点となりました。
保険会社は、被害者が就労していることを根拠として、被害者の後遺障害は自賠責保険の認定よりも軽いので、後遺障害等級・労働能力喪失率を引き下げるべきだと主張しました。
これに対し、こちらは、自賠責保険が認定した後遺障害等級は相当であると主張しました。その主張の根拠として、勤務や日常生活の状況を詳細に立証する必要がありました。
まず、被害者が勤務先していた会社の上司に協力を求め、被害者の勤務状況や勤務先の配慮の内容などについて詳細な陳述書を作成しました。また、近親者にも、日常生活の状況や介護の内容などについて詳細な陳述書を作成してもらいました。加えて、近親者の尋問も実施し、直接、裁判所に実態を訴えました。
その結果、裁判所は、以下のように判断しました。
①後遺障害等級は、自賠責保険の認定(併合4級)を維持する。
②労働能力喪失率は、4級相当とする。
③介護の必要性を認め、将来介護費として、平均余命である50年間にわたり、日額2500円を認める。
④被害者の過失割合は15%とする。

弁護士のコメント

この事案では、提訴した時点で一応の就労を果たしていたため、後遺障害等級・労働能力喪失率が争点となることは予測していました。そして、実際に、保険会社は、それらを争点としてきました。
高次脳機能障害の後遺障害等級が争われた場合、脳に生じた損傷状況をふまえつつ、日常生活や勤務の状況について、詳細に主張・立証を行うことが必要になります。保険会社が医師の意見書を提出してくれば、主治医に協力を求めるなどして反論の意見書を提出すべき場合も多いと思います。また、日常生活や勤務の状況は、それぞれの場面で被害者の状況を最も把握している人物に説明を求める必要があります。
本件では、勤務先の上司にも協力を求めて詳細な陳述書を作成し、就労の実情などを綿密に立証しました。普通に働いている方は、忙しくて時間を確保してもらえないことが多いため、詳細な陳述書を作成してもらうことに苦労しすることが多いのですが、電話やメールを駆使して完成させることができました。
また、近親者が作成した詳細な陳述書などを用いて、被害者の高次脳機能障害の実情や介護の実態を立証しました。また、近親者の尋問も実施し、裁判所に実態を訴えました。 この様な努力が実った結果、後遺障害等級が維持され、将来介護費を認定してもらうことができたと考えています。
結果的に、受け取った賠償金の額は、約1億2000万円になりました。
異議申立をしなかったり、裁判で後遺障害等級・労働能力喪失率が下がっていれば、数千万円単位で賠償金の額が下がっていたと思います。
十分な立証活動を行った成果が出た事案でした。

 
 

高次脳機能障害
後遺障害等級:5級2号 確定年:平成23年10月6日判決 裁判所:鹿児島地方裁判所


【事案の概要】
症状固定時29歳の男性が、バイクで交差点を直進しようとしたところ、同じ交差点で右折しようとした貨物自動車と衝突しました。この衝突によって、被害者は、急性硬膜下血腫、脳挫傷、びまん性軸索損傷、複視・眼球運動障害、下顎骨折、歯牙欠損などの傷害を負い、高次脳機能障害などの後遺障害が残った事案です。当初、自賠責保険は、高次脳機能障害を別表二第7級4号と認定しました。これを不服として異議申立を行った結果、高次脳機能障害は別表二第5級2号に認定されました。

後遺障害等級

高次脳機能障害     別表第二第5級2号
複視          別表第二第10級2号
咀嚼障害        別表第二第12級相当
歯牙障害        別表第二第12級3号
併合          別表第二併合第4級 

裁判の争点

被害者は、提訴した時点で、障害者の支援に理解がある職場で就労していました。
このため、裁判では、過失割合とともに、後遺障害等級・労働能力喪失率が争点となりました。また、介護の必要性と将来介護費の額も大きな争点でした。
特に、高次脳機能障害の後遺障害等級が重要な争点となりました。
保険会社は、被害者が就労していることを根拠として、被害者の後遺障害は自賠責保険の認定よりも軽いので、後遺障害等級・労働能力喪失率を引き下げるべきだと主張しました。
これに対し、こちらは、自賠責保険が認定した後遺障害等級は相当であると主張しました。その主張の根拠として、勤務や日常生活の状況を詳細に立証する必要がありました。
まず、被害者が勤務先していた会社の上司に協力を求め、被害者の勤務状況や勤務先の配慮の内容などについて詳細な陳述書を作成しました。また、近親者にも、日常生活の状況や介護の内容などについて詳細な陳述書を作成してもらいました。加えて、近親者の尋問も実施し、直接、裁判所に実態を訴えました。
その結果、裁判所は、以下のように判断しました。
①後遺障害等級は、自賠責保険の認定(併合4級)を維持する。
②労働能力喪失率は、4級相当とする。
③介護の必要性を認め、将来介護費として、平均余命である50年間にわたり、日額2500円を認める。
④被害者の過失割合は15%とする。

弁護士のコメント

この事案では、提訴した時点で一応の就労を果たしていたため、後遺障害等級・労働能力喪失率が争点となることは予測していました。そして、実際に、保険会社は、それらを争点としてきました。
高次脳機能障害の後遺障害等級が争われた場合、脳に生じた損傷状況をふまえつつ、日常生活や勤務の状況について、詳細に主張・立証を行うことが必要になります。保険会社が医師の意見書を提出してくれば、主治医に協力を求めるなどして反論の意見書を提出すべき場合も多いと思います。また、日常生活や勤務の状況は、それぞれの場面で被害者の状況を最も把握している人物に説明を求める必要があります。
本件では、勤務先の上司にも協力を求めて詳細な陳述書を作成し、就労の実情などを綿密に立証しました。普通に働いている方は、忙しくて時間を確保してもらえないことが多いため、詳細な陳述書を作成してもらうことに苦労しすることが多いのですが、電話やメールを駆使して完成させることができました。
また、近親者が作成した詳細な陳述書などを用いて、被害者の高次脳機能障害の実情や介護の実態を立証しました。また、近親者の尋問も実施し、裁判所に実態を訴えました。 この様な努力が実った結果、後遺障害等級が維持され、将来介護費を認定してもらうことができたと考えています。
結果的に、受け取った賠償金の額は、約1億2000万円になりました。 異議申立をしなかったり、裁判で後遺障害等級・労働能力喪失率が下がっていれば、数千万円単位で賠償金の額が下がっていたと思います。
十分な立証活動を行った成果が出た事案でした。