だいち法律事務所

  死亡事故 Cases2

 

死亡事故
確定年:平成28年5月17日判決
裁判所:大阪地方裁判所

 
【事案の概要】
被害者は、工事現場の警備員をしており、ヘルメット・夜光チョッキを着用し、赤旗を持って、工事現場から道路に進出するトラックを誘導するため、道路上に出ていました。

加害者は、事故前夜から徹夜で飲酒した後、仕事に行くため、普通貨物自動車を運転しました。そして、加害者は、車を50㎞/hで進行させている最中、事故現場にさしかかる約167m手前で、眠ってしまい、そのまま車を被害者に衝突させました。加害者は、自車を被害者に衝突させたことに気づいておらず、歩道上の街灯に衝突して初めて事故の発生を認識しました。事故から約1時間半後に実施された飲酒検知では、呼気1ℓあたり0.35㎎のアルコールが検出されました。
この事故により、被害者は、事故から24日後、多発外傷を原因とする多臓器不全により死亡しました。

受任後の対応

ご遺族から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。
ご遺族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者は、危険運転致死罪で起訴されたのですが、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。
危険運転致死罪は、裁判員裁判で審理されます。当初、弁護人は、加害者に執行猶予付きの判決を言い渡すように主張していました。しかし、加害者に対して被告人質問を行って、重大事故を起こしていながら十分な反省をしておらず、執行猶予をつけるべきではないことを強く主張しました。この結果、加害者に、実刑判決を言い渡してもらうことができました。

民事裁判

ご遺族から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。
ご遺族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者は、危険運転致死罪で起訴されたのですが、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。
危険運転致死罪は、裁判員裁判で審理されます。当初、弁護人は、加害者に執行猶予付きの判決を言い渡すように主張していました。しかし、加害者に対して被告人質問を行って、重大事故を起こしていながら十分な反省をしておらず、執行猶予をつけるべきではないことを強く主張しました。この結果、加害者に、実刑判決を言い渡してもらうことができました。

裁判所の認定

1過失相殺

被告は、被害者が道路上にいたことが事故の一因であるとして、過失相殺を行うことが相当であると主張しました。
これに対し、原告は、
・加害者は飲酒後に車両を運転していたこと
・事故から約1時間半後に実施された飲酒検知で、呼気1ℓあたり0.35㎎という高濃度のアルコールが検出されたこと
・加害者は、50㎞/hで進行中、事故現場にさしかかる約167m手前で眠っており、車は暴走状態だったこと
・被害者は、ヘルメット・夜光チョッキを着用し、赤旗を持っていたのであり、車の運転者から認識してもらうための十分な対処をしていたこと
などの事実を明らかにし、加害者が重大かつ悪質な注意義務違反によって事故を発生させたのに対し、被害者には落ち度がないから、過失相殺を行うのは相当ではないと主張しました。
裁判所は、原告の主張が相当であると認めて過失相殺を行わず、被告に100%の責任を認めました。

2死亡慰謝料の額 

被告は、被害者が道路上にいたことが事故の一因であるとして、過失相殺を行うことが相当であると主張しました。
これに対し、原告は、
・加害者は飲酒後に車両を運転していたこと
・事故から約1時間半後に実施された飲酒検知で、呼気1ℓあたり0.35㎎という高濃度のアルコールが検出されたこと
・加害者は、50㎞/hで進行中、事故現場にさしかかる約167m手前で眠っており、車は暴走状態だったこと
・被害者は、ヘルメット・夜光チョッキを着用し、赤旗を持っていたのであり、車の運転者から認識してもらうための十分な対処をしていたこと
などの事実を明らかにし、加害者が重大かつ悪質な注意義務違反によって事故を発生させたのに対し、被害者には落ち度がないから、過失相殺を行うのは相当ではないと主張しました。
裁判所は、原告の主張が相当であると認めて過失相殺を行わず、被告に100%の責任を認めました。

弁護士のコメント

1依頼を受けた時期

この事案では、事故後の早い段階からご依頼を頂きました。このため、刑事裁判への対応から、損害賠償請求事件の解決まで、交通事故において生じる全ての法的対応に当たることができました。

2刑事手続

加害者は、危険運転致死罪で起訴されたため、「裁判員裁判」によって審理されることになりました。ご家族と対応を協議した結果、被害者参加制度を利用して、裁判に関与することになりました。
裁判員裁判では、短期間で集中的に審理が行われます。このため、進行の段取りと主張立証の方針について、担当の検察官と緊密に情報交換をする必要がありました。また、事案の詳細を把握し、ご家族に概要を説明し、裁判での方針を決めるなどの対応にも、迅速さが必要でした。
裁判では、被告人質問において、被害者の立場から、
・飲酒した上で車を運転した経緯
・事故発生時の状況
・事故後の対応
・反省の状況と程度
について質問し、加害者には厳罰が相当であることを明らかにしました。そして、ご家族に意見陳述をしてもらい、加害者に対して厳罰を求める意思であることを述べてもらいました。
この結果、加害者は、実刑判決を受けることになりました。

3損害賠償請求(民事)

この事案では、自賠責保険金の請求をしないで訴訟(裁判)を提起することを選択しました。
訴訟の手続では、特に過失相殺を否定してもらうことに主眼を置いて、綿密な主張と立証を行いました。この結果、裁判所に過失相殺を否定する判断を示してもらうことができました。また、死亡慰謝料の金額についても、十分な水準の結果を得ることができました。

 4まとめ

ご家族は、加害者に対して、厳罰を求めるという強い考えを持っておられました。刑事事件の段階からご依頼を頂けたため、当初からご家族の意思に沿った対応ができました。その結果、加害者に実刑判決を下してもらうことができました。
また、損害賠償請求においても、ご家族にご納得を頂ける結果を得ることができたと考えています。

 
 

 死亡事故
確定年:平成28年5月17日判決 裁判所:大阪地方裁判所

 
【事案の概要】
被害者は、工事現場の警備員をしており、ヘルメット・夜光チョッキを着用し、赤旗を持って、工事現場から道路に進出するトラックを誘導するため、道路上に出ていました。
加害者は、事故前夜から徹夜で飲酒した後、仕事に行くため、普通貨物自動車を運転しました。そして、加害者は、車を50㎞/hで進行させている最中、事故現場にさしかかる約167m手前で、眠ってしまい、そのまま車を被害者に衝突させました。加害者は、自車を被害者に衝突させたことに気づいておらず、歩道上の街灯に衝突して初めて事故の発生を認識しました。事故から約1時間半後に実施された飲酒検知では、呼気1ℓあたり0.35㎎のアルコールが検出されました。
この事故により、被害者は、事故から24日後、多発外傷を原因とする多臓器不全により死亡しました。

受任後の対応

ご遺族から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。
ご遺族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者は、危険運転致死罪で起訴されたのですが、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。
危険運転致死罪は、裁判員裁判で審理されます。当初、弁護人は、加害者に執行猶予付きの判決を言い渡すように主張していました。しかし、加害者に対して被告人質問を行って、重大事故を起こしていながら十分な反省をしておらず、執行猶予をつけるべきではないことを強く主張しました。この結果、加害者に、実刑判決を言い渡してもらうことができました。

民事裁判

ご遺族から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。
ご遺族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者は、危険運転致死罪で起訴されたのですが、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。
危険運転致死罪は、裁判員裁判で審理されます。当初、弁護人は、加害者に執行猶予付きの判決を言い渡すように主張していました。しかし、加害者に対して被告人質問を行って、重大事故を起こしていながら十分な反省をしておらず、執行猶予をつけるべきではないことを強く主張しました。この結果、加害者に、実刑判決を言い渡してもらうことができました。

裁判所の認定

1 過失相殺

被告は、被害者が道路上にいたことが事故の一因であるとして、過失相殺を行うことが相当であると主張しました。
これに対し、原告は、
  ・加害者は飲酒後に車両を運転していたこと
  ・事故から約1時間半後に実施された飲酒検知で、呼気1ℓあたり0.35㎎という高濃度のアルコールが検出されたこと
  ・加害者は、50㎞/hで進行中、事故現場にさしかかる約167m手前で眠っており、車は暴走状態だったこと
  ・被害者は、ヘルメット・夜光チョッキを着用し、赤旗を持っていたのであり、車の運転者から認識してもらうための十分な対処をしていたこと
などの事実を明らかにし、加害者が重大かつ悪質な注意義務違反によって事故を発生させたのに対し、被害者には落ち度がないから、過失相殺を行うのは相当ではないと主張しました。
裁判所は、原告の主張が相当であると認めて過失相殺を行わず、被告に100%の責任を認めました。

2 死亡慰謝料の額 

被告は、被害者が道路上にいたことが事故の一因であるとして、過失相殺を行うことが相当であると主張しました。
これに対し、原告は、
  ・加害者は飲酒後に車両を運転していたこと
  ・事故から約1時間半後に実施された飲酒検知で、呼気1ℓあたり0.35㎎という高濃度のアルコールが検出されたこと
  ・加害者は、50㎞/hで進行中、事故現場にさしかかる約167m手前で眠っており、車は暴走状態だったこと
  ・被害者は、ヘルメット・夜光チョッキを着用し、赤旗を持っていたのであり、車の運転者から認識してもらうための十分な対処をしていたこと
などの事実を明らかにし、加害者が重大かつ悪質な注意義務違反によって事故を発生させたのに対し、被害者には落ち度がないから、過失相殺を行うのは相当ではないと主張しました。
裁判所は、原告の主張が相当であると認めて過失相殺を行わず、被告に100%の責任を認めました。

弁護士のコメント

1 依頼を受けた時期

この事案では、事故後の早い段階からご依頼を頂きました。このため、刑事裁判への対応から、損害賠償請求事件の解決まで、交通事故において生じる全ての法的対応に当たることができました。

2 刑事手続

加害者は、危険運転致死罪で起訴されたため、「裁判員裁判」によって審理されることになりました。ご家族と対応を協議した結果、被害者参加制度を利用して、裁判に関与することになりました。
裁判員裁判では、短期間で集中的に審理が行われます。このため、進行の段取りと主張立証の方針について、担当の検察官と緊密に情報交換をする必要がありました。また、事案の詳細を把握し、ご家族に概要を説明し、裁判での方針を決めるなどの対応にも、迅速さが必要でした。
裁判では、被告人質問において、被害者の立場から、
  ・飲酒した上で車を運転した経緯
  ・事故発生時の状況
  ・事故後の対応
  ・反省の状況と程度
について質問し、加害者には厳罰が相当であることを明らかにしました。そして、ご家族に意見陳述をしてもらい、加害者に対して厳罰を求める意思であることを述べてもらいました。
この結果、加害者は、実刑判決を受けることになりました。

3 損害賠償請求(民事)

この事案では、自賠責保険金の請求をしないで訴訟(裁判)を提起することを選択しました。
訴訟の手続では、特に過失相殺を否定してもらうことに主眼を置いて、綿密な主張と立証を行いました。この結果、裁判所に過失相殺を否定する判断を示してもらうことができました。また、死亡慰謝料の金額についても、十分な水準の結果を得ることができました。

 4 まとめ

ご家族は、加害者に対して、厳罰を求めるという強い考えを持っておられました。刑事事件の段階からご依頼を頂けたため、当初からご家族の意思に沿った対応ができました。その結果、加害者に実刑判決を下してもらうことができました。
また、損害賠償請求においても、ご家族にご納得を頂ける結果を得ることができたと考えています。