1.膀胱の後遺障害 労災障害認定必携では以下のとおり。 【排尿障害(膀胱機能によるもの)】 残尿が100㎖以上 9級 残尿が50㎖以上100㎖未満 11級 【蓄尿傷害】 持続性尿失禁(反射性尿失禁の意か) 7級 【切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁】 終日パッドを装着ししばしば交換を要する 7級 常時パッドの装着を要するが、交換までは不要 9級 常時パッドは不要で下着が少しぬれる 11級 頻尿(器質的病変+日中8回以上の排尿+多飲等の原因無し) 11級 2.判例 ⑴留置カテーテルよりも間欠的自己導尿が適していると明示した判例はさがした範囲ではなかった。 但し、名古屋地裁平成8年11月25日判決は、「間欠的自己導尿が脊髄損傷患者の尿路管理の方法として近時主流となっている」と判示している。 ⑵脊髄損傷以外で膀胱の障害(蓄尿傷害、排尿障害)で後遺障害等級が認定された判例は、探した範囲では1例のみ。 【横浜地裁平成19年9月6日判決】 事案:糖尿病の素因がある被害者が追突事故で頚椎捻挫を負いそれにより神経因性膀胱になった事案。 認定理由:直接因果関係を否定しつつも、前事故による頚髄損傷、本件事故による糖尿病の増悪により神経因性膀胱の発症を間接的因果関係として認定。また、旧規定で常時尿漏を伴う軽度の膀胱機能不全につき11級としていることに鑑み、運転可能時間が2時間であることから9級と認定した。素因減額7割。 【大阪地裁平成12年8月29日判決】 排尿障害を認定も第5腰椎圧迫骨折による運動障害8級の中で評価。排尿障害単独での等級の認定はしていない。 |