コラム

まぶた(眼瞼)の障害

2020.11.06
  • まぶた(眼瞼)の障害

眼球は、日常生活や仕事を行う上で、とても重要な役割を持つ器官です。
今回のテーマである「まぶた(眼瞼)」には、眼球を保護するにどの重要な機能があります。このため、「まぶた(眼瞼)」に障害が生じた場合についても、後遺障害等級が認定されることになっています。
では、「まぶた(眼瞼)」に関する後遺障害について、以下の解説をご覧ください。

Ⅰ.まぶた(眼瞼)の後遺障害
交通事故で「まぶた(眼瞼)」に怪我をした結果、「まぶた(眼瞼)」が欠けたり、うまく動かせなくなったりすることがあります。このように、「まぶた(眼瞼)」の欠損や運動障害が発生した場合にも後遺障害が認定されます。
以下の説明では、単に「まぶた」と記述することにします。
 
Ⅱ.まぶたの構造と機能
1.まぶたの構造
まぶたの皮膚は、人体の中で最も薄く、きめが細やかであり、眼瞼縁で粘膜(瞼結膜)に移行しています。
まぶたには、皮膚のみならず、眼瞼縁・睫毛・瞼板・分泌腺があります。

2.まぶたの機能
まぶたは、眼球の主要な保護器官という機能があります。
また、まぶたは、顔面の中で、眉毛とともに、個人としての特徴や表情を示す機能を持っています。

Ⅲ.まぶたの運動
1.挙上
上まぶたの挙上は、眼瞼挙筋によって行われます。
「目を見張る」ように極端なまぶたの開大には、眼瞼挙筋に加え、前頭筋の収縮が加わります。この際、眉毛も同時に挙上されるため、前頭筋は表情の表現に深く関与しています。

2.閉瞼
まぶたを閉じる動作(これを閉瞼といいます)は、眼輪筋により行われます。

Ⅳ.欠損障害
⑴著しい欠損
「まぶた」を閉じた時に角膜を完全に覆えない場合を「著しい欠損」と呼びます。
これが両眼の「まぶた」に生じた場合は9級が認定され、片眼の「まぶた」に生じた場合は11級が認定されます。

 ⑴著しい欠損 ⑴著しい欠損
  
⑵一部の欠損
「まぶた」を閉じた時に球結膜(しろめ)が露出する場合を「一部の欠損」と呼びます。
これが両眼の「まぶた」に生じた場合は13級が認定され、片眼の「まぶた」に生じた場合は14級が認定されます。

  ⑵一部の欠損⑵一部の欠損
   
⑶まつげはげ
まつげ縁(まつげの生えている周縁)の1/2以上にわたって「まつげ」のはげが残った場合に、「まつげはげを残すもの」に該当します。
これが両眼に生じた場合は13級が認定され、片眼に生じた場合は14級が認定されます。

  ⑶まつげはげ
      
.運動障害
開瞼時に瞳孔領を完全に覆ったままの状態、閉瞼時に角膜を完全に覆えない状態を「まぶたの著しい運動障害」といます。
両眼に著しい運動障害が残った場合は11級、片眼のみの場合は12級が認定されます。

Ⅴ.運動障害  Ⅴ.運動障害
   
Ⅵ.まとめ
まぶた(眼瞼)だけに障害が生じることは少なく、多くの場合は、眼球に関する後遺障害も生じていると思います。
眼球の後遺障害に加えて、まぶた(眼瞼)にも後遺障害が認められれば、併合処理によって後遺障害等級が繰り上がる可能性があるため、見落とさないように注意すべきです。

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