だいち法律事務所

  高次脳機能障害 Cases17
 

高次脳機能障害
後遺障害等級:7級
解決:令和3年10月18日和解
裁判所:大阪地方裁判所

事案の概要】
被害者は、原動機付自転車を運転して、片側3車線の道路の第1車両通行帯を進行していました。加害トラックは、同じ第1車両通行帯を進行していましたが、第2車両通行帯を進行しているトラックと接触する危険を感じたため、とっさに進路を左に変更しました。この時、加害トラックが被害原付に衝突しました。
この衝突によって、被害者は、外傷性くも膜下出血・右動眼神経損傷・右肩甲骨・鎖骨骨折などの怪我を負い、注意障害・記憶障害・遂行機能障害などの高次脳機能障害、右肩関節の機能障害、正面視以外の複視などの後遺障害が残ってしまいました

後遺障害等級

1.当初の認定
当初、被害者は、保険会社の言うがままに事前認定の手続きを選択し、併合8級(高次脳機能障害9級・右肩関節の機能障害12級・正面視以外の複視13級)の認定を受けていました。
しかし、被害者は、事前認定の結果に納得できなかったため、「だいち法律事務所」にご依頼がありました。
2.だいち法律事務所の対応
⑴資料の検討
だいち法律事務所は、ご依頼を頂いた後、診断書などの資料を精査するとともに、治療を受けた各病院の診療録を入手して、被害者の現状や症状の経過を確認しました。また、被害者は1人暮らしだったため、被害者が通っていた
  ①リハビリセンターの職員
  ②就労継続支援B型事業所の施設長
から被害者の現状を詳細に聴き取りました。
この結果、
  高次脳機能障害について認定されている後遺障害等級が適切ではない
と判断しました。
⑵必要書類の入手
被害者の現状を把握した後、主治医に対し、あらためて後遺障害診断書などの作成を依頼しました。 
また、被害者が通っていた 
  ①リハビリセンターの職員 
  ②就労継続支援B型事業所の施設長 
に対し、詳細な「日常生活状況報告」の作成を依頼しました。 
これらの書類を入手した上で、高次脳機能障害に関する後遺障害等級を変更するための手続に入りました。 
⑶異議申立などの手続 
詳細な異議申立書を作成し、後遺障害の認定基準の分析、被害者の症状の分析などを主張しました。2回の異議申立を行いましたが、認定は変わりませんでした。
このため、異議申立では認定が変わらないと判断し、自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理手続を行いました。
しかし、この手続によっても、後遺障害等級は変わりませんでした。
そこで、訴訟によって適正な後遺障害等級を認定してもらうしかないと判断し、訴訟を提起しました。
3.最終的な認定
訴訟において、被害者の現状を詳細に主張・立証しました。この結果、見込んでいた通り、
 高次脳機能障害の等級が9級から7級に変更される
いう成果が得られました。
そして、すでに認定されていた右肩関節の機能障害(12級)、正面視以外の複視(13級)と併合され、併合6級という認定を受けることができました。

裁判の争点

本件で争点となったのは、主に、
   過失割合
   後遺障害等級
でした。 

裁判所の認定

1.後遺障害等級
⑴高次脳機能障害

被告(加害者)は、高次脳機能障害の後遺障害等級を争ってきました。
被告は、裁判所を通じて、被害者が治療を受けた各病院の診療記録(カルテ)を取り寄せました。そして、これらの診療記録を証拠として提出した上で、被害者の高次脳機能障害は、自賠責保険の認定と同様、9級と認定すべきであると主張してきました。
これに対し、診療記録の記載からすれば、被害者の症状は改善していないこと、関係者による被害者の評価を前提とすれば、一般就労は極めて困難であることなどを主張しました。
この結果、裁判所は、自賠責保険の認定を変更し、高次脳機能障害の後遺障害等級を7級と認定してくれました。
⑵右肩関節の機能障害
被告は、右肩関節の機能障害について、後遺障害診断書に記載された可動域を前提とすれば、後遺障害には該当しないと主張してきました。
この点については、後遺障害の認定基準を詳しく主張することによって、12級に該当することを反論しました。

2.過失割合
保険会社は、被害者の過失が25%であると主張してきました。
しかし、被告が主張している本件事故の発生状況は、実況見分調書などの刑事記録から明らかになっている事実とは異なっていると反論しました。
この結果、裁判所は被害者の過失割合を20%と判断してくれました。

担当弁護士のコメント

1.後遺障害等級

被害者は、事故の被害に遭った後、一般就労ができず、就労継続支援B型事業所に通っているだけの状況でした。このため、高次脳機能障害が9級という等級に認定されたことに強い不満を持っていました。
そして、リハビリセンターの職員、就労継続支援B型事業所の施設長に状況を確認したところ、被害者の障害に対する評価が決して軽くはないことが分かりました。
このため、依頼をいただいた後、高次脳機能障害の後遺障害等級を変更してもらうため、
  ・異議申立(2回)
  ・自賠責保険・共済紛争処理機構
  ・訴訟
という手段をとりました。
高次脳機能障害は、訴訟において、後遺障害等級が軽くなることはあっても、重くなることは珍しい障害です。結果として、訴訟によって、高次脳機能障害の後遺障害等級の認定を変更してもらうことができたのは大きな成果だと考えています。
2.周囲の協力
被害者は、1人暮らしだったので、日常生活上の問題点を把握してくれているはずの家族がいませんでした。
このため、被害者の日常生活の状況は、被害者自身から聴取するとともに、リハビリセンターの職員、就労継続支援B型事業所の施設長に協力をお願いして、可能な限り多くの情報を得る必要がありました。
だいち法律事務所では、弁護士が、関係者と複数回にわたって面談するなどして、被害者の状況を確認しました。被害者のことを熱心に支援している関係者がいたからこそ、今回のような解決を得られたのだと思います。
3.まとめ
交通事故において損害賠償請求の問題を有利に解決するためには、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが非常に重要です。だいち法律事務所では、この点は妥協することなく、徹底して対応しています。
また、訴訟を選択すれば、解決までに時間がかかりますし、手間も増えます。しかし、被害者が、将来にわたって経済的な不安を持たずに生活できるようにするためには、安易に妥協して示談で終わらせず、裁判によって解決を図ることを選択することも必要だと思います。
結果として、本件では、十分な成果が得られ、被害者にご満足いただくことができました。担当した弁護士として、とても嬉しかったです。 

 
 

高次脳機能障害
後遺障害等級:7級 解決:令和3年10月18日和解 裁判所:大阪地方裁判所


【事案の概要】
被害者は、原動機付自転車を運転して、片側3車線の道路の第1車両通行帯を進行していました。加害トラックは、同じ第1車両通行帯を進行していましたが、第2車両通行帯を進行しているトラックと接触する危険を感じたため、とっさに進路を左に変更しました。この時、加害トラックが被害原付に衝突しました。
この衝突によって、被害者は、外傷性くも膜下出血・右動眼神経損傷・右肩甲骨・鎖骨骨折などの怪我を負い、注意障害・記憶障害・遂行機能障害などの高次脳機能障害、右肩関節の機能障害、正面視以外の複視などの後遺障害が残ってしまいました。

後遺障害等級

1.当初の認定
当初、被害者は、保険会社の言うがままに事前認定の手続きを選択し、併合8級(高次脳機能障害9級・右肩関節の機能障害12級・正面視以外の複視13級)の認定を受けていました。
しかし、被害者は、事前認定の結果に納得できなかったため、「だいち法律事務所」にご依頼がありました。
2.だいち法律事務所の対応
⑴資料の検討
だいち法律事務所は、ご依頼を頂いた後、診断書などの資料を精査するとともに、治療を受けた各病院の診療録を入手して、被害者の現状や症状の経過を確認しました。また、被害者は1人暮らしだったため、被害者が通っていた
  ①リハビリセンターの職員
  ②就労継続支援B型事業所の施設長
から被害者の現状を詳細に聴き取りました。
この結果、
  高次脳機能障害について認定されている後遺障害等級が適切ではない
と判断しました。
⑵必要書類の入手
被害者の現状を把握した後、主治医に対し、あらためて後遺障害診断書などの作成を依頼しました。
また、被害者が通っていた
  ①リハビリセンターの職員
  ②就労継続支援B型事業所の施設長
に対し、詳細な「日常生活状況報告」の作成を依頼しました。
これらの書類を入手した上で、高次脳機能障害に関する後遺障害等級を変更するための手続に入りました。
⑶異議申立などの手続
詳細な異議申立書を作成し、後遺障害の認定基準の分析、被害者の症状の分析などを主張しました。2回の異議申立を行いましたが、認定は変わりませんでした。
このため、異議申立では認定が変わらないと判断し、自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理手続を行いました。
しかし、この手続によっても、後遺障害等級は変わりませんでした。
そこで、訴訟によって適正な後遺障害等級を認定してもらうしかないと判断し、訴訟を提起しました。
3.最終的な認定
訴訟において、被害者の現状を詳細に主張・立証しました。この結果、見込んでいた通り、
  高次脳機能障害の等級が9級から7級に変更される
いう成果が得られました。
そして、すでに認定されていた右肩関節の機能障害(12級)、正面視以外の複視(13級)と併合され、併合6級という認定を受けることができました。

裁判の争点

本件で争点となったのは、主に、
   過失割合
   後遺障害等級
でした。

裁判所の認定

1.後遺障害等級
⑴高次脳機能障害
被告(加害者)は、高次脳機能障害の後遺障害等級を争ってきました。
被告は、裁判所を通じて、被害者が治療を受けた各病院の診療記録(カルテ)を取り寄せました。そして、これらの診療記録を証拠として提出した上で、被害者の高次脳機能障害は、自賠責保険の認定と同様、9級と認定すべきであると主張してきました。
これに対し、診療記録の記載からすれば、被害者の症状は改善していないこと、関係者による被害者の評価を前提とすれば、一般就労は極めて困難であることなどを主張しました。
この結果、裁判所は、自賠責保険の認定を変更し、高次脳機能障害の後遺障害等級を7級と認定してくれました。
⑵右肩関節の機能障害
被告は、右肩関節の機能障害について、後遺障害診断書に記載された可動域を前提とすれば、後遺障害には該当しないと主張してきました。
この点については、後遺障害の認定基準を詳しく主張することによって、12級に該当することを反論しました。
2.過失割合
保険会社は、被害者の過失が25%であると主張してきました。
しかし、被告が主張している本件事故の発生状況は、実況見分調書などの刑事記録から明らかになっている事実とは異なっていると反論しました。
この結果、裁判所は被害者の過失割合を20%と判断してくれました。

弁護士のコメント

1.後遺障害等級
被害者は、事故の被害に遭った後、一般就労ができず、就労継続支援B型事業所に通っているだけの状況でした。このため、高次脳機能障害が9級という等級に認定されたことに強い不満を持っていました。
そして、リハビリセンターの職員、就労継続支援B型事業所の施設長に状況を確認したところ、被害者の障害に対する評価が決して軽くはないことが分かりました。
このため、依頼をいただいた後、高次脳機能障害の後遺障害等級を変更してもらうため、
  ・異議申立(2回)
  ・自賠責保険・共済紛争処理機構
  ・訴訟
という手段をとりました。
高次脳機能障害は、訴訟において、後遺障害等級が軽くなることはあっても、重くなることは珍しい障害です。結果として、訴訟によって、高次脳機能障害の後遺障害等級の認定を変更してもらうことができたのは大きな成果だと考えています。
2.周囲の協力
被害者は、1人暮らしだったので、日常生活上の問題点を把握してくれているはずの家族がいませんでした。
このため、被害者の日常生活の状況は、被害者自身から聴取するとともに、リハビリセンターの職員、就労継続支援B型事業所の施設長に協力をお願いして、可能な限り多くの情報を得る必要がありました。
だいち法律事務所では、弁護士が、関係者と複数回にわたって面談するなどして、被害者の状況を確認しました。被害者のことを熱心に支援している関係者がいたからこそ、今回のような解決を得られたのだと思います。
3.まとめ
交通事故において損害賠償請求の問題を有利に解決するためには、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが非常に重要です。だいち法律事務所では、この点は妥協することなく、徹底して対応しています。
また、訴訟を選択すれば、解決までに時間がかかりますし、手間も増えます。しかし、被害者が、将来にわたって経済的な不安を持たずに生活できるようにするためには、安易に妥協して示談で終わらせず、裁判によって解決を図ることを選択することも必要だと思います。
結果として、本件では、十分な成果が得られ、被害者にご満足いただくことができました。担当した弁護士として、とても嬉しかったです。