高次脳機能障害 Cases18
 

高次脳機能障害
後遺障害等級:高次脳機能障害3級(併合2級)
解決:令和3年12月24日示談
裁判所:大阪エリア

事案の概要】
被害者は、自転車に乗って、信号機の設置されていない交差点を横断しようとしたところ、道路を走行してきた自動車に衝突されました。
この衝突によって、被害者は、急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫・多発性脳挫傷・外斜視などの怪我を負った結果、注意障害・記憶障害・遂行機能障害・感情のコントロール障害(希死念慮・易怒性)・失語症などの高次脳機能障害、外斜視による複視などの後遺障害が残ってしまいました。

後遺障害等級

1.当初の認定

当初、自賠責保険に対する被害者請求手続を行った結果、高次脳機能障害について、以下の通りの認定がなされました。
提出の画像上、脳挫傷痕の残存や脳損傷後の脳萎縮の進行が認められ、また、受傷当初から意識障害が継続して認められることやその後の症状経過を踏まえれば、本件事故に起因する脳外傷による高次脳機能障害が残存しているものと捉えられます。
身の回り動作能力については、公共交通機関「ときどき介助・見守り・声かけ」とされているものの、その他食事動作、更衣動作、入浴動作、屋外歩行等はすべて「自立」とされ、WAIS-Ⅲ検査結果では、「言語性IQ127、動作性IQII9、全検査IQ126」とされ、「BADS、RBMTでは問題なし」とされていること、また「日常生活状況報告」においても、身の回り動作能力について、食事動作、更衣動作、入浴動作、屋外歩行等は「自立」とされていること等を踏まえれば、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」である別表第二第3級3号の認定を行うことは困難である。
2.異議申立

被害者やご家族と検討した結果、当初の認定結果は被害者の後遺障害について適切な等級認定をしていないと判断しました。このため、異議申立を行うことになりました。
⑴異議申立書の作成
あらためて診断書などの資料を精査するとともに、被害者の症状を確認しました。この結果、
①高次脳機能障害について認定されている後遺障害等級が適切ではない
②外斜視による複視の存在が見落とされている
と判断しました。
異議申立書においては、
・被害者の高次脳機能障害の症状の整理
・高次脳機能障害の後遺障害等級認定基準の説明
・認定基準への症状の当てはめ
・外斜視による複視の存在
などを詳細に主張しました。
⑵ 異議申立の結果
異議申立によって、
①高次脳機能障害の等級は、5級のまま
②複視が10級に認定される
という結果が得られました。
そして、すでに認定されていた高次脳機能障害(5級)と併合され、併合4級という認定になりました。
3.自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請
異議申立の結果を検討した結果、高次脳機能障害について後遺障害等級が変更されなかったことは妥当ではないと判断しました。
このため、不服申立の方法についても検討しましたが、異議申立によって認定の変更を勝ち取ることは難しいと判断し、別組織である自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請を行うことにしました。
⑴紛争処理申請書の作成
紛争処理申請書においては、
・被害者の高次脳機能障害の症状の整理
・高次脳機能障害の後遺障害等級認定基準の説明
・認定基準への症状の当てはめ
などを詳細に主張し、高次脳機能障害を3級に認定すべきと強く主張しました。
⑵紛争処理の結果
紛争処理を行った結果、高次脳機能障害の等級が3級に変更されました。
そして、すでに認定されていた複視(10級)と併合され、併合2級という認定になりました。

示談交渉

本件では、併合2級という重い後遺障害等級が認定されていることから、訴訟による解決も検討しました。
しかし、種々の事情から、訴訟による解決ではなく、示談による解決を目指すことになりました。
以下、示談交渉で主に争いになった点について解説します。
1.将来治療費
当初、保険会社は、将来治療費を認めませんでした。
しかし、交渉の結果、生涯分の将来治療費を認めてもらうことができました。
2.逸失利益 
保険会社は、逸失利益について、将来の不確定要素があると主張して、被害者側の請求額から15%を差し引いた金額を提示してきました。
しかし、そもそも逸失利益は、将来の不確定要素があることを前提とした上で算定される損害項目であること、15%を差し引かれる根拠が明らかでないことなどを反論した結果、請求通りの額を認めてもらうことができました。
3.将来介護費
被害者側は、将来介護費として日額5000円を請求しました。
これに対し、保険会社は、日額3000円が妥当と主張してきました。
あらためて交渉した結果、約4000円で合意することができました。
4.過失割合
本件の事故態様は、別冊判例タイムズ№38【246】に該当します。これに加えて、保険会社は、「夜間」による5%の修正を主張してきました。
これに関しては、保険会社と交渉を重ねた結果、過失割合は50%にて合意することができました。

弁護士のコメント

1.後遺障害等級

だいち法律事務所は、適正な後遺障害等級の認定を獲得することを重視しています。
後遺障害等級は、損害額を算定する際、
・逸失利益の労働能力喪失率
・将来介護費の金額
・後遺障害慰謝料
などの認定に大きく影響するため、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが非常に重要だからです。
だからこそ、変更できる可能性があれば、異議申立や紛争処理申請を繰り返すようにしています。
本件では、当初は、高次脳機能障害5級の認定でしたが、異議申立によって複視(10級)が追加認定され、併合4級という認定になりました。
さらに、自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請を行った結果、高次脳機能障害の等級が3級に変更され、すでに認定されていた複視(10級)と併合され、併合2級という認定になりました。
十分な成果が得られたと思います。
2.示談交渉
本件では、示談交渉を選択することになりました。
そして、できる限り賠償金を増額するため、保険会社側と粘り強く交渉を続けました。この結果、納得できる金額で示談をまとめることができました。
3.まとめ 

交通事故における損害賠償請求において、納得できる解決を図るためには、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが重要です。だいち法律事務所では、この点は妥協することなく、徹底して対応しています。
本件では、十分な成果が得られ、被害者やご家族にご満足頂くことができました。

 

高次脳機能障害
後遺障害等級:高次脳機能障害3級(併合2級) 解決:令和3年12月24日示談 大阪エリア

【事案の概要】
被害者は、自転車に乗って、信号機の設置されていない交差点を横断しようとしたところ、道路を走行してきた自動車に衝突されました。
この衝突によって、被害者は、急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫・多発性脳挫傷・外斜視などの怪我を負った結果、注意障害・記憶障害・遂行機能障害・感情のコントロール障害(希死念慮・易怒性)・失語症などの高次脳機能障害、外斜視による複視などの後遺障害が残ってしまいました。

後遺障害等級

1.当初の認定
当初、自賠責保険に対する被害者請求手続を行った結果、高次脳機能障害について、以下の通りの認定がなされました。
提出の画像上、脳挫傷痕の残存や脳損傷後の脳萎縮の進行が認められ、また、受傷当初から意識障害が継続して認められることやその後の症状経過を踏まえれば、本件事故に起因する脳外傷による高次脳機能障害が残存しているものと捉えられます。
身の回り動作能力については、公共交通機関「ときどき介助・見守り・声かけ」とされているものの、その他食事動作、更衣動作、入浴動作、屋外歩行等はすべて「自立」とされ、WAIS-Ⅲ検査結果では、「言語性IQ127、動作性IQII9、全検査IQ126」とされ、「BADS、RBMTでは問題なし」とされていること、また「日常生活状況報告」においても、身の回り動作能力について、食事動作、更衣動作、入浴動作、屋外歩行等は「自立」とされていること等を踏まえれば、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」である別表第二第3級3号の認定を行うことは困難である。
2.異議申立
被害者やご家族と検討した結果、当初の認定結果は被害者の後遺障害について適切な等級認定をしていないと判断しました。このため、異議申立を行うことになりました。
⑴異議申立書の作成
あらためて診断書などの資料を精査するとともに、被害者の症状を確認しました。この結果、
 ① 高次脳機能障害について認定されている後遺障害等級が適切ではない
 ② 外斜視による複視の存在が見落とされている
と判断しました。
異議申立書においては、
 ・ 被害者の高次脳機能障害の症状の整理
 ・ 高次脳機能障害の後遺障害等級認定基準の説明
 ・ 認定基準への症状の当てはめ
 ・ 外斜視による複視の存在
などを詳細に主張しました。
⑵ 異議申立の結果
異議申立によって、
 ① 高次脳機能障害の等級は、5級のまま
 ② 複視が10級に認定される
いう結果が得られました。
そして、すでに認定されていた高次脳機能障害(5級)と併合され、併合4級という認定になりました。
3.自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請 
異議申立の結果を検討した結果、高次脳機能障害について後遺障害等級が変更されなかったことは妥当ではないと判断しました。
このため、不服申立の方法についても検討しましたが、異議申立によって認定の変更を勝ち取ることは難しいと判断し、別組織である自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請を行うことにしました。
⑴ 紛争処理申請書の作成
紛争処理申請書においては、
 ・ 被害者の高次脳機能障害の症状の整理
 ・ 高次脳機能障害の後遺障害等級認定基準の説明
 ・ 認定基準への症状の当てはめ
などを詳細に主張し、高次脳機能障害を3級に認定すべきと強く主張しました。
⑵ 紛争処理の結果
紛争処理を行った結果、高次脳機能障害の等級が3級に変更されました。
そして、すでに認定されていた複視(10級)と併合され、併合2級という認定になりました。

示談交渉

本件では、併合2級という重い後遺障害等級が認定されていることから、訴訟による解決も検討しました。
しかし、種々の事情から、訴訟による解決ではなく、示談による解決を目指すことになりました。
以下、示談交渉で主に争いになった点について解説します。
1.将来治療費 
当初、保険会社は、将来治療費を認めませんでした。
しかし、交渉の結果、生涯分の将来治療費を認めてもらうことができました。
2.逸失利益
保険会社は、逸失利益について、将来の不確定要素があると主張して、被害者側の請求額から15%を差し引いた金額を提示してきました。
しかし、そもそも逸失利益は、将来の不確定要素があることを前提とした上で算定される損害項目であること、15%を差し引かれる根拠が明らかでないことなどを反論した結果、請求通りの額を認めてもらうことができました。
3.将来介護費
被害者側は、将来介護費として日額5000円を請求しました。
これに対し、保険会社は、日額3000円が妥当と主張してきました。
あらためて交渉した結果、約4000円で合意することができました。
4.過失割合
本件の事故態様は、別冊判例タイムズ№38【246】に該当します。これに加えて、保険会社は、「夜間」による5%の修正を主張してきました。
これに関しては、保険会社と交渉を重ねた結果、過失割合は50%にて合意することができました。

弁護士のコメント

1.後遺障害等級
だいち法律事務所は、適正な後遺障害等級の認定を獲得することを重視しています。
後遺障害等級は、損害額を算定する際
 ・ 逸失利益の労働能力喪失率
 ・ 将来介護費の金額
 ・ 後遺障害慰謝料
などの認定に大きく影響するため、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが非常に重要だからです。
だからこそ、変更できる可能性があれば、異議申立や紛争処理申請を繰り返すようにしています。
本件では、当初は、高次脳機能障害5級の認定でしたが、異議申立によって複視(10級)が追加認定され、併合4級という認定になりました。
さらに、自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請を行った結果、高次脳機能障害の等級が3級に変更され、すでに認定されていた複視(10級)と併合され、併合2級という認定になりました。
十分な成果が得られたと思います。
2.示談交渉
本件では、示談交渉を選択することになりました。
そして、できる限り賠償金を増額するため、保険会社側と粘り強く交渉を続けました。この結果、納得できる金額で示談をまとめることができました。
3.まとめ
交通事故における損害賠償請求において、納得できる解決を図るためには、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが重要です。だいち法律事務所では、この点は妥協することなく、徹底して対応しています。
本件では、十分な成果が得られ、被害者やご家族にご満足頂くことができました。