死亡事故 Cases10

死亡事故
解 決:令和4年8月25日和解
裁判所:大阪地方裁判所

【事案の概要】被害者は、自動車に乗って横断歩道上を横断していました。そこに、対向方向から交差点に進入して右折を開始していた貨物自動車が衝突しました。
この事故によって、被害者は、頭部に強い衝撃を受け、両側急性硬膜下血腫などによって死亡しました。
なお、被害者の相続人は、同居していた娘さんのみでした。

刑事手続での対応

1起訴(公判請求)までの対応

被害者の娘さんからご依頼を頂いた時点で、交通事故が発生してから半月ほどしか経過していませんでした。もちろん、その時点では捜査が進んでいる最中であり、刑事手続の段階から関与することになりました。
唯一の家族を亡くされたため、ご遺族は憔悴していました。そのため、ご遺族の負担を軽くするため、弁護士が前面に出られる場面では、可能な限り前面に出ていくことを心がけました。
また、ご遺族は、加害者に対する強い処罰感情を持っていたため、検察官と連絡を取り、捜査状況と処理方針を確認するとともに、ご遺族の処罰感情や被害者参加制度の利用を希望する方針を伝えました。
その後も、検察官による事情聴取を受ける際などに、ご遺族に対して、検察官に説明する内容などに関するアドバイスを行うとともに、聴取された内容などを確認し、今後の進行などの予想を説明していました。
2刑事裁判での対応
刑事裁判では、被害者参加制度を利用し、被告人質問・被害者論告を行いました。また、被害者参加人であるご遺族の「心情に関する意見陳述」を行いました。
これらの手続によって、加害者の落ち度(注意義務違反)が大きいこと、事故後の加害者の対応が不十分であること、ご遺族が大きな悲しみを抱いていること、ご遺族が強い処罰感情を持っていることなどを裁判所に伝えることができました。

自賠責保険金を請求しなかった事情 

1自賠責保険金の請求について

後遺障害事案では、症状固定と診断されるまで自賠責保険金の請求手続ができません。これに対し、死亡事故では、死亡という事実が明らかであるため、早い段階で自賠責保険金の請求が可能になります。
しかし、自賠責保険金の請求が可能な状態になることと、すぐに自賠責保険金を請求すべきか否かは、全く別の問題です。死亡事故において自賠責保険金を請求するか否かは、以下の事情を考慮して慎重に判断すべきです。
この点について、コラム「死亡事故①(自賠責保険の請求)」でも詳しく説明していますので、ご覧ください。
①ご遺族の経済状況

世帯で収入を得ていた唯一の存在が死亡した場合、その世帯は収入を失い、残された遺族は経済的に困窮してしまいます。このような場合には、ご遺族の生活の維持を最優先に考え、早期に、自賠責保険金の請求手続を行うべきです。
これに対し、ご遺族が経済的に困窮する状況になければ、早い段階で自賠責保険金の請求手続を行う必要はありません。
②刑事手続で加害者の厳罰を求めるか
ご遺族が自賠責保険金を受け取れば、交通事故によって被った損害の一部について「被害弁償が行われた」という扱いを受けます。この事実は、刑事手続において、加害者に有利な事情として考慮されることになり、加害者の処分が軽くなる可能性が高くなります。
しかし、ご遺族は、「加害者に厳罰を科して欲しい」と望んでいるケースが多いです。ご遺族が厳罰を望んでいるのであれば、刑事手続が終わるまで、自賠責保険を請求すべきではないと考えます。
③損害賠償手続への影響
損害賠償請求の解決手段として裁判手続(民事訴訟の提起)を選択する場合、被害者が被った損害額に加えて、弁護士費用・遅延損害金を加算された金額を受け取ることができます。
ところが、既に自賠責保険金を受領している場合、以後、受領した金額について遅延損害金が発生しなくなります。また、裁判所が認めてくれる弁護士費用の額も少なくなります。
 加害者から受領できる賠償金の額を最大化するのであれば、自賠責保険金を受領しないで提訴すべきことになります。
2本件での対応

本件では、以下の事情がありました。

①経済的に困窮していない。

②加害者に厳罰を科すことを強く望んでいた。

③損害賠償請求訴訟を提起することが見込まれていた。

このため、本件では、自賠責保険金の請求手続を行いませんでした。全ての損害額を裁判(損害賠償請求訴訟)で請求して、受け取れる賠償金の額を最大化することを選択しました。

損害賠償請求の手続

1手続の選択

刑事手続が終結した後、損害賠償請求の準備を始めました。

そして、解決のためにとる手続は、示談交渉ではなく、訴訟(裁判)を選択することにしました。訴訟を選択した理由は、以下の通りです。

①事故態様(過失割合)が争いになると見込まれる事案であり、十分な主張立証を行って裁判所の判断を求めることが必要と考えられた

②基礎収入や生活費控除率などの争点においても、示談交渉で安易に譲歩せず、裁判所の判断を求めることが必要と考えられた

③提訴によって、弁護士費用・遅延損害金を確保できる

2裁判の争点

この裁判における主な争点は、以下のとおりでした。

①基礎収入

被害者は、ご遺族である娘さんと2人暮らしでした。

被告(保険会社)は、この点を捉え、娘さんが結婚すれば、1人暮らしになると予想されることなどを理由として、基礎収入について、主婦の賃金センサスの半額が相当であると主張しました。

これに対して、当方は、交通事故が発生した時点で、娘さんは結婚しておらず、結婚の予定もなかったことを主張するとともに、結婚したとしても共働きを続けることになって被害者が家事を担うことも考えられるなどと主張しました。

これに加えて、被害者が受給していた年金も逸失利益の基礎収入に該当することを主張しました。

②生活費控除率

家事労働分の生活費控除率について、当方は30%、被告(保険会社)は40%と主張しました。

また、年金分の生活費控除率について、当方は30%、被告(保険会社)は80%と主張しました。
③慰謝料

死亡慰謝料と遺族固有の慰謝料の金額が争点になりました。 

④事故態様(過失割合)

この交通事故は、自転車に乗って横断歩道上を横断していた被害者に、対向方向から交差点に進入して右折した貨物自動車が衝突し、被害者が死亡したという事案です。

交差点に設置されていた信号機の色は、貨物自動車に設置されていたドライブレコーダー映像によって確定できていましたが、それ以外にも、以下のような争点がありました。

・右折開始時の貨物自動車の速度

・貨物自動車の右折が「早まわり右折」に該当するか

・貨物自動車の運転者の前方不注視の度合い

これらの争点について、当事者双方が主張をくり返しました。

3裁判所の和解案

①基礎収入

交通事故が発生した時点で、娘さんは結婚しておらず、結婚の予定もなかったことが考慮され、基礎収入として、主婦の基礎収入である女性・全年齢の平均賃金である388万0100円が基礎収入とされました。

このため、裁判所は、被告の主張を採用せず、男性大卒者の平均賃金を基礎収入とする和解案を提示してくれました。

②生活費控除率

裁判所は、生活費控除率について、家事労働・年金ともに30%とする和解案を提示してくれました。 

③慰謝料

被告は、原告が請求していた慰謝料が高額すぎると主張していました。

これに対し、こちらは、以下の事情を詳細に主張し、高額な慰謝料を認めるべきであると主張しました。

・本件事故態様の悪質性を十分に考慮すべきこと

・被告の謝罪などの対応が不十分であること

・ご遺族が多大な精神的苦痛を受けていること

 裁判所は、以下の通りの慰謝料を提示してくれました。

 合計額は2500万円です。

・被害者本人の慰謝料   2200万円

・ご遺族の慰謝料      300万円

④過失割合

裁判所は、和解案において、被害者の過失が30%であるとの評価をしていました。

4和解案に対する対応

ご遺族は、裁判所の和解案のうち「過失割合」は受け入れられないという考えでした。

このため、当初、裁判所に対して、「和解には応じられない」と回答し、判決の言渡に進むように求めました。

これに対し、裁判所は、「当事者間において調整を図り、和解の可能性がないか検討して欲しい」との意向を示してきました。

このため、当方は、年金分の生活費控除率について譲歩する替わりに、過失割合を20%とし、和解金の総額を200万円増額する案を作成して、被告(保険会社)に提示し、検討を求めました。

結果として、被告(保険会社)がこちらの案を受け入れたため、和解が成立しました。

弁護士のコメント

1受任に至る経緯

ご遺族は、自分だけで適切に対応することは難しいと考え、ホームページを検索して、交通事故に強い弁護を探していました。

だいち法律事務所にご依頼を頂いたのは、以下のような理由によると考えています。

・損害賠償だけでなく、刑事手続についても十分に対応すること

・刑事手続から損害賠償の解決に至るまで、十分な知識と経験があること

・手続の流れなどについて分かりやすく説明したこと

2刑事手続

捜査段階では、検察官に対し、ご遺族が、「加害者を厳罰に処して欲しいと望んでおられる」と明確に伝えました。

加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、できるかぎり多くの記録(資料)を入手して詳細な情報を把握するとともに、公判廷で実施された被告人質問において、事故前後の状況、事故態様などについて質問しました。

これらの対応をしたことによって、ご遺族の心情的な納得感が高まったと考えています。
3損害賠償請求手続

①他の法律事務所では、死亡事故を示談交渉で解決することが多いかもしれません。

ですが、だいち法律事務所では、ご遺族に対し、手続などについて丁寧に説明したり、心情を詳しく聞き取るなどした上で、訴訟を提起するか否かを決めています。そして、最大限の賠償金を受け取れるように、適切な主張と立証を行っています。

本件でも、ご遺族と十分な協議を行った上で、自賠責保険金の請求手続を行わずに損害賠償請求訴訟を提起することになりました。

②損害賠償請求訴訟では、逸失利益・慰謝料・過失割合などの損害項目で十分な金額の認定を得ることを目指して、綿密な主張と立証を行いました。

この結果、裁判所の和解案は、過失割合を除いて、十分な水準の提示をしてもらったと考えています。

③ご遺族は、裁判所が提示した和解案のうち、過失割合については受け入れ難いと考えていました。このため、当初、裁判所に対して、「和解には応じられない」と回答し、判決の言渡に進むように求めたのですが、裁判所の意向を踏まえて、当事者間で和解の条件を協議することにしました。

当方は、年金分の生活費控除率について譲歩する替わりに、過失割合を20%とし、和解金の総額を200万円増額する案を作成して、被告(保険会社)に提示しました。この案を被告(保険会社)がこちらの案を受け入れたため、和解が成立しました。

裁判所の和解案を修正するような対処方法はあまり例がないと思います。また、被告(保険会社)が「どの程度の修正であれば受け入れ可能か」を見込んだ案を作成することも重要でした。

うまく和解が成立したので、とてもよかったです。

4最後に

だいち法律事務所は、ご依頼を頂いた当初から、ご遺族のお気持ちに寄り添った対応を心がけ、最善を尽くして対応に当たりました。

ご遺族に納得して頂ける結果を得ることができ、喜んで頂くことができました。こちらも十分な成果を得られたことを嬉しく思っています。

 

死亡事故
解決:令和4年8月25日判決 裁判所:大阪地方裁判所

【事案の概要】
被害者は、自動車に乗って横断歩道上を横断していました。そこに、対向方向から交差点に進入して右折を開始していた貨物自動車が衝突しました。

この事故によって、被害者は、頭部に強い衝撃を受け、両側急性硬膜下血腫などによって死亡しました。
なお、被害者の相続人は、同居していた娘さんのみでした

刑事手続での対応

1 起訴(公判請求)までの対応

被害者の娘さんからご依頼を頂いた時点で、交通事故が発生してから半月ほどしか経過していませんでした。もちろん、その時点では捜査が進んでいる最中であり、刑事手続の段階から関与することになりました。
唯一の家族を亡くされたため、ご遺族は憔悴していました。そのため、ご遺族の負担を軽くするため、弁護士が前面に出られる場面では、可能な限り前面に出ていくことを心がけました。
また、ご遺族は、加害者に対する強い処罰感情を持っていたため、検察官と連絡を取り、捜査状況と処理方針を確認するとともに、ご遺族の処罰感情や被害者参加制度の利用を希望する方針を伝えました。
その後も、検察官による事情聴取を受ける際などに、ご遺族に対して、検察官に説明する内容などに関するアドバイスを行うとともに、聴取された内容などを確認し、今後の進行などの予想を説明していました。
捜査の結果、検察官は、加害者の過失が大きいこと、「被害者の死亡」という結果が重大であること、ご遺族の処罰感情が強いことなどを考慮して、加害者を起訴(公判請求)してくれました。
2 刑事裁判での対応
刑事裁判では、被害者参加制度を利用し、被告人質問・被害者論告を行いました。また、被害者参加人であるご遺族の「心情に関する意見陳述」を行いました。
これらの手続によって、加害者の落ち度(注意義務違反)が大きいこと、事故後の加害者の対応が不十分であること、ご遺族が大きな悲しみを抱いていること、ご遺族が強い処罰感情を持っていることなどを裁判所に伝えることができました。

自賠責保険金を請求しなかった事情

1 自賠責保険金の請求について
後遺障害事案では、症状固定と診断されるまで自賠責保険金の請求手続ができません。これに対し、死亡事故では、死亡という事実が明らかであるため、早い段階で自賠責保険金の請求が可能になります。
しかし、自賠責保険金の請求が可能な状態になることと、すぐに自賠責保険金を請求すべきか否かは、全く別の問題です。死亡事故において自賠責保険金を請求するか否かは、以下の事情を考慮して慎重に判断すべきです。
この点について、コラム「死亡事故①(自賠責保険の請求)」でも詳しく説明していますので、ご覧ください
① ご遺族の経済状況

世帯で収入を得ていた唯一の存在が死亡した場合、その世帯は収入を失い、残された遺族は経済的に困窮してしまいます。このような場合には、ご遺族の生活の維持を最優先に考え、早期に、自賠責保険金の請求手続を行うべきです。
これに対し、ご遺族が経済的に困窮する状況になければ、早い段階で自賠責保険金の請求手続を行う必要はありません。
②刑事手続で加害者の厳罰を求めるか
ご遺族が自賠責保険金を受け取れば、交通事故によって被った損害の一部について「被害弁償が行われた」という扱いを受けます。この事実は、刑事手続において、加害者に有利な事情として考慮されることになり、加害者の処分が軽くなる可能性が高くなります。
しかし、ご遺族は、「加害者に厳罰を科して欲しい」と望んでいるケースが多いです。ご遺族が厳罰を望んでいるのであれば、刑事手続が終わるまで、自賠責保険を請求すべきではないと考えます。
③損害賠償手続への影響
損害賠償請求の解決手段として裁判手続(民事訴訟の提起)を選択する場合、被害者が被った損害額に加えて、弁護士費用・遅延損害金を加算された金額を受け取ることができます。
ところが、既に自賠責保険金を受領している場合、以後、受領した金額について遅延損害金が発生しなくなります。また、裁判所が認めてくれる弁護士費用の額も少なくなります。
2 本件での対応
本件では、以下の事情がありました。
①経済的に困窮していない。
②加害者に厳罰を科すことを強く望んでいた。
③損害賠償請求訴訟を提起することが見込まれていた。
このため、本件では、自賠責保険金の請求手続を行いませんでした。全ての損害額を裁判(損害賠償請求訴訟)で請求して、受け取れる賠償金の額を最大化することを選択しました。

損害賠償請求の手続

1 手続の選択

刑事手続が終結した後、損害賠償請求の準備を始めました。
そして、解決のためにとる手続は、示談交渉ではなく、訴訟(裁判)を選択することにしました。訴訟を選択した理由は、以下の通りです。
①事故態様(過失割合)が争いになると見込まれる事案であり、十分な主張立証を行って裁判所の判断を求めることが必要と考えられた
②基礎収入や生活費控除率などの争点においても、示談交渉で安易に譲歩せず、裁判所の判断を求めることが必要と考えられた
③提訴によって、弁護士費用・遅延損害金を確保できる
2 裁判の争点
この裁判における主な争点は、以下のとおりでした。
①基礎収入
被害者は、ご遺族である娘さんと2人暮らしでした。
被告 (保険会社 )は、この点を捉え、娘さんが結婚すれば、1人暮らしになると予想されることなどを理由として、基礎収入について、主婦の賃金センサスの半額が相当であると主張しました。
これに対して、当方は、交通事故が発生した時点で、娘さんは結婚しておらず、結婚の予定もなかったことを主張するとともに、結婚したとしても共働きを続けることになって被害者が家事を担うことも考えられるなどと主張しました。
これに加えて、被害者が受給していた年金も逸失利益の基礎収入に該当することを主張しました。  
②生活費控除率
家事労働分の生活費控除率について、当方は30%、被告 (保険会社 )は40%と主張しました。
また、年金分の生活費控除率について、当方は30%、被告 (保険会社 )は80%と主張しました。  
③慰謝料
死亡慰謝料と遺族固有の慰謝料の金額が争点になりました。
④事故態様(過失割合)
この交通事故は、自転車に乗って横断歩道上を横断していた被害者に、対向方向から交差点に進入して右折した貨物自動車が衝突し、被害者が死亡したという事案です。
交差点に設置されていた信号機の色は、貨物自動車に設置されていたドライブレコーダー映像によって確定できていましたが、それ以外にも、以下のような争点がありました。
・右折開始時の貨物自動車の速度
・貨物自動車の右折が「早まわり右折」に該当するか
・貨物自動車の運転者の前方不注視の度合い
これらの争点について、当事者双方が主張をくり返しました。
3 裁判所の和解案

①基礎収入

交通事故が発生した時点で、娘さんは結婚しておらず、結婚の予定もなかったことが考慮され、基礎収入として、主婦の基礎収入である女性・全年齢の平均賃金である388万0100円が基礎収入とされました。

このため、裁判所は、被告の主張を採用せず、男性大卒者の平均賃金を基礎収入とする和解案を提示してくれました。 

②生活費控除率

裁判所は、生活費控除率について、家事労働・年金ともに30%とする和解案を提示してくれました。 

③慰謝料

被告は、原告が請求していた慰謝料が高額すぎると主張していました。

これに対し、こちらは、以下の事情を詳細に主張し、高額な慰謝料を認めるべきであると主張しました。

・本件事故態様の悪質性を十分に考慮すべきこと

・被告の謝罪などの対応が不十分であること

・ご遺族が多大な精神的苦痛を受けていること

裁判所は、以下の通りの慰謝料を提示してくれました。

合計額は2500万円です。

・被害者本人の慰謝料   2200万円

・ご遺族の慰謝料      300万円

④過失割合

裁判所は、和解案において、被害者の過失が30%であるとの評価をしていました。

4 和解案に対する対応

ご遺族は、裁判所の和解案のうち「過失割合」は受け入れられないという考えでした。
このため、当初、裁判所に対して、「和解には応じられない」と回答し、判決の言渡に進むように求めました。
これに対し、裁判所は、「当事者間において調整を図り、和解の可能性がないか検討して欲しい」との意向を示してきました。
このため、当方は、年金分の生活費控除率について譲歩する替わりに、過失割合を20%とし、和解金の総額を200万円増額する案を作成して、被告 (保険会社 )に提示し、検討を求めました。
結果として、被告 (保険会社 )がこちらの案を受け入れたため、和解が成立しました。

弁護士のコメント

1 受任に至る経緯

ご遺族は、自分だけで適切に対応することは難しいと考え、ホームページを検索して、交通事故に強い弁護を探していました。
だいち法律事務所にご依頼を頂いたのは、以下のような理由によると考えています。
・損害賠償だけでなく、刑事手続についても十分に対応すること
・刑事手続から損害賠償の解決に至るまで、十分な知識と経験があること
・手続の流れなどについて分かりやすく説明したこと
2 刑事手続
捜査段階では、検察官に対し、ご遺族が、「加害者を厳罰に処して欲しいと望んでおられる」と明確に伝えました。
加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、できるかぎり多くの記録(資料)を入手して詳細な情報を把握するとともに、公判廷で実施された被告人質問において、事故前後の状況、事故態様などについて質問しました。
これらの対応をしたことによって、ご遺族の心情的な納得感が高まったと考えています。
3 損害賠償請求手続
①他の法律事務所では、死亡事故を示談交渉で解決することが多いかもしれません。
ですが、だいち法律事務所では、ご遺族に対し、手続などについて丁寧に説明したり、心情を詳しく聞き取るなどした上で、訴訟を提起するか否かを決めています。そして、最大限の賠償金を受け取れるように、適切な主張と立証を行っています。
本件でも、ご遺族と十分な協議を行った上で、自賠責保険金の請求手続を行わずに損害賠償請求訴訟を提起することになりました。
②損害賠償請求訴訟では、逸失利益・慰謝料・過失割合などの損害項目で十分な金額の認定を得ることを目指して、綿密な主張と立証を行いました。
この結果、裁判所の和解案は、過失割合を除いて、十分な水準の提示をしてもらったと考えています。
③ご遺族は、裁判所が提示した和解案のうち、過失割合については受け入れ難いと考えていました。このため、当初、裁判所に対して、「和解には応じられない」と回答し、判決の言渡に進むように求めたのですが、裁判所の意向を踏まえて、当事者間で和解の条件を協議することにしました。
当方は、年金分の生活費控除率について譲歩する替わりに、過失割合を20%とし、和解金の総額を200万円増額する案を作成して、被告 (保険会社 )に提示しました。この案を被告 (保険会社 )がこちらの案を受け入れたため、和解が成立しました。
裁判所の和解案を修正するような対処方法はあまり例がないと思います。また、被告 (保険会社 )が「どの程度の修正であれば受け入れ可能か」を見込んだ案を作成することも重要でした。
うまく和解が成立したので、とてもよかったです。
4 最後に
だいち法律事務所は、ご依頼を頂いた当初から、ご遺族のお気持ちに寄り添った対応を心がけ、最善を尽くして対応に当たりました。
ご遺族に納得して頂ける結果を得ることができ、喜んで頂くことができました。こちらも十分な成果を得られたことを嬉しく思っています。