交通事故関連用語集
 

当事務所が扱っている交通事故には、普段の生活では馴染みがないような専門的な用語が出てきます。
それらを、集めて解説いたします。

当事務所が扱っている交通事故には、普段の生活では馴染みがないような専門的な用語が出てきます。
それらを、集めて解説いたします。

  あ行

・日弁連交通事故相談センターが隔年(1年おき)に発刊している「交通事故損害額算定基準」という書籍の通称です。この書籍の表紙が青いことから、一般的に「青い本」と呼ばれています。
・民事交通事故訴訟における『損害賠償額の算定基準』、参考となる『裁判例』が掲載されています。
・「赤い本」と重複している内容が多いですが、交通事故に関連する後遺障害について、専門医の講演録などが掲載されているため、交通事故を専門的に取り扱う弁護士にとっては必読の書籍です。
 

関連用語:赤い本
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・日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年発刊している「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍の通称です。書籍の表紙が赤色であるため、一般的に「赤い本」と呼ばれています。元々は1冊の本でしたが、近年は上巻と下巻に分けて出版されています。
・上巻は「基準編」です。交通事故における『損害賠償額の算定基準』や参考となる『裁判例』などが掲載されています。弁護士や保険会社の担当者は、損害賠償額を計算するとき、必ず参考にしています。
・下巻は「講演録編」です。東京地方裁判所の交通専門部に所属している裁判官による講演の内容が収録されています。交通事故に関する重要論点について裁判官の考え方を確認することができるので、重要な資料とされています。

 

関連用語:青い本
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・自賠責保険金を請求した場合、
  ①後遺障害に該当するか否か
  ②どの後遺障害等級に該当するか
  ③重過失による支払額の減額が必要か
について判断がなされ、支払われる金額が算定されます。
これらの判断について不服がある場合、再審査を求める手続をとることができます。この手続のことを異議申立と呼んでいます。
・異議申立を行った結果、それまでの認定内容に誤りがあると認められた場合は、認定内容が変更され、「それまでの認定内容」と「新しい認定内容」の差額が追加で支払われます。
異議申立によって判断が変更される見込み、必要な準備の内容については、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
・なお、自賠責保険の認定内容に対する不服申立の手段としては、異議申立の以外にも、「自賠責保険・共済紛争処理機構に対する紛争処理申請」があります。

 

関連用語:自賠責保険
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・意識障害とは、覚醒度あるいは自分自身と周りの認識のいずれかが障害されている状態をいいます。これに対し、意識が正常な状態のことは「意識清明」と呼びます。
意識障害の程度には様々なレベルがあります。最も重い意識障害は、「昏睡」つまり「目を閉じたまま、外部からの刺激に全く反応しない状態」をいいます。これに対し、軽度では、例えば、自分の名前を答えられない状態、会話や考えが混乱している状態も意識障害にあたります。
・交通事故では、頭部に衝撃が加わって脳外傷を負ったときに、意識障害が生じることが多いです。この意識障害の程度が重いほど、高次脳機能障害が発症しやすいとされており、高次脳機能障害が後遺障害として認定されるための重要な指標になっています。頭部に衝撃を受けても意識障害が生じなかったり、意識障害が軽度で短時間しか続かなかった場合には、高次脳機能障害が後遺障害として認定されにくくなります。
 

関連用語:
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・交通事故によって、
 ①被害者が死亡した場合
 ②被害者に後遺障害が残った場合
には、労働能力の全部または一部が失われます。この結果、将来的に得られたはずの収入が失われたり、減ってしまいます。
逸失利益は、この将来的に生じるはずの減収を補うために請求が認められる損害項目です。
・逸失利益の金額は、以下の計算式で算定されます。
【死亡の場合】
基礎収入×労働能力喪失率(常に100%)×生活費控除率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
【後遺障害の場合】
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
・被害者が主婦の場合でも逸失利益が認められます。また、事故当時に無職であっても、逸失利益が認められることがあります。

 

関連用語:基礎収入生活費控除率
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・交通事故によって、
  ①怪我を負った【入通院慰謝料】
  ②後遺障害が残った【後遺障害慰謝料】
  ③死亡した【死亡慰謝料】
という被害に遭うと、必然的に精神的な苦痛を負うことになります。慰謝料は、この精神的苦痛に対して認められる損害項目です。
・慰謝料の額は、「赤い本」に記載されている基準に基づいて決まりますが、事案ごとの事情を考慮して、基準よりも増額されることがあります。例えば、怪我や後遺障害が重篤な場合、飲酒運転や轢き逃げなど事故態様が特に悪質な場合、事故後の加害者の対応が特に不誠実である場合などの場合には、増額されることが多いです。
・後遺障害等級が3級以上に認定された場合や死亡事故では、被害者だけでなく、近親者にも固有の慰謝料が認められることがあります。
  

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原因と結果との間に関連性が認められること、つまり、ある原因によって、この結果が生じたと認められることをいいます。
交通事故における損害賠償請求の場面では、
  ①交通事故によって怪我を負ったことが原因となって、この後遺障害が生じたといえるか
  ②後遺障害を負ったことが原因となって、減収が生じたといえるか
などの場面で問題となることが多いです。

関連用語:
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自動車の運行を支配し、かつ、その運行による利益を得ている者のことです。
自動車を利用できる権原(所有権・賃借権など)を有していれば、原則として、運行供用者と認められることになります。
運行供用者は、交通事故の直接の加害者ではなくても、被害者に対し、損害を賠償すべき義務を負うことになります。
 

関連用語:
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  か行

・同居している他の家族のために家事労働に従事している方のことです。
いわゆる「専業主婦(主夫)」は、家事従事者の典型例です。
外で勤務しながら、自宅にいる時は他の家族のために家事に従事している「兼業主婦(主夫)」も、家事従事者にあたります。
・主婦(主夫)は、家事労働について対価の支払を受けていません。
しかし、誰かに家事を依頼すれば、相当の対価の支払いが必要になります。主婦(主夫)が家事労働に従事することで、対価の支払いをしなくて済むという利益を上げているのです。つまり、家事労働も金銭的に評価することが可能なのです。
・家事従事者が交通事故の被害に遭い、家事に従事できなくなってしまうと、
  ①他の家族が家事を代替するという負担を余儀なくされる
  ②家事代行サービスを利用するなどの出費が必要になる
ことになります。
このため、家事労働者は、対価の支払いを受けていなくても、逸失利益や休業損害の賠償を請求できます。
 

関連用語:基礎収入休業損害逸失利益
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・簡単にいえば、「落ち度」のことです。
 交通事故に関していえば、事故が発生する原因になった「落ち度」のことを指しています。
・法的には、加害者に過失があると評価するためには、予見可能性と回避可能性があることが必要とされています。
つまり、「事故の発生」という結果が生じることを予測することが可能であり、適切な注意・対応をしておけば結果を回避することも可能だったにもかかわらず、予測や回避を怠ったために事故を発生させてしまった場合に、過失があったと評価されます。

 

関連用語:過失割合過失相殺
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被害者が加害者に対して請求できる賠償金の額を計算する時に、被害者にも過失が認められれば、被害者の過失の割合(大きさ)に応じて請求金額を減らすことです。
例えば、過失割合が被害者20%、加害者80%という場合であれば、被害者に発生した損害額から20%を減額し、加害者に対して80%を請求することになります。
 

関連用語:過失割合
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・交通事故が発生した場合に、それぞれの当事者に、どれだけの責任があるかを割合的に示すことです。
被害者に過失がなく(0%)、加害者が全て(100%)の責任を負う場合は、【被害者0:加害者100】などと表します。
被害者にも30%の過失がある場合は、【被害者30:加害者70】といいます。
・過失割合の基本的な考え方は、東京地方裁判所民事27部(交通専門部)の裁判官が作成した
   別冊判例タイムズ№38「民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準」
という書籍に記載されています。
この書籍には、
  ①交通事故の発生状況ごとの標準的な過失割合(基本過失割合)
  ②個々の交通事故の具体的な状況に応じて過失割合を変動させる事情(修正要素)
がまとめられており、とても参考になります。

関連用語:過失相殺
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・内払金とも呼ばれています。
・「交通事故の発生」から「損害賠償の解決」までの期間において、保険会社から、被害者に対して、交通費・雑費などの支出、休業損害などについて、仮に支払われるお金のことです。
・仮払金として受け取った金額は、損害賠償が解決する時点で、賠償金から差し引かれます。
このため、被害者の過失割合が小さかったり、被害者に重い後遺障害が残ると見込まれる事案では、賠償金の額が高額になると見込まれるため、保険会社が仮払に応じてくれやすくなります。

 

関連用語:休業損害
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・交通事故の被害に遭った初期の段階でも、治療費などの当座の費用に充てるため、加害車両に掛けられていた自賠責保険に対して、自賠責保険金の一部を請求できる制度のことです。
・請求できる金額は、以下のとおり3段階に分かれています。
 ①死亡:290万円
 ②重度の傷害を負った場合:40万円
 ③中等度の傷害を負った場合:20万円
 ③軽度の傷害を負った場合:5万円

 

関連用語:自賠責保険
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・厚生労働省が毎年発表している、特定の年齢・性別ごとに、死亡率や平均余命を示した統計表のことです。
・交通事故による損害賠償請求においては、簡易生命表に基づいて、以下の年数を認定します。
①将来介護費・器具購入費などの「将来の積極損害」の算定
 症状固定時の年齢から、被害者が生存すると見込まれる年数(平均余命)を認定します。
 この平均余命の期間について、「将来の積極損害」を算定します。
②年長者(男性55歳くらい、女性49歳くらい)の労働能力喪失期間(就労可能期間)の算定
 逸失利益を算定する時は、労働能力喪失期間(就労可能期間)を決める必要があります。
 一般的には、「症状固定時または死亡時の年齢から67歳までの期間」とされますが、年長者の場合は、同期間と平均余命の1/2を比較して、どちらか長い期間を採用することになっています。
 

関連用語:就労可能年数
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・高次脳機能障害によって現れることの多い症状の1つです。
・記憶の機能は、以下の3段階に分けられます。
 ①記銘(情報を覚える)
 ②保持(覚えた情報を保存する)
 ③想起(情報を思い出す)
 これらの過程に障害が生じることで、以下のような障害が生じます。
 ・「記銘」に障害があれば、新しく経験した事柄を覚えられなくなる。
 ・「保持」に障害があれば、短い時間しか覚えていられない、覚えていられる記憶の量が限定されるなどの問題が生じる。
 ・「想起」に障害があれば、既に保存されてる情報を思い出せなくなる。
 具体例には、以下のようなものがあります。
 ・約束を忘れてしまう、思い出せない。
 ・人の名前、作業の手順、スケジュールなどを覚えられない。
 ・物の置き場所などを忘れる。
 ・何度も同じことを繰り返し質問する
といったことが起きるようになります。
・記憶障害の有無や程度を明らかにするための検査には、以下のものがあります。
 ・三宅式記銘力検査
 ・ベントン視覚記銘力検査
 ・レイ複雑図形検査
 ・ウェクスラー記憶検査(WMS−R)
 ・リバーミード行動記憶検査(RBMT)
 

関連用語:高次脳機能障害
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・基礎収入とは、被害者が、将来にわたって得られたと見込まれる収入の額のことです。
・逸失利益の金額は、以下の計算式で算定されます。
 この計算式から分かるように、基礎収入は、逸失利益を算定する時に必要な要素の1つです。
【死亡の場合】
基礎収入×労働能力喪失率(常に100%)×生活費控除率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
【後遺障害の場合】
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
・基礎収入は、原則として、事故前年度の年収(所得)とされています。
 ですから、
 ・給与収入を得ている方(会社員など):源泉徴収票
 ・事業収入を得ている方(自営業主など):確定申告書
などによって収入額を把握します。
・例外的に、実収入ではなく、平均賃金(賃金センサス)に基づいて基礎収入を認定する場合もあります。
①家事従事者(主婦・主夫)
②学生・生徒・幼児などの若年者
③収入の意欲・能力のある無職者
④概ね30歳未満の有職者

 

関連用語:休業損害逸失利益賃金センサス
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・休業損害とは、交通事故で怪我を負ったため、事故日から症状固定日までの間に仕事を休んだことによって、現実に減ってしまった収入のことです。
なお、症状固定後の減収は、逸失利益で算定されます。
・休業損害の額は、以下の計算式で算定されます。
基礎収入×休業日数
・基礎収入については、基礎収入の項目を確認してください。
なお、休業損害では、以下の点に特殊性があります。
①給与収入
事故前3か月間の平均収入を基礎収入とすることがあります。
また、賞与が減額されれば、それも休業損害に算定されます。
勤務先に、休業損害証明書・賞与減額証明書を作成してもらう必要があります。
なお、休業日に有給休暇を使った場合でも、休業損害が認められます。
②事業収入
事業を継続する上で、休業中も支出を余儀なくされる家賃・従業員の給与などの固定費も損害として認められます。
 

関連用語:基礎収入休業損害証明書
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・給与所得者(会社員など)に休業損害が生じた場合に、減ってしまった収入の額を算定するために必要な資料です。
・休業損害を請求するためには、勤務先に、この休業損害証明書を作成してもらう必要があります。
・休業損害証明書には、事故の前年度の源泉徴収票を添付するとともに、以下の項目を記載することになっています。
 ①欠勤した日
 ②欠勤日の分の給与を支給したか
 ③直近3か月分の月給の額
 ④労災保険・健康保険などから休業損害と同等の給付を受けたか
 

関連用語:休業損害
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・複数の不法行為が、被害者が被った損害の原因となっていることです。
・複数の車が関与した交通事故では、被害者に生じた損害について、複数の加害者が関与していることになります。この場合が、共同不法行為に当たります。

 

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・交通事故の被害者が被った精神的苦痛を慰謝するため、被害者本人に対する慰謝料が損害として計上されます。
・近親者慰謝料は、被害者に、
①重大な後遺障害が残ってしまう
②死亡してしまう
という結果が生じた場合、被害者本人に認められる慰謝料とは別に、多大な精神的苦痛を被った近親者に対して認められる慰謝料のことです。「近親者固有の慰謝料」といわれることもあります。
・「重大な後遺障害」とは、通常、3級以上に認定された後遺障害を指します。
・近親者慰謝料が認められる近親者の範囲は、通常、配偶者・両親・子に限られています(民法711条)。
 但し、最高裁昭和49年12月17日判決は、同条の規定を限定的に解釈するのではなく、文言上は同条に該当しない者であっても、被害者との間に同条所定の者と実質的に同視しうべき身分関係が存在し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者は、同条の類推適用により、加害者に対し直接に固有の慰謝料を請求しうると判断しています。
 この判断に従えば、祖父母や孫、兄弟、婚姻関係にない内縁の配偶者についても、「配偶者・両親・子」と同等の関係にあることが証明できれば、近親者慰謝料が認められる可能性があると考えられます。
 

関連用語:
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・加害者の刑事手続のために作成・収集された証拠の総称です。
・刑事記録には、実況見分調書、捜査報告書、供述調書などがあります。
・刑事記録には、交通事故の発生状況に関する多くの情報が記載されています。
 これを入手することによって、事故の発生状況を詳しく知ることができます。
 また、加害者に対する損害賠償請求において、過失割合を検討するための重要な証拠として利用されています。
 

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・高次脳機能とは、知識に基づいて、行動を計画し、実行する知的な精神活動をいいます。これに障害が生じている状態が、高次脳機能障害です。
・交通事故に関して高次脳機能障害が問題になるのは、基本的に、脳に損傷が生じた(脳外傷を負った)場合に限られています。
 高次脳機能障害を認定してもらうには、
①意識障害の有無・程度
②画像所見(CT・MRI)の有無・程度
が重要です。
・高次脳機能障害の症状は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、感情・人格の障害、病識欠如など多岐にわたります。
 損傷した脳の部位や損傷の程度が異なるため、どんな症状が生じるか、どんな程度(重さ)の症状になるかは、個々の患者によって様々です。
・高次脳機能障害に詳しい専門医の数は限られているため、正確な診断を受けるためには注意が必要です。
・高次脳機能障害について、だいち法律事務所のコラム(キリン先生の交通事故講座)で詳しく解説しています。
 詳しい情報を確認したい場合は、こちらをご確認ください。

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・症状固定となった時点で、完治せずに残っている症状(後遺症)のうち、自賠責保険における後遺障害として認定された者を「後遺障害」といいます。
・後遺障害は、最も重い1級から最も軽い14級までに分けられています。
・後遺障害として認定されれば、自賠責保険金を受け取ることができます。
 また、交通事故によって発生した損害の額が自賠責保険金の上限額を超える場合(ほとんどの場合は超えます)、加害者に対して損害賠償を請求できます。
 

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・交通事故で負った怪我を回復させるため、治療を続けたとしても、完治せずに症状が残ってしまうことがあります。この残った症状のことを後遺症といいます。
・後遺症が残ったことに対する賠償を請求するためには、自賠責保険の後遺障害等級認定手続をとり、後遺障害としての認定を受ける必要があります。
 

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後遺障害診断書

・被害者に残ってしまった後遺症を明らかにするため、医師に、
①症状の内容
②検査結果
③その症状によって日常生活や就労に生じる支障
などについて記載してもらう診断書のことです。
・一般的には、「後遺障害診断書」と呼ばれていますが、正式な名称は、「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」といいます。
・後遺障害の認定を受けるため、後遺障害等級の認定手続を申請するためには、後遺障害診断書が必ず必要となります。どの医師に、どのタイミングで作成してもらうべきかについては、交通事故に詳しい弁護士への相談が望ましい場合が多いです。

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・交通事故の被害者が後遺障害に関する賠償を受けるためには、自賠責保険法が定める後遺障害(最も重い1級から最も軽い14級まで)に該当すると認定される必要があります。
 この後遺障害に該当すると認定してもらう手続きのことを、「後遺障害認定手続」と呼んでいます。
・後遺障害に該当すると認定されれば、認定された後遺障害等級に応じて設定されている「自賠責保険金」を受け取ることができます。
・後遺障害の認定手続は、損害保険料率算出機構の下部機関である「自賠責損害調査事務所」行っていまする。
 この自賠責損害調査事務所は、各都道府県に設置されており、後遺障害診断書や医療機関に対する照会結果などの資料に基づいて、公正中立な立場で審査を行って後遺障害に該当するか否かを判断します。
 

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・運転者の好意によって、無償でその運転する車に同乗させてもらうことを「好意同乗」といいます。
・好意同乗している時に交通事故の被害に遭った場合、被害者(同乗者)は、運転者(=加害者)に対して、損害賠償を請求することがあります。この場合に、運転者(=加害者)の側から、「好意で乗せてあげていた」ことを理由にして、賠償額を減らすべきだと主張されることがあります。これが「好意同乗減額」と呼ばれる主張です。
 しかし、「好意で乗せてもらっていた」という理由だけでは、賠償額を減額されることはありません。
 減額が認められるのは、
①運転者(=加害者)が飲酒運転であることを知りながら同乗していた場合
②同乗車が危険な運転を煽った場合
など、被害の発生に影響を与えたような場合です。
 

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・交通事故が発生した事実を証明する書類のことを「交通事故証明書」といいます。
・「自動車安全運転センター」が、警察から資料の送付を受けて、交通事故証明書を作成します。
 被害者が自賠責保険金の請求手続を行ったり、加害者に対する損害賠償請求を行ったりするためには、「交通事故証明書」が必要になります。
・交通事故証明書を発行してもらうためには、警察に交通事故を届け出る必要があります。

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  さ行

・自賠責保険金の請求手続の方法の1つです。もう一つの方法は、「被害者請求」といいます。
・「事前認定」は、加害者が自動車保険(任意保険)を契約している保険会社に、自賠責保険金の請求手続を任せる方法です。
 これに対し、被害者が、直接、自賠責保険会社に対して、自賠責保険金の請求手続を行う方法が「被害者請求」です。
・事前認定では、任意保険会社に手続を任せることになります。任意保険会社にとって重要なのは、「適正な」後遺障害等級が認定されることではなく、一応の認定結果が出ることで、賠償の示談交渉を先に進められる状態になることです。
 このため、提出すべき資料が提出されなかったり、不十分な内容の資料が提出されたりして、被害者にとって不利な後遺障害認定が出てしまうリスクがあります。
・事前認定では、後遺障害が認定されたとしても、すぐには自賠責保険金を受け取れません。自賠責保険金を受け取って経済的に一息つき、今後の方針を冷静に検討するためには、「被害者請求」を選択すべきです。
 

関連用語:
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・賠償金の額について、被害者と加害者(保険会社)が協議し、双方が納得できる金額になった時点で、示談書などの書面を交わして解決する方法のことです。
・双方が納得して合意する必要があるということは、加害者(保険会社)も納得できる金額でなければ、示談が成立しないことになります。その結果、示談で解決する場合の賠償金の水準は、低くなってしまうことが多いといわれています。
 

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・警察は、事故現場において、
①事故現場の形状や事故現場に残された痕跡の位置を写真撮影したり、位置関係を計測する。
②交通事故の当事者(加害者・被害者)や目撃者から、交通事故が発生した当時の状況について説明を受ける。
などの対応をします。
 これらの事故現場において実施される捜査を『実況見分』といい、内容を記録した書面を『実況見分調書』といいます。
・実況見分調書は、加害者に対して損害賠償請求を行うとき、過失割合を決める基本的な資料として用いられる重要書類です。

関連用語:
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・「差額ベッド代」、つまり、入院中に、一般の病室(いわゆる大部屋)ではなく、個室・特別室などを利用した際に追加でかかる費用のことです。
・交通事故で怪我を負って入院した時に、個室・特別室などを利用したとしても、室料差額(差額ベッド代)の賠償が無条件で認められるわけではありません。症状が重篤な場合に医師からの指示があったのであれば認められます。また、被害者が幼少で、親が泊まり込みで付添をしる必要がある場合、一般室が満室のため個室に入らざるを得ない場合などがある場合にも、賠償が認められます。
 

関連用語:
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・正式名称は「自動車損害賠償責任保険」と言います。
 自動車損害賠償保障法5条によって、全ての車両の保有者に契約が義務づけられている損害保険であり、契約していない状態で一般道を走行すると刑罰の対象となります。
・自賠責保険が補償の対象としているのは、「傷害」「後遺障害」「死亡」だけで、物損は対象外です。
 補償額には上限があり、「傷害」部分の限度額は120万円です。
 「後遺障害」部分は、後遺障害等級(最重度の1級から再軽度の14級まで)によって決まっています。1級の限度額は、別表第一で4000万円、別表第二で3000万円です。14級の限度額は75万円です。
 「死亡」の限度額は3000万円です。
・自賠責保険金の請求手続には、「被害者請求」と「事前認定」の2種類があります。
 

関連用語:
関連ページ:

・高次脳機能障害によって現れる症状の1つです。
・感情や行動を、状況に合わせて適切にコントロールできなくなっている状態をいいます。
 具体的には、
  ・感情の起伏が激しくなり、すぐ怒ったり、暴言・暴力などに訴えるようになる(易怒性)
  ・こだわりが強く、自己中心的になる
  ・欲求を抑えられず、お金を浪費したり、無制限に食べたりする
  ・子供に戻ったように、すぐ人に甘え、自分で判断できない
  ・相手の立場や気持ちを思いやることができない
  ・うつ状態になりやすくなり、無気力になる
  など攻撃的になる
などの問題が生じます。

関連用語:
関連ページ:

・交通事故の発生について被害者にも責任(過失)があった場合、被害者が加害者に対して損害賠償を請求しても、過失相殺の処理によって、賠償額から被害者の過失部分が減額されます。
 しかし、自賠責保険金の支払額を計算する場面では、被害者を十分に救済するという目的から、通常の過失相殺は行わず、被害者に重大な過失がある場合にのみ減額することになっています。これを「重過失減額」といいます。
・被害者の過失割合が70%未満であれば減額がなされません。被害者に70%以上の過失が認められる場合のみ、2割~5割が減額されることになっています。
 

関連用語:
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・公的な医療保険制度が適用される診療のことを「保険診療」と呼びます。これに対し、公的な医療保険制度が適用されない診療のことは「自由診療」といいます。
 医療保険制度が適用されるためには、その制度で認められた治療法をとる必要があります。これに対し、自由診療の場合は、このような制限がなく、どんな先進医療でも受けることができます。この点は自由診療のメリットですが、自由診療では、医療機関が診療報酬の単価を自由に決めることができるため、患者の負担は大きくなります。
・交通事故で負った怪我を治療する場合、医療機関から、「医療保険は適用できないため、自由診療となる」と説明されることがあります。
 しかし、交通事故の場合でも、医療保険を使って治療を受けられます。
 

関連用語:
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・交通事故によって被害者が死亡したり、被害者に後遺障害が残ったりした場合に、事故に遭わなければ就労することができたではずの年数のことを言います。
・原則として、「死亡した時」「症状固定となった時」から67歳までの年数とされています。
また、被害者が児童や学生である場合は、18歳(大学生などの場合は卒業予定の時)から67歳までの年数とされています。
 被害者が比較的年長の場合(男:55歳、女:49歳が目安)は、「死亡した時」「症状固定となった時」の平均余命の2分の1の年数とされることがあります。

関連用語:
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・自動車損害賠償保障法(自賠法)16条は、交通事故の被害者が、直接、加害者が契約している自賠責保険の請求手続を行うことができると規定しています。
 この被害者による自賠責保険金の請求手続は、一般的に「被害者請求」と呼ばれていますが、自賠法16条で規定されていることから「16条請求」とも呼ばれています。
 

関連用語:
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・正式な名称は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」といいます。
 障害者(児)が、基本的人権を享有する個人として日常生活・社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービス、地域生活支援などを総合的に行うことを定めています。
 交通事故によって障害を負った方も対象となります。
・障害福祉サービスを利用するまでの流れは以下のとおりです。
①サービスの利用を希望する方は、市町村の窓口に申請し、障害支援区分の認定を受けます。
②市町村は、サービスの利用の申請をした方(利用者)に、「指定特定相談支援事業者」が作成する「サービス等利用計画案」の提出を求めます。利用者は「サービス等利用計画案」を「指定特定相談支援事業者」で作成し、市町村に提出します。
③市町村は、提出された計画案などを検討し、支給決定します。
④「指定特定相談支援事業者」は、支給決定された後にサービス担当者会議を開催します。
⑤サービス事業者等との連絡調整を行い、実際に利用する「サービス等利用計画」を作成します。
⑥サービス利用が開始されます。
・障害福祉サービス(介護給付)は、利用者が65歳を超えると原則として介護保険に移行します。この場合、サービス内容や負担額が変更されることがあります。

関連用語:
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・障害者手帳とは、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類の手帳の呼称です。
 制度の根拠となる法律は異なりますが、どの手帳を持っていても、障害者総合支援法の対象となり、様々な支援を受けることができます。また、税金の減免や公的機関での料金優遇など、自治体や事業者が独自に提供するサービスを受けられることもあります。
・事故によって障害を負った方も、原則として、事故後6ヶ月が経てば、自治体に発行を申請することができます。
 手足の切断など、状態が変化しない障害の場合には、例外的に事故から6ヶ月が経過する前でも、申請できます。
・損害賠償請求への影響などのデメリットはありませんので、手帳の取得の要件に該当する場合は、必ず申請することをお勧めします。

関連用語:
関連ページ:

・交通事故の被害に遭わなければ、得られるはずだったのに、被害に遭ってしまったために得られなくなった収入のことをいいます。
・後遺障害逸失利益、死亡逸失利益、休業損害が該当します。
 

関連用語:
関連ページ:

・交通事故の被害に遭って怪我を負った場合、その回復を望んで、治療を受けます。
 しかし、治療を受けても、完治するに至らず、症状が残ってしまうことがあります。
 症状固定とは、「これ以降も治療を続けても、これ以上の症状の改善が見込めない状態に達したこと」をいいます。
・症状固定の時点で残存している症状のことを「後遺症」といい、この後遺症について、自賠責保険の後遺障害認定を受けることになります。

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・交通事故の損害賠償の問題を解決する方法の一つに「示談」があります。
 この方法で解決する場合、交通事故について明示するとともに、最終的に支払われる賠償金の額などを記載して、解決したことを明確にする書類を作成することが重要です。
・「示談書」と呼ばれる書類を作成することが一般的ですが、保険会社との合意に基づいて解決する場合には、保険会社が作成する「承諾書」や「免責証書」と呼ばれる書類を作成することもあります。
 「示談書」と「承諾書」「免責証書」には、効力の違いはありません。

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・一定の期間(時効期間)が経過した事実に基づいて、損害賠償請求権を消滅させる制度のことをいいます。
・時効期間は、以下のとおりとなっています。
①3年間
 物損のみの事故
②5年間
 人身事故
・時効期間の起算点は、以下のとおりとなっています。
①事故の発生日
 物損のみの事故、後遺障害が残らない(非該当となった)人身事故
②症状固定日
 後遺障害の認定を受けられた人身事故
・時効期間が過ぎると、損害賠償を請求することができなくなる可能性が高いので、注意が必要です。
・時効期間の経過が間近に迫った場合は、「債務の承認」などにより、時効期間を「更新」させることが必要です。
 また、訴訟を提起することによって、時効の完成を「猶予」させる効果を発生させることも重要です。

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・被害者に重い後遺障害が残り、将来にわたって介護が必要な状態になった場合に、請求が認められる損害項目です。
・賠償の対象になるのは、介護施設に入所している場合や訪問介護サービスを利用している場合に限りません。
 家族が在宅で介護してる場合のように、対価を支払っていない場合でも、将来介護費の賠償を請求することができます。
・将来介護費の額は、
 1日当たりの介護費用×365日×将来介護が必要な期間(原則として平均余命)に対応するライプニッツ係数
という計算式で算出されます。

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・自動車保険(任意保険)に附帯されていることが多い保険です。
・交通事故によって、運転者や同乗者が被害を被った場合に、生じた損害を補償するための保険です。
 過失割合に関係なく、保険約款で定められている算定基準に従って計算された損害額を支払ってもらえます。
 また、過失相殺がなされる場合には、この保険を利用することによって、自分の過失割合部分を填補することが可能です。
・人身傷害保険が適用できる範囲は、個々の保険契約によって異なります。
 例えば、契約車両に乗っているときの事故についてのみ適用できる契約になっている契約もあります。この様な限定がなければ、同居の家族が歩行中や自転車に乗っている時に事故に遭った場合にも適用できる場合があります。
 交通事故の被害に遭った場合には、自分や家族が契約している自動車保険の内容をしっかり確認することが重要です。
・人身傷害保険を利用しても、保険等級はダウンしません。

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・高次脳機能障害によって現れる症状の1つです。
・遂行機能とは、日常生活において何らかの問題に直面した際、それを解決していくための認知・行動機能の総称です。目的にあった形で自分の行動を自律的に制御する能力のことで、分かり易くいえば「問題解決能力」のことです。
 この遂行機能は、
 ①目標の設定
 ②計画の作成
 ③計画の実行
 ④順序だった効果的な行動
 ⑤「①~④」までの過程において、自分の行動を常に監視・評価する
という要素から成り立っています。
・遂行機能が障害されると、以下のような問題が生じます。
 ・計画を立てられなくなり、思いついたことを何も考えずに行動に移してしまう。
 ・物事の優先順位をつけられない。
 ・自分の行動を評価・分析できなくなり、状況に応じた臨機応変な対応ができない。
 ・指示されないと、自分ではどうすれば良いか分からない。
 ・約束の時間を守ることができない。

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・交通事故で被害者が死亡すると、将来にわたって、事故前に得ていた収入が失われてしまいます。
 この失われた収入を補填するための損害項目が「死亡逸失利益」です。
・「死亡逸失利益」の額を計算するに際しては、「被害者が死亡すれば、生活費を支出する必要がなくなる」ことを考慮しなければなりません。
 この将来の生活費に相当する額を控除することを「生活費控除」と言い、収入額から割合的に控除する処理がなされるため、その割合のことを「生活費控除率」と呼んでいます。
・生活費控除率は、被害者の属性に応じて、目安となる割合が定められています。
 具体的には、以下のとおりですが、あくまでも目安であり、生活状況などに応じて修正されることがあります。
①一家の支柱
 被扶養者2人以上  30%
 被扶養者1人    40%
②女性        30%(40~45%とする場合もある)
③男性        50%
・年金収入を得ている場合、年金部分に適用される生活費控除率は、これより高い割合になるのが通常です。

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・物事に対する「判断能力」や周囲との「意思疎通能力」が欠けていたり、不十分になっていたりすれば、自分で預貯金や不動産などの財産を適切に管理・処分したり、介護施設への入居契約や介護サービスの提供契約を締結することが困難です。仮に、このような状態の人が契約などの法的な効果を生じさせる行為をしても、法的には有効になりません。
 この場合に、法的に有効な行為を行うためには、家庭裁判所に申立をして、財産管理などを援助してくれる人(成年後見人)を選任してもらう必要があります。この制度を成年後見制度と言います。
・成年後見人は、申立を受けた家庭裁判所が選任します。親族が選任される場合と、弁護士や司法書士などの専門職が選任される場合があります。
 財産が多額であったり、親族間の意向が一致していない場合などに、専門職が選任される可能性が高くなります。
・成年後見人は、家庭裁判所の監督を受けながら、財産管理、契約の締結・履行などの職務を行います。
・交通事故によって被害者が遷延性意識障害や重度の高次脳機能障害など、重篤な後遺障害を負った場合、判断能力や意思疎通能力が欠けたり、不十分になったりすることがあります。この場合に、加害者に対して損害賠償を請求するためには、成年後見制度を適用し、成年後見人を選任してもらうことが必要になるケースがあります。被害者が重篤な障害を負い、被害者の判断能力が不十分になったケースでは、交通事故に詳しい弁護士のアドバイスを受けることが重要です。

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・自動車事故の被害者を救済するため、自動車の所有者は、自賠責保険への加入を義務づけられています。
 しかし、以下の場合には、自賠責保険からの支払いを受けられません。
 ①ひき逃げ事故
 ②盗難車による事故
 ③自賠責保険が付保されていない自動車による事故
・これらの場合には、自賠責保険からの支払いを受けられませんが、被害者を救済すべき状況であることに違いはありません。
 そこで、これらの場合には、自動車損害賠償保障法に基づいて、政府が一定の損害を補償することになっています。この制度のことを「政府保障事業」と呼んでいます。
・支払の限度額は、以下のとおり、自賠責保険と同じです。
 ・傷害部分の限度額:120万円
 ・後遺障害部分の限度額:4000万円から75万円
 ・死亡部分の限度額:3000万円
・政府保障事業の請求は、どの保険会社・JA共済に対して行ってもよいことになっています。

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・脊髄は、脊柱の中を通っている長くて太い神経であり、脳とともに「中枢神経」と呼ばれています。
 脊髄が損傷してしまうと、脳から出された運動に関する指令が、身体の各部に伝わらなくなるため、運動機能障害が引き起こされます。また、身体各部で感知された情報を脳に伝えられなくなるため、感覚障害が生じます。
・脊髄損傷と一口に言っても、
  ①損傷が生じた位置(高位)
  ②損傷の程度(完全損傷か不完全損傷か)
によって、実際に現れる症状には違いがあります。
・脊髄損傷について、だいち法律事務所のコラム(キリン先生の交通事故講座)で詳しく解説しています。
 詳しい情報を確認したい場合は、こちらをご確認ください。

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・本来は支出する必要がなかったのに、交通事故の被害に遭ってしまったために支出しなければならなくなった費用のことです。
 例えば、治療費、交通費、介護費用、葬儀費用などがこれに該当します。
・積極損害と対比される用語に「消極損害」があります。

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・遷延性意識障害は、重篤な脳損傷を負ったことが原因となって、意識障害が継続したままとなり、意思疎通や身体動作が困難な状態になる障害です。
 遷延性意識障害と診断されるためには、脳損傷を受けた後、以下の6項目を満たす状態となり、ほとんど改善が見られないまま満3か月以上を経過したことが必要です。
   ① 自力移動不能
   ② 自力摂食不能
   ③ 糞尿失禁状態
   ④ 声は出しても意味のある発語は不能
   ⑤ 「目を開け」「手を握れ」などの簡単な命令には辛うじて応じることもあるが、それ以上の意思の疎通は不能
   ⑥ 眼球は辛うじて物を追っても認識はできない
・遷延性意識障害は、最重度の後遺障害であり、別表第一第1級1号が認定されます。
・遷延性意識障害について、だいち法律事務所のコラム(キリン先生の交通事故講座)で詳しく解説しています。
 詳しい情報を確認したい場合は、こちらをご確認ください。

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・交通事故によって被害者に生じた損害について、加害者の行為が原因となっているだけでなく、被害者の事情が影響している場合があります。
 このような場合に、加害者に全ての損害を賠償させることは不公平です。そこで、被害者が有していた事情が損害の発生・拡大に影響(寄与)した程度に応じて、賠償額を減額することがあります。この取扱を「素因減額」といい、被害者が有していた事情を「素因」といいます。
・「素因」には、①身体的素因と②心因的素因があります。
①身体的素因
 被害者が事故前から負っていた「疾患」が身体的素因に該当します。
 例えば、「事故による衝撃に加えて、事故前から存在していた椎間板ヘルニアが影響して、首や腰に後遺障害が残った場合」や、「事故前から脳梗塞を原因とする高次脳機能障害があったところに、さらに事故で脳外傷を負ったため、高次脳機能障害の症状が悪化した場合」などがあげられます。
 なお、「疾患」ではない単なる個人の身体的特徴(例えば「首が長い」など)は、身体的素因に該当しないとされており、素因減額の対象にはなりません。
②心理的素因
 被害者の特異な心理状態による損害の拡大が心理的素因に該当します。
 たとえば、「交通事故で負った怪我は軽症だったのに、著しく意欲を減退させて回復への努力を怠った結果、症状が悪化して治療期間が長期化した」、「症状が完全に消失することを強く希望した結果、治療期間が長期化した」などのがあげられます。
 この場合、被害者の心理的な要因によって通常発生する程度・範囲を超えて損害が拡大したことになるので、相当な範囲まで請求可能な金額を減額することになります。

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・交通事故によって被害者が死亡した場合、葬儀などに関連して支出した費用、すなわち「葬儀費用」が損害として認められます。
・ここでいう「葬儀費用」には、純粋な葬儀費(火葬・埋葬料、読経・法名料、お布施・供物料、その他葬儀業者に支払う費用)だけでなく、仏壇・仏具購入費、墓地・墓石購入費、四十九日忌までの法要費などが含まれます。
・香典返しは葬儀費用には含まれません。これは、受け取った香典を賠償額から差し引かない(損益相殺の対象にならない)ことの裏返しです。
・損害賠償の対象になるのは、上記の各費用の合計額ではありません。原則として150万円が上限額とされています。
 葬儀費用は、ご遺族の意向などによって高額化することが多く、その全てを加害者に負担させるのは相当ではないことから、一定の限度額を設けられています。

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・交通事故の被害者またはその相続人は、加害者(または保険会社)から、賠償金を受け取ることになります。
 ですが、交通事故によって生じた損害を補填するため、他の制度に基づく給付を受けていれば、その受領額を賠償金から差し引く処理を行う必要があります。この処理のことを「損益相殺」といいます。
 この「損益相殺」を行う目的は、被害者またはその相続人による「二重取り」を防ぐことにあります。
・損益相殺の対象となる給付には、主として以下のものがあります。
①労災保険から支払われる補償給付金
②健康保険から支払われる傷病手当金や高額療養費
③障害厚生年金、遺族厚生年金、障害基礎年金、遺族基礎年金
④支払済みの介護保険給付
・これに対し、以下の給付は、損益相殺の対象にはなりません。
①労災保険から支払われる特別支給金
②自動車事故対策機構(NASVA)から支払われる介護料
③生命保険金
④社会儀礼として相当な範囲内の見舞金

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・加害者が違法(不法)な行為によって他人に損害を与えた場合に、被害を受けた被害者に対して、加害者が損害を補償をするための賠償金を支払うことです。
・交通事故において、加害者は、違法な運転によって、被害者に損害を与えています。このため、加害者は、被害者に対して、損害を賠償する義務を負うことになります。
・賠償すべき「損害」は、大きく分けると、「積極損害」、「消極損害」、「精神損害(慰謝料)」に分類できます。

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・「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づく損害保険料率算出団体として設立された法人です。
・この機構の役割には、以下のものがあります。
①参考純率および基準料率の算出・提供
 保険会社などから収集したデータに基づいて、自動車保険・火災保険・傷害保険・介護費用保険の参考純率および自賠責保険・地震保険の基準料率を算出しています。また、算出された参考純率および基準料率を会員保険会社に提供しています。
②都道府県庁所在地などに自賠責損害調査事務所を設置し、中立的な機関として、自賠責保険の請求について、後遺障害等級の認定・支払金額の算定などの損害調査を行っています。
③参考純率および基準料率を算出するための保険データなどを収集し、さまざまな危険の分析・研究を行っています。

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  た行

・第三者(他人)の行為によって、被害者が怪我を負った場合、治療費の支払いに健康保険を適用することが多いと思います。
 健康保険を適用するときに、健康保険組合などに提出する必要がある書類の1つが「第三者行為による傷病届」です。
 交通事故で怪我を負った場合も、健康保険組合などに、この書類を提出する必要があります。
・「第三者行為による傷病届」を提出することによって、健康保険組合は、
 ・受傷の原因が第三者の行為にあること
 ・第三者を特定するための情報
などを把握します。
 これらの情報を把握することによって、健康保険組合は、後日、加害者に対して、給付した治療費を求償(請求)することになります。
 

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・業務中や通勤中に交通事故の被害に遭って怪我を負った場合、労災保険から治療費が支払われます。
 労災保険を適用して治療を受けるときに、労働基準監督署に提出する必要がある書類の1つが「第三者行為災害届」です。
・「第三者行為災害届」を提出することによって、労働基準監督署は、
 ・受傷の原因が第三者の行為にあること
 ・第三者を特定するための情報
などを把握します。
 これらの情報を把握することによって、労働基準監督署は、後日、加害者に対して、給付した治療費・休業補償などを求償(請求)します。
 

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・被害者の症状は、その症状を明らかにする方法によって、自覚症状と他覚的所見に分けられます。
 自覚症状とは、被害者が自覚して訴えている症状のことです。
 これに対し、他覚的所見とは、診察や検査によって客観的に存在が裏付けられる症状のことをいいます。
・他覚的所見には、XP(レントゲン)・CT・MRIなどの「画像所見」、神経伝導速度検査・反射などの「神経学的検査」、血液検査などがあります。
・他覚的所見には、被害者の恣意・意図・思い込みが介入しません。
 このため、他覚的所見は、自覚症状よりも信頼性が高いため、後遺障害の認定の場面で重視されています。

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・高次脳機能障害によってしばしば出現する症状の1つです。
・注意障害とは、必要な物事に意識を向けたり、重要な物事に意識を集中させることなどができなくなった状態を言います。
 注意障害は、以下のように細かく分けることができます。
 ①注意選択の障害
  いくつかある刺激の中から、特定の対象や課題だけにうまく注意を向けられない
 ②注意の持続・集中の障害
  注意を集中し続けることができない
 ③注意転導性の亢進
  注意が他へそれやすく、脱線して関係のない刺激へと引き込まれやすい
 ④注意転換の障害
  1つの刺激から他の刺激に適切に注意を切り替えられない
 ⑤注意分配の障害
  2つ以上の刺激に同時に注意を配っていることができない
・注意障害がある場合は、誤って器具を扱ったり、火を消し忘れて外出したり、外出の際に信号を見落とすなどの不注意な行動をとり、自分がけがをしたり、事故などの危険な状態を引き起こす可能性があります。
 このため、本人にどの程度までのことなら安全に1人で行えるかを理解し、1人で行う時はその範囲内で行動することを納得してもらう必要があります。本人に理解力が欠けていたり、納得が得られない場合には、見守りが必要になります。
 

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・損害賠償において計上される損害項目の中には、症状固定の時点では現実化しておらず、将来的に発生すると見込まれているものがあります。
 このような損害項目には、逸失利益、将来介護費などがあり、それぞれ症状固定から以下に記載した期間までに発生する損害を計上します。
 ①逸失利益
  就労可能期間の終期(多くの場合は67歳に達する時点)まで
 ②将来介護費
  簡易生命表による平均余命の終期まで
・将来的に発生する損害について、賠償を求める金額を計算する場合、「中間利息控除」を考慮する必要があります。
 損害賠償請求の手続では、将来に発生する損害であっても一括して賠償を受け取ります。この場合、賠償金を受け取ってから現実に損害が発生する時点までの運用益も得ることになります。この運用益は、被害者が被った実際の損害額を超える利益にあたるため、この運用益を控除するための計算が必要になるのです。この将来の運用益を控除する控除する取り扱いを「中間利息控除」と呼んでいます。
 

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・政府によって毎年実施されている賃金構造基本統計調査の結果に基づいて、労働者の性別・年齢・学歴などの要素に基づいて分類し、その平均収入額をまとめた統計のことです。
・交通事故における損害賠償請求では、被害者が以下に該当する場合、逸失利益の基礎収入として賃金センサスを利用しています。
 ①家事従事者
 ②児童・生徒・学生
 ③若年労働者(主に30歳未満)
・なお、家事従事者については、休業損害の基礎収入としても利用されています。

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・相手がとる対応などに対して「同意する」という意思を書面によって表示したものが同意書です。
・被害者やその家族が、保険会社から、同意書への署名押印を求められることが多いです。
 作成を求められる同意書の中で、最も多いのは、医療機関に対して提出するための同意書です。
 保険会社は、医療機関に対して治療費を支払う前提として、医療機関から、
 ①被害者に対して、どのような治療を行ったのか
 ②その治療に対する診療報酬の金額
などの提供を受ける必要があります。
ですが、これらの情報は、被害者のプライバシーに関する情報であり、医療機関が勝手に外部に開示することができません。
そこで、被害者やその家族が作成した同意書を提出することによって、医療機関からこれらの情報の開示を受けるのです。
・保険会社に同意書を提出すると、保険会社は被害者に関する情報を入手できるようになります。
被害者にとって、どんな情報が保険会社の手に渡るのかは重要な関心事です。ですから、どのような情報の開示に関する同意書なのかなど、十分に検討する必要があります。専門的な知識がなければ判断が難しいケースもあるため、同意書の提出に迷われた場合は、交通事故に詳しい弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。
 

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・検察庁や裁判所が保管している記録のコピーを入手することです。
・謄写を行うことが多いのは、主に以下の資料についてです。
 ①検察庁が保管する「不起訴記録」
 ②検察庁が保管する「確定記録」
 ③送付嘱託・調査嘱託によって、裁判所に届いた資料
 ④裁判所が作成した「期日調書」「尋問調書」
・事案を検討するために必要な資料を入手し、しっかり検討することが重要です。
 この謄写の手続も、必要な時に、確実に行う必要があります。

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・自動車保険契約が締結されている車両(自動車・バイク)が交通事故に遭い、その車両に乗っていた人(運転者を含む)が死亡したり、怪我を負った場合に、この搭乗者傷害保険を利用できます。
・保障の内容は、大きく分けて、医療(傷害)・後遺障害・死亡に分けられています。
①医療(傷害)
 交通事故後180日間の入院・通院の日数に応じて、約款で定められた一定金額が支払われます。
②後遺障害
 自賠責保険が認定した後遺障害等級に応じて、約款で定められた一定金額が支払われます。
③死亡
 契約で設定された限度額が支払われます。

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  な行

・「独立行政法人自動車事故対策機構」の英語表記である「National Agency for Automotive Safety & Victims' Aid」の略称です。国土交通省所管の独立行政法人であり、交通事故(自動車事故)の被害者に対する支援などを主要な業務としています。
・交通事故の被害者に大きく関係している業務には、以下の2つがあります。
①療護センターの運営
②介護料の支給
・療護センターは、自動車事故によって脳に損傷を負い、重度の後遺障害(主に遷延性意識障害)が残っている被害者を対象とし、この被害者に手厚い治療・看護・リハビリテーションを行うための専門の医療機関です。
 この療護センターは、国内4か所に設置されています。また、療護センターと同様の対応を行う施設とNASVA委託病床が国内7か所に設置されています。
・自動車事故によって、脳・脊髄・胸腹部臓器を損傷し、別表第一第1級もしくは同第2級に認定された被害者に対して、介護料の支給を行っています。重度の後遺障害を持つため、移動、食事及び排泄など日常生活動作について常時又は随時の介護が必要な状態の方に支給します。
なお、介護料の支給には、一定の制限があるので、必ず支給を受けられるわけではありません。

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・交通事故の被害に遭った被害者が入院している場合に、家族などが入院に付き添い、被害者の身の回りの世話などを行った場合に、賠償が認められる損害項目です。
・入院している被害者に付添をしたとしても、必ずしも認められるわけではないことに注意が必要です。
 つまり、入院付添費の賠償が認められるためには、「付添を実施する必要性」が認められる必要があります。
 この必要性は、被害者の年齢、怪我の内容や程度などを考慮して判断されることになります。
 被害者が幼児や小学生であれば、原則として付添の必要性が認められます。
 また、被害者が自分で身の回りのことをできる程度の状態であれば、「付添を実施する必要性」は認められません。

関連用語:付添看護費
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・自賠責保険は、法律によって車両の所有者に加入が義務づけられているため、「強制保険」と呼ばれることがあります。
 これに対し、損害保険会社が発売している自動車保険は、車両の所有者が加入・非加入を決めることができるため、「任意保険」と呼ばれています。
・自賠責保険は、物損は対象外になっています。また、人損であっても支払金額に限度額が設定されています。このため、自賠責保険による補償では、十分な賠償金を確保することは難しいことが多いです。
 自賠責保険では補償されない範囲を補償するため、損害保険会社は、自動車保険(任意保険)を販売しています。
 交通事故の被害者に対して十分な補償を行うため、車両の所有者には是非とも任意保険に加入して欲しいと思います。
・任意保険に加入する主な目的は、交通事故の加害者になった場合に生じる被害者に対する損害賠償責任を補填してもらうことです。
 しかし、任意保険は、契約者やその家族が交通事故の被害に遭った場合にも活用できます。このことに注目しておくべきです。
 交通事故の被害に遭った場合に利用できるのは、「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」「無保険車傷害保険」「弁護士費用特約」などです。これらのうちどの保険に加入しているのか、契約者の家族のうち誰が利用できるのかを確認しておくべきです。

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・交通事故の被害に遭ったときに、加害車両に頭部が当たったり、跳ね飛ばされて地面(路面)に頭部を打ち付けることがあります。この結果、頭部に大きな衝撃が加わり、脳組織に損傷が及んでしまうことを「脳外傷」といいます。正式な医学用語では「外傷性脳損傷」とよばれています。
・脳外傷の内容は、以下の2つに区別されています。
①局所性脳損傷
 脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫など
②びまん性脳損傷
 びまん性軸索損傷
 

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