交通医療研究会

機能評価①(総論)

2023.05.18

第1.機能評価の方法

1.Brunnstrom stage
中枢神経麻痺の運動パターンによる評価法。上肢、手指、下肢各々をStage1:完全麻痺からStage6:分離運動可能までの6段階に評価する。

2.(modified)Ashworth scale
筋緊張の亢進を他動運動での抵抗感で分類。筋緊張が亢進していない0から屈曲伸展の不可能な4までの5段階。Modifiedでは、12の間に1+がある。

3.Fugl-Meyer assessment
上肢運動機能66点、下肢運動機能34点、バランス14点、感覚24点、関節可動域・疼痛88点からなる脳卒中の総合評価。

4.Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)
麻痺側運動機能、筋緊張、感覚、関節可動域、疼痛、体幹機能、高次脳機能、非麻痺側機能からなる機能障害の総合評価。

5.脳卒中重症度スケール(JSS)
意識、言語、無視、視野、眼球運動、瞳孔、顔面麻痺、足底反射、感覚、運動の得点を統計的に算出された重み付けにより合計する評価法。

6.NIH stroke scale
意識、瞳孔反射、注視、視野、顔面神経、上肢運動、下肢運動、足底反射、失調、感覚、無視、構音、失語症を0点から24点で評価する。

7.Functional Independence Measure(FIM)
世界的に普及しているADL評価法。18項目各々を1(全介助)から7(自立)に採点し、合計点も算出する。13個の運動項目と5個の認知項目を分けて扱うこともある。

8.Barthel index
ADL10項目を24段階で採点し100点が完全自立となる(英国では20点満点)。各項目の自立の点数が異なることで項目の経験的な重み付けになっている。

第2.診療報酬(平成22年度改定)

1.算定の基準日数
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して個別療法であるリハビリテーションを行った場合に、当該基準に係る区分に従って、それぞれ発症、手術又は急性増悪から180日以内に限り所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める患者であって、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合その他の別に厚生労働大臣が定める場合には、180日を超えて所定点数を算定することができる。
注2 注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、それぞれ発症、手術又は急性増悪から30日に限り、早期リハビリテーション加算として、1単位につき45点を所定点数に加算する。
注3 注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者に対して、必要があってそれぞれ発症、手術又は急性増悪から180日を超えてリハビリテーションを行った場合は1月13単位に限り算定できるものとする。

2.対象患者
⑴ 脳血管疾患等リハビリテーション料のイに掲げる「ロ以外の場合」の対象となる患者は、特掲診療料の施設基準等別表第九の五に掲げる患者であって、以下のいずれかに該当するものをいい、医師が脳血管疾患等リハビリテーションが必要であると認めるものである。
㋐ 急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳外傷、脳炎、急性脳症(低酸素脳症等)、髄膜炎等のものをいう。
㋑ 急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者とは、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脳腫瘍摘出術などの開頭術後、てんかん重積発作等のものをいう。
㋒ 神経疾患とは、多発性神経炎(ギランバレー症候群等)、多発性硬化症、末梢神経障害(顔面神経麻痺等)等をいう。
㋓ 慢性の神経筋疾患とは、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、遺伝性運動感覚ニューロパチー、末梢神経障害、皮膚筋炎、多発性筋炎等をいう。
㋔ 失語症、失認及び失行症、高次脳機能障害の患者
㋕ 難聴や人工内耳埋込手術等に伴う聴覚・言語機能の障害を有する患者とは、音声障害、構音障害、言語発達障害、難聴に伴う聴覚・言語機能の障害又は人工内耳埋込手術等に伴う聴覚・言語機能の障害を持つ患者をいう。
㋖ リハビリテーションを要する状態であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力の低下及び日常生活能力の低下を来している患者とは、外科手術又は肺炎等の治療時の安静による廃用症候群、脳性麻痺等に伴う先天性の発達障害等の患者であって、治療開始時のFIM115以下、BI(=Barthel index)85以下の状態等のものをいう。
⑵ 脳血管疾患等リハビリテーション料のロに掲げる「廃用症候群の場合」の対象となる患者は、外科手術又は肺炎等の治療時の安静による廃用症候群の患者であって、治療開始時において、FIM115以下、BI(=Barthel index)85以下の状態等のものをいう。

3.急性増悪
急性増悪とは、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象となる疾患の増悪等により、1週間以内にFIM得点又はBIが10以上低下するような状態等に該当する場合をいう。

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