第1.モデル事業 | 1.高次脳機能障害支援モデル事業 2.モデル事業後の内容 3.モデル事業後の成果 ⑶ 高次脳機能障害標準的社会復帰・生活・介護支援プログラムの作成 4.モデル事業後の成果がわかる文献 |
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第2.モデル事業が策定した診断基準 | 1.モデル事業が策定した判断基準 なお、診断基準のⅠとⅢを満たす一方で、Ⅱの検査所見で脳の器質的病変の存在を明らかにできない症例については、慎重な評価により高次脳機能障害者として診断されることがあり得る。 * モデル事業の作業班の中島八十一氏は、「検査所見」について、「機器にはMRI、CT、脳波等と書かれているが、PETやSPECTであっても構わない」と述べている(「オーバービュー−モデル事業で高次脳機能障害へのアプローチはこう変わる」(JOURNAL OF CLINIAL REHABILITATION 2007年1月号 p14、「高次脳機能障害ハンドブック」p17) 2.自賠責保険の基準との差違 脳外傷において外傷直後の意識障害が6時間以上持続持続するケースでは、永続的な高次脳機能障害が残ることが多い。ここでいう意識障害の程度としては、昏睡~半昏睡で、刺激により開眼しない程度(JCSが3桁、GCSが8点以下)が目安となる。また、健忘症~軽症意識障害(JCSが2~1桁、GCSが13~14点)が1週間程続いても、高次脳機能障害を残すことがある(以上、同報告書p3)。 平成19年2月2日付け報告書(「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について」)では、次のように述べられている。 当委員会の判断としては、現在臨床において一般的に実施されているCT、MRI等の検査において外傷の存在を裏付ける異常所見がなく、かつ、相当程度の意識障害の存在も確認できない事例について、脳外傷による高次脳機能障害の存在を確認する信頼性のある手法があると結論するには至らなかった。従って、当面、従前のような画像検査の所見や意識障害の状態に着目して外傷による高次脳機能障害の有無を判定する手法を継続すべきこととなる(以上、同報告書p11)。 *労災については、「MRI、CT等によりその存在が認められることが必要」とされているのみで(労災認定必携p140)、意識障害の存在の有無については特に触れられていないようです。 【発表者のコメント】 ①MRI及びCTについては、引き続き有効な資料であることを確認した。 ②PETによる脳機能検査所見を、因果関係の有無や障害程度判断の根拠とするには、検査手法としてなお一層の確立を待つことが穏当と整理した。 ③MRS(陽電子磁器共鳴スペクトロスコピー)、拡散テンソルMRI、NIRSによる脳血流評価などの検査手段についてもなお一層の検査法としての確立を待つことが穏当と整理した。(以上、同報告書p12~13) 【発表者のコメント】 |
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第3.自立支援法のもとでの高次脳機能障害 | 1.自立支援法と高次脳機能障害 2.発表者が担当した被害者の例 *平成18年3月以前は、児童福祉法の下で、同種類・同時間のサービスを自己負担額なしで受けていた(平成18年4月以降は1割負担) ⑵ ケース2 30代男性 *平成18年3月以前は、精神障害者福祉法の下で、家事援助週6回、1回2時間、身体介護週1回、1回4時間の限度でサービスを自己負担額なしで受けていた(平成18年4月以降は1割負担)。 ⑶ ケース3 20代男性 *平成18年12月以前は、公的な介護給付サービスが全く受けられず、全て自費で利用していた。 |
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