解決事例

死亡事故 Cases4

2020.08.01

死亡事故
解決:令和2年8月示談 大阪エリア

【事案の概要】
被害者は、長距離バスの運転手でした。
高速道路を進行中、車両に異常が生じたため、路肩に停車し、車外に出て異常箇所を点検していたところ、後方から進行してきたトラックが追突し、バスの車体と擁壁に挟まれて死亡しました。
被害者には、相続人がいましたが、同居していた女性がいました。この女性からのご依頼を受け、内縁関係が成立していることを前提として、加害者に対する損害賠償請求の対応に当たりました。

法律関係の整理 1相続人と女性との関係

被害者には、相続人が存在しました。このため、被害者が死亡したことによって生じた損害賠償請求権は、相続人が相続することになります。これに対し、内縁の妻は、相続権がないため、損害賠償請求権を相続によって所得することはできません。
また、内縁関係が設立していれば、内宴の妻は、慰謝料や被扶養利益侵害の逸失利益を請求できますが、内縁の妻が存在しているからといって、被害者の死亡によって発生した損害の金額が増えるわけではありません。相続人と内縁の妻は、被害者の死亡によって生じた損害賠償請求権を『分け合う関係』にあります。
このため、相続人にとっては、被害者と女性との内縁関係が否定される、すなわち、女性が「内縁の妻ではない」と認定された方が受け取れる賠償金の額が多くなります。
相続人と内縁の妻との法的利益は相反しているため、争いが生じやすい関係にあるのです。
2加害者と女性との関係
既に述べたとおり、相続人の他に内縁の妻が存在していたとしても、相続人と内縁の妻が損害賠償の請求権を分け合うだけであり、加害者が負担すべき賠償金の額が増えるわけではありません。
ですが、女性が内縁の妻と認定された場合、加害者は、相続人だけでなく、女性に対しても賠償金を支払う必要があります。内縁の妻を除外し、相続人に対してだけ賠償金を支払っても、損害賠償の問題が終局的に解決しないため、再び紛争に巻き込まれる可能性が残ってしまいます。
このため、加害者の立場からは、相続人だけでなく、内縁関係を主張する女性との間でも、一体的に賠償の問題を解決しておく必要があるのです。

受任後の対応 1詳細な事情の確認
本事案では、女性と被害者との間に内縁関係が成立していたと認められなければ、慰謝料、被扶養利益侵害の逸失利益の請求が認められません。
このため、ご依頼を頂いた後、打合せを重ね、交際の開始から被害者が死亡するまでの経過、将来的な入籍の予定などを詳しく確認するなどして、内縁関係が成立していたことの根拠となる事情を洗い出しました。
2他の手続き(社会保険・労災保険)の先行
損害賠償請求の手続において「内縁関係の成立」が争われる可能性がありました。この時に、女性が内縁の妻であると認定される可能性を高めておくため、損害賠償の手続以外で、「内縁関係の成立」が請求の要件となっている請求手続を先行しました。具体的には、
社会保険に対する死亡一時金の請求手続
労災保険に対する遺族年金の請求手続
です。
これらの手続において、女性が内縁の妻であると認定され、支給を受けられれば、損害賠償請求の手続においても有力な裏付けとなるためです。
幸い、これらの手続において、女性が内縁の妻であると認定され、支給を受けることができました。
3相続人との協議
社会保険・労災保険の手続において、女性が内縁の妻であると認定された後、その事実を相続人側に伝えるとともに、女性が内縁の妻であることを前提として協力関係を結びたい旨を申し入れました。
慎重に協議を重ねた結果、相続人の側も、女性が内縁の妻であることを前提として損害賠償の問題を解決することを受け入れました。
解決の内容 最終的に、女性は、内縁の妻であることを前提として、賠償金1000万円を受け取ることができました。
弁護士のコメント 同居を開始してから1年未満しか経過していませんでしたが、内縁関係の成立を認めてもらうことができました。やはり、社会保険と労災保険において、女性が内縁の妻と認められた事実は、こちらの主張に大きな説得力をもたらしました。
内縁関係の存在を前提として、受け取れる賠償金の額をできる限り多くするため、被害者と女性との生活実態などの事情を詳細に主張しました。この結果、内縁関係にあった期間からすれば、かなり多額の賠償金を受け取ることができたと思います。
慎重な対応がうまく結果に繋がった事案だったと思います。
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