だいち法律事務所

  脊髄損傷

 

脊髄損傷

Spinal cord injury
Ⅰ.脊髄損傷(せきずいそんしょう) 

脊髄は、背骨(脊柱)の中を通っている長くて太い神経であり、中枢神経の一つです。一番上で脳と繋がっており、脳から出される信号を身体の各部に通じる末梢神経に中継するという重要な役割を有しています。交通事故によって脊髄が損傷してしまうと、脳から出された信号が、損傷した部位から先に伝わらなくなるため、身体を動かせなくなるのです。

脊髄損傷は、その障害の部位によって、以下のとおり、さらに分類されています。

⑴頚髄損傷(けいずいそんしょう)

頚髄損傷とは、頚部にある脊髄が損傷したことを言います。

この部分が損傷すると、頚部から下の運動機能が障害され、体幹や両下肢の麻痺が生じてしまいます。また、両上肢の運動機能にも障害が生じますが、損傷が生じた部位の僅かな違いによって、両上肢の障害の程度が異なります。脳に近い部位が損傷すると、両上肢にも重大な障害が現れます。これに対し、脳から遠い部位が損傷した場合には、両手指の機能は大きく障害されますが、腕の部分を動かすことはできるため、短距離であれば、掌で押して、車イスを操作することができます。

⑵胸腰髄損傷(きょうずいそんしょう)

胸腰髄損傷とは、胸部や腰部にある脊髄が損傷したことを言います。

損傷した部位によって運動機能が障害される範囲は異なってきますが、両上肢を動かすことは可能ですので、車イスを操作して移動することは可能です。また、食事を摂ったり、カテーテルを用いて排尿することも可能であり、頚髄損傷と比べれば、自分でできることの範囲は広いです。

Ⅰ.脊髄損傷(せきずいそんしょう) 

脊髄は、背骨(脊柱)の中を通っている長くて太い神経であり、中枢神経の一つです。一番上で脳と繋がっており、脳から出される信号を身体の各部に通じる末梢神経に中継するという重要な役割を有しています。交通事故によって脊髄が損傷してしまうと、脳から出された信号が、損傷した部位から先に伝わらなくなるため、身体を動かせなくなるのです。

脊髄損傷は、その障害の部位によって、以下のとおりさらに分類されています。

⑴ 頚髄損傷(けいずいそんしょう)

 頚髄損傷とは、頚部にある脊髄が損傷したことを言います。

 この部分が損傷すると、頚部から下の運動機能が障害され、体幹や両下肢の麻痺が生じてしまいます。また、両上肢の運動機能にも障害が生じますが、損傷が生じた部位の僅かな違いによって、両上肢の障害の程度が異なります。脳に近い部位が損傷すると、両上肢にも重大な障害が現れます。これに対し、脳から遠い部位が損傷した場合には、両手指の機能は大きく障害されますが、腕の部分を動かすことはできるため、短距離であれば、掌で押して、車イスを操作することができます。

⑵ 胸腰髄損傷(きょうずいそんしょう)

 胸腰髄損傷とは、胸部や腰部にある脊髄が損傷したことを言います。

 損傷した部位によって運動機能が障害される範囲は異なってきますが、両上肢を動かすことは可能ですので、車イスを操作して移動することは可能です。また、食事を摂ったり、カテーテルを用いて排尿することも可能であり、頚髄損傷と比べれば、自分でできることの範囲は広いです。

Ⅱ.脊髄損傷における対応の流れ

1加害者の刑事手続

被害者は、重篤なケガを負った結果、事故時の正確な記憶を失っていることが多いです。このため、被害者は、事故状況を正確に説明できません。結果的に、事故現場の痕跡や加害者の供述などによって事故態様が確定されることになります。交通事故の発生状況などについて、真実を把握するためには、捜査機関と緊密に連絡を取るなどの対応が必要です。

また、加害者が起訴(公判請求)された場合には、被害者参加制度を利用して刑事裁判に関与することで、詳細な事情を把握したり、処罰感情を処罰に反映させることができます。

交通事故が発生した後、早期にご依頼を頂ければ、捜査機関との連絡、被害者参加制度の利用などをサポートすることが可能です。刑事手続に関する細かい対応は弁護士に任せておき、ご家族は、被害者の看護などに専念できる状況を整えることをお勧めいたします。

 

2被害者の治療

被害者が脊髄損傷になった場合、症状を安定させるための治療や十分なリハビリテーションを行うため、長期間の入院加療が必要となることが多いです。重篤なケガを負っているので、当初の入院先は救急病院であることが多いですが、2~3か月程度で転院を求められることが多いようです。近隣の病院に転院しても、3か月程度で再転院を求められることが多く、その後も転院を繰り返すことになります。

転院先を探すことは、ご家族にとって大きな負担です。また、脊髄損傷の患者にとっても、病院間の移動や環境の変化は大きな負担になります。

しかし、脊髄損傷では、遷延性意識障害とは異なり、療護センターや委託病床のように長期の入院ができる医療機関がありません。

転院の繰り返しを避けるには、自宅での生活に戻るしかないのが現状です。

3症状固定

「症状固定」とは、加害者に対する損害賠償請求の手続を進めるため、治療に「区切り」をつけることです。

なお、なお、この「区切り」は、概念的なものであり、症状固定となったからといって治療を打ち切る必要はありません。脊髄損傷の患者は、生命や体調を維持するため、生涯にわたって治療を続ける必要があることが殆どです。治療を続けながら、損害賠償の手続を始めるための「区切り」だとご理解ください。

⑴時期

脊髄損傷の場合、受傷から6か月が経過すれば、症状固定の診断を受けられる状態になることが多いです。しかし、状態の安定を確認するため、多くの場合、1年は様子をみていると思います。

⑵症状固定と診断される効果

症状固定の診断がなされれば、損害賠償の手続を始めることになります。まず、自賠責保険金の請求手続を行います。後遺障害等級の認定を受け、等級に応じた自賠責保険金の支払を受けるのです。

注意が必要なのは、症状固定の診断を受けると、それまで保険会社から支払われていた治療費や休業補償などがストップすることです。症状固定から自賠責保険金の入金までには数か月かかるため、この間の必要資金を用立てておく必要があります。
 

4損害賠償請求の手続

⑴自賠責保険の請求

症状固定の診断を受けた後、まず、自賠責保険金の請求手続を行います。この手続には、加害者の任意保険会社を通じて行う方法(事前認定)もありますが、お勧めできません。被害者が自賠責保険会社に請求の手続をとるべきです(被害者請求)。

脊髄損傷を負った被害者の場合、その症状の程度によって認定される後遺障害等級が変わってきます。最重度である頚髄損傷となった被害者の場合、通常、1級と認定され、自賠責保険金として4000万円が支払われることになります。それ以外の場合は、症状の程度によって、2~9級が認定されます。

受け取った自賠責保険金の中から、被害者が自宅で生活するために必要な、自宅改造費、介護器具(ベッド、車いす、リフトなど)の購入費、介護仕様車の購入費などに充てることになります。

⑵賠償に向けての準備

脊髄損傷では、被害者には、主に、以下に記載した項目の損害が生じます。これ以外にも、事案によって計上できる損害項目がありますので、ご相談ください。

・治療費

・付添看護費

・休業損害

・逸失利益

・将来介護費

・自宅改造費

・介護器具(ベッド、車いす、リフトなど)
 の購入費

・介護仕様車の購入費

・慰謝料

損害賠償の手続を開始するためには、これらの損害項目について、根拠となる資料を整えるなどの準備をしておきます。

脊髄損傷の場合、日常生活において介護を受ける必要があることが多いです。そして、賠償金の中で、この介護に関する費用が、とても大きな部分を占めることになります。そこで、将来介護費について説明しておきたいと思います。

①介護の計画

損害賠償請求の手続を始める時点で、しっかりとした介護の計画を立てておき、できれば実際に介護を始めておくべきです。

介護についての重要なポイントは、

[被害者の生活の場所]
 自宅か、施設か

[主な介護の担い手]
 近親者が介護するか、介護サービスを利用するか

の選択にあります。

これらのポイントをどう選択するかによって、認められる将来介護費の金額が大きく変わってきます。

②必要な介護の内容

脊髄損傷を負った被害者は、症状によって違いはありますが、日常生活において介護が必要になることが多いです。

具体的な介護の内容、手順、大変さなどを書面にまとめておくと、損害賠償の手続を行うときに効果的です。

③賠償の前提となる介護費の金額

被害者を介護する場合、通常、介護保険法や障害者総合支援法に基づいた福祉制度を利用することになります。この場合、自己負担額は10%であり、所得額によってはもっと少ない金額で介護サービスを利用可能です。

但し、損害賠償の請求をする際は、福祉制度の利用を前提とせずに(=10割負担をした前提で)、将来介護費の額を計算します。

⑶手続の選択

自賠責保険金は、被害者が負った損害の一部分の先払いとお考えください。残りの損害額は、別途、請求することになります。この請求をするための手続には、大きく分けて、【示談】と【裁判】の2つがあります。

脊髄損傷の事案では、一般的に、裁判による解決をお勧めすることがほとんどです。しかし、個々の事案ごとの事情に応じて、メリットとデメリットを慎重に考慮し、示談で解決する場合もあります。

【示談】と【裁判】のどちらを選択すべきかは、弁護士にご相談いただき、そのアドバイスを考慮して決めて頂きたいと思います。

 

Ⅱ.脊髄損傷における対応の流れ

1 加害者の刑事手続

 被害者は、重篤なケガを負った結果、事故時の正確な記憶を失っていることが多いです。このため、被害者は、事故状況を正確に説明できません。結果的に、事故現場の痕跡や加害者の供述などによって事故態様が確定されることになります。交通事故の発生状況などについて、真実を把握するためには、捜査機関と緊密に連絡を取るなどの対応が必要です。

 また、加害者が起訴(公判請求)された場合には、被害者参加制度を利用して刑事裁判に関与することで、詳細な事情を把握したり、処罰感情を処罰に反映させることができます。

 交通事故が発生した後、早期にご依頼を頂ければ、捜査機関との連絡、被害者参加制度の利用などをサポートすることが可能です。刑事手続に関する細かい対応は弁護士に任せておき、ご家族は、被害者の看護などに専念できる状況を整えることをお勧めいたします。

 

2 被害者の治療

 被害者が脊髄損傷になった場合、症状を安定させるための治療や十分なリハビリテーションを行うため、長期間の入院加療が必要となることが多いです。重篤なケガを負っているので、当初の入院先は救急病院であることが多いですが、2~3か月程度で転院を求められることが多いようです。近隣の病院に転院しても、3か月程度で再転院を求められることが多く、その後も転院を繰り返すことになります。

 転院先を探すことは、ご家族にとって大きな負担です。また、脊髄損傷の患者にとっても、病院間の移動や環境の変化は大きな負担になります。

 しかし、脊髄損傷では、遷延性意識障害とは異なり、療護センターや委託病床のように長期の入院ができる医療機関がありません。

 転院の繰り返しを避けるには、自宅での生活に戻るしかないのが現状です。

3 症状固定

 「症状固定」とは、加害者に対する損害賠償請求の手続を進めるため、治療に「区切り」をつけることです。

 なお、なお、この「区切り」は、概念的なものであり、症状固定となったからといって治療を打ち切る必要はありません。脊髄損傷の患者は、生命や体調を維持するため、生涯にわたって治療を続ける必要があることが殆どです。治療を続けながら、損害賠償の手続を始めるための「区切り」だとご理解ください。

⑴ 時期

 脊髄損傷の場合、受傷から6か月が経過すれば、症状固定の診断を受けられる状態になることが多いです。しかし、状態の安定を確認するため、多くの場合、1年は様子をみていると思います。

⑵ 症状固定と診断される効果

 症状固定の診断がなされれば、損害賠償の手続を始めることになります。まず、自賠責保険金の請求手続を行います。後遺障害等級の認定を受け、等級に応じた自賠責保険金の支払を受けるのです。

 注意が必要なのは、症状固定の診断を受けると、それまで保険会社から支払われていた治療費や休業補償などがストップすることです。症状固定から自賠責保険金の入金までには数か月かかるため、この間の必要資金を用立てておく必要があります。

 

4 損害賠償請求の手続

⑴ 自賠責保険の請求

 症状固定の診断を受けた後、まず、自賠責保険金の請求手続を行います。この手続には、加害者の任意保険会社を通じて行う方法(事前認定)もありますが、お勧めできません。被害者が自賠責保険会社に請求の手続をとるべきです(被害者請求)。

 脊髄損傷を負った被害者の場合、その症状の程度によって認定される後遺障害等級が変わってきます。最重度である頚髄損傷となった被害者の場合、通常、1級と認定され、自賠責保険金として4000万円が支払われることになります。それ以外の場合は、症状の程度によって、2~9級が認定されます。

 受け取った自賠責保険金の中から、被害者が自宅で生活するために必要な、自宅改造費、介護器具(ベッド、車いす、リフトなど)の購入費、介護仕様車の購入費などに充てることになります。

⑵ 賠償に向けての準備

 脊髄損傷では、被害者には、主に、以下に記載した項目の損害が生じます。これ以外にも、事案によって計上できる損害項目がありますので、ご相談ください。

   ・治療費

   ・付添看護費

   ・休業損害

   ・逸失利益

   ・将来介護費

   ・自宅改造費

   ・介護器具(ベッド、車いす、リフトなど)の購入費

   ・介護仕様車の購入費

   ・慰謝料

 損害賠償の手続を開始するためには、これらの損害項目について、根拠となる資料を整えるなどの準備をしておきます。

 脊髄損傷の場合、日常生活において介護を受ける必要があることが多いです。そして、賠償金の中で、この介護に関する費用が、とても大きな部分を占めることになります。そこで、将来介護費について説明しておきたいと思います。

① 介護の計画

 損害賠償請求の手続を始める時点で、しっかりとした介護の計画を立てておき、できれば実際に介護を始めておくべきです。

 介護についての重要なポイントは、

   ・被害者の生活の場所   自宅か、施設か

   ・主な介護の担い手    近親者が介護するか、介護サービスを利用するか

の選択にあります。

 これらのポイントをどう選択するかによって、認められる将来介護費の金額が大きく変わってきます。

② 必要な介護の内容

 脊髄損傷を負った被害者は、症状によって違いはありますが、日常生活において介護が必要になることが多いです。

 具体的な介護の内容、手順、大変さなどを書面にまとめておくと、損害賠償の手続を行うときに効果的です。

③ 賠償の前提となる介護費の金額

 被害者を介護する場合、通常、介護保険法や障害者総合支援法に基づいた福祉制度を利用することになります。この場合、自己負担額は10%であり、所得額によってはもっと少ない金額で介護サービスを利用可能です。

 但し、損害賠償の請求をする際は、福祉制度の利用を前提とせずに(=10割負担をした前提で)、将来介護費の額を計算します。

⑶ 手続の選択

 自賠責保険金は、被害者が負った損害の一部分の先払いとお考えください。残りの損害額は、別途、請求することになります。この請求をするための手続には、大きく分けて、【示談】と【裁判】の2つがあります。

 脊髄損傷の事案では、一般的に、裁判による解決をお勧めすることがほとんどです。しかし、個々の事案ごとの事情に応じて、メリットとデメリットを慎重に考慮し、示談で解決する場合もあります。

 【示談】と【裁判】のどちらを選択すべきかは、弁護士にご相談いただき、そのアドバイスを考慮して決めて頂きたいと思います。

 

Ⅲ.まとめ

だいち法律事務所では、脊髄損傷の事案を含め、重度の後遺障害を負われた被害者からのご依頼を多くいただいてきました。

ご依頼を頂けば、被害者やそのご家族が、生涯にわたって経済的な不安を感じなくて済むように、できる限り多くの賠償金の支払を受けられるように努めています。経済的な不安がなければ、ご家族は、被害者の介護などに集中できます。また、十分な賠償金を受け取れれば、手厚い介護サービスを利用できるようになり、ご家族が仕事に復帰したり、休息したりする時間を確保できます。

十分な賠償金を受け取ることで、被害者だけでなく、そのご家族の生活も安定させることが、私たちの最終的な目標です。

Ⅲ.まとめ

だいち法律事務所では、脊髄損傷の事案を含め、重度の後遺障害を負われた被害者からのご依頼を多くいただいてきました。

ご依頼を頂けば、被害者やそのご家族が、生涯にわたって経済的な不安を感じなくて済むように、できる限り多くの賠償金の支払を受けられるように努めています。経済的な不安がなければ、ご家族は、被害者の介護などに集中できます。また、十分な賠償金を受け取れれば、手厚い介護サービスを利用できるようになり、ご家族が仕事に復帰したり、休息したりする時間を確保できます。

十分な賠償金を受け取ることで、被害者だけでなく、そのご家族の生活も安定させることが、私たちの最終的な目標です。

Ⅳ.当事務所の解決例

だいち法律事務所が取り扱った脊髄損傷案件に関する判例・解決例を紹介します

Ⅳ.脊髄損傷事案の当事務所の解決例

だいち法律事務所が取り扱った案件に関する判例・解決例を紹介します

【事案の概要】
被害者は、運転していた車を自宅前のガレージに駐車させようとして後退していたところ、自宅前の道路を走行してきた車に衝突されました。
この事故によって、被害者は、C6~T1の『脊髄損傷』などの傷害を負い、両上肢の手指の運動機能障害、体幹から両下肢の運動麻痺などの重篤な後遺障害を残しました。
被害者は、最初、別の弁護士に依頼しており、地裁に訴訟を起こしていました。しかし、地裁の判決では、被害者に70%もの過失があると認定された上、将来介護費などの損害に関する主張・立証が不十分だったため、既払金だけで支払済と判断され、請求が棄却されてしまいました。つまり、既に受け取っていた自賠責保険金など以外には支払を受けられないことになりました。

【後遺障害等級】
この事案において、被害者は、『脊髄損傷』によって両上肢の手指の運動機能障害、体幹から両下肢の運動麻痺などの重篤な後遺障害を負ったため、
  別表第一第1級1号
と認定されました。

【裁判の争点】
被害者は、地裁の判決が不服だったため、高裁に控訴しました。そして、それまで依頼していた弁護士との委任関係を解消しました。
当事務所は、被害者から依頼を受け、控訴審の対応に当たることになりました。
控訴審における争点は、多岐にわたりましたが、主な争点は、
・過失割合
・将来介護費の額
・介護器具の購入費
などでした。

【控訴審での対応】
1資料の検討
被害者からご依頼を受けた後、すぐに地裁で原告が提出した主張・証拠の内容、判決の内容などを検討しました。その結果、地裁が請求棄却の判決を出した原因は、
①各損害項目における主張・立証が明らかに不十分であったこと
②過失割合について積極的な立証を欠いていたこと
にあると判断しました。
2資料の収集など
まず、損害に関する資料を新たに収集し直しました。新たに集めた証拠に基づいて、地裁段階での請求内容を全面的に見直し、請求額を大幅に増額しました。
また、過失割合に関する主張・立証を大々的に補強する必要があることが明らかでした。このため、実際に事故現場に行って、ビデオ撮影、写真撮影、計測などを行いました。また、工学鑑定の専門家に意見書の作成を依頼しました。
 
【結果】
高裁は、個々の損害項目の認定額を大幅に増額するとともに、過失割合に関する地裁の判断を逆転させました。
このため、地裁では請求棄却の判決でしたが、高裁では既払金を除いて1億円の支払いを受けるという内容で和解を成立させることができました。
 
【弁護士のコメント】
本件は、控訴審(高裁)の段階になってから受任しました。
控訴審では、計画的かつ迅速な審理を求められます。これに対応するため、短い期間で、資料の検討、方針の決定、証拠の収集などを行う必要がありました。しかも、地裁の判決が被害者にとって非常に厳しい内容でしたので、地裁の判断を変更させるためには、高裁の裁判官に対し、結論の変更が必要と認識させるだけの説得力のある主張・立証が必要でした。
このため、特に、過失割合に関する主張・立証は、大々的に補強しました。事故現場に行って、ビデオ撮影、写真撮影、計測などを行って証拠を収集しました。また、工学鑑定の専門家に意見書の作成を依頼し、専門家の観点からも正しい事故態様を明らかにしました。
結果として、控訴審で大きく結論が変わったので、効果的な活動ができたのだと自負しています。 
被害者とそのご家族は、地裁の判決により、生活への不安を強く感じていました。
控訴審の結果、地裁の判断が見直され、既払金を除いて1億円の賠償金を受け取れたため、被害者とそのご家族にはご満足いただけました。
 

【事案の概要】
被害者は、バイクに乗って交差点を直進しようとしたところ、同じ交差点を右折してきた自動車と衝突しました。

この事故によって、被害者は、頚髄損傷などの怪我を負いました。この頚髄損傷によって、被害者は、四肢の運動障害・感覚障害、排尿排便障害麻痺となり、身の回りの動作に常に他人の介護が必要な状態になってしまいました。

【受任後の対応】
被害者から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。
被害者とご家族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。
刑事裁判では、加害者に対して被告人質問を行うなどして、事故状況の詳細を明らかにしたり、事故後の対応の意図や反省の有無を問い質しました。 
 
【後遺障害等級】
被害者は、『脊髄損傷』によって四肢麻痺という重篤な後遺障害を負ったため、
  別表第一第1級1号
と認定されました。
 
【裁判の争点】
自賠責保険によって後遺障害等級が認定された後、訴訟を提起しました。重篤な後遺障害を負っていたこと、被害者が過失割合に強いこだわりを持っていたことなどの事情から訴訟による解決を選択しました。
訴訟における争点は、多岐にわたりましたが、主な争点は、
・将来介護費の金額
・自宅を新築する必要性
・過失割合
でした。
 
 【裁判所の認定】
1将来介護費
被害者は、重篤な後遺障害を負ったため、全ての日常生活に介護が必要な状態になっていました。
近親者だけでは、どんなに頑張っても全ての介護を担うことは難しく、もし全ての介護を近親者だけで行おうとすれば、近親者に過度の負担が集中し、短期間で介護を継続できなくなることが見込まれました。
このため、被害者は、介護サービスを利用していました。
また、近親者がヘルパーの資格を有していたこと、介護サービスを利用したとしても近親者の負担が大きいことなどの事情も強く主張しました。
この様な事情を主張した結果、裁判所は、職業介護人の介護費として1日2万円、近親者の介護費として1日1万円の将来介護費を認定しました。介護サービスを利用する週5日については合計3万円もの高額な将来介護費が認められたのです。 
2自宅を新築する必要性
事故前から被害者が居住していた自宅は、親族から賃借していた物件でした。この自宅は、傾斜地に建てられていたため、道路と自宅敷地に大きな段差があり、車いすで出入りすることが困難でした。また、自宅の内部にも段差が多くありましたが、賃借物件だったことから、大幅なバリアフリー化は困難でした。
このため、新たに土地を購入し、車いすでの生活に適したバリアフリーの自宅を建築しました。
被告は、新築の必要性を争いましたが、裁判所は、新築の必要性を肯定し、新築費用のうち630万円を認めてくれました。
3過失割合
被告(保険会社)は、被害者に25%の過失があると主張しました。
当然、被害者は、ここまで大きな過失があると主張されることを承服できず、被害者の過失がより少ないと主張しました。
この結果、裁判所は、被害者の過失は15%であると認定しました。
 
【弁護士のコメント】
この事案では、事故直後の早い段階からご依頼を頂きました。このため、刑事裁判への対応から、損害賠償請求事件の解決まで、交通事故において生じる全ての段階における法的対応に当たらせていただきました。 
1刑事手続
検察庁と裁判所に対し、ご家族が厳罰を望んでられることを明確に伝えました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、できるかぎり多くの記録(資料)を入手して検討を加え、公判廷で実施された被告人質問において、事故前後の状況、事故態様などについて質問し、事実を明らかにしました。
この対応をしたことが、後々の民事裁判における過失相殺の主張に役立ちました。 
2損害賠償請求手続
被害者が重篤な後遺障害を負っていたこと、被害者やご家族が過失割合に強いこだわりを持っていたことなどの事情から訴訟による解決を選択しました。
訴訟では、過失相殺について主張したことは勿論ですが、十分な将来介護費を認めてもらうため、綿密な主張と立証を行いました。この結果、裁判所に、介護サービスを利用する週5日については合計3万円もの将来介護費を認めてもらうことができました。
高額な将来介護費などを認定してもらうことができ、被害者にも、ご家族にも、ご満足頂ける結果を得ることができたと思います。 
3自動車事故対策機構(NASVA)への介護料請求
別表第一第1級1号に認定されれば、自動車事故対策機構から介護料の支給を受けることができます。
この情報を被害者とご家族に伝え、請求手続を代行しました。
この介護料制度は、一般にはあまり知られていません。制度の存在を伝え、手続も代行することで、少しでも被害者とそのご家族の生活を安定させたいと考えました。

【事案の概要】
被害者は、運転していた車を自宅前のガレージに駐車させようとして後退していたところ、自宅前の道路を走行してきた車に衝突されました。
この事故によって、被害者は、C6~T1の『脊髄損傷』などの傷害を負い、両上肢の手指の運動機能障害、体幹から両下肢の運動麻痺などの重篤な後遺障害を残しました。
被害者は、最初、別の弁護士に依頼しており、地裁に訴訟を起こしていました。しかし、地裁の判決では、被害者に70%もの過失があると認定された上、将来介護費などの損害に関する主張・立証が不十分だったため、既払金だけで支払済と判断され、請求が棄却されてしまいました。つまり、既に受け取っていた自賠責保険金など以外には支払を受けられないことになりました。

【後遺障害等級】
この事案において、被害者は、『脊髄損傷』によって両上肢の手指の運動機能障害、体幹から両下肢の運動麻痺などの重篤な後遺障害を負ったため、
    別表第一第1級1号
と認定されました。

【裁判の争点】

被害者は、地裁の判決が不服だったため、高裁に控訴しました。そして、それまで依頼していた弁護士との委任関係を解消しました。
当事務所は、被害者から依頼を受け、控訴審の対応に当たることになりました。
控訴審における争点は、多岐にわたりましたが、主な争点は、
  ・ 過失割合
  ・ 将来介護費の額
  ・ 介護器具の購入費
などでした。

【控訴審での対応】
1 資料の検討
被害者からご依頼を受けた後、すぐに地裁で原告が提出した主張・証拠の内容、判決の内容などを検討しました。その結果、地裁が請求棄却の判決を出した原因は、
   ① 各損害項目における主張・立証が明らかに不十分であったこと
   ② 過失割合について積極的な立証を欠いていたこと
にあると判断しました。
2 資料の収集など
まず、損害に関する資料を新たに収集し直しました。新たに集めた証拠に基づいて、地裁段階での請求内容を全面的に見直し、請求額を大幅に増額しました。
また、過失割合に関する主張・立証を大々的に補強する必要があることが明らかでした。このため、実際に事故現場に行って、ビデオ撮影、写真撮影、計測などを行いました。また、工学鑑定の専門家に意見書の作成を依頼しました。
 
【結果】
高裁は、個々の損害項目の認定額を大幅に増額するとともに、過失割合に関する地裁の判断を逆転させました。
このため、地裁では請求棄却の判決でしたが、高裁では既払金を除いて1億円の支払いを受けるという内容で和解を成立させることができました。
 
【弁護士のコメント】
本件は、控訴審(高裁)の段階になってから受任しました。
控訴審では、計画的かつ迅速な審理を求められます。これに対応するため、短い期間で、資料の検討、方針の決定、証拠の収集などを行う必要がありました。しかも、地裁の判決が被害者にとって非常に厳しい内容でしたので、地裁の判断を変更させるためには、高裁の裁判官に対し、結論の変更が必要と認識させるだけの説得力のある主張・立証が必要でした。
このため、特に、過失割合に関する主張・立証は、大々的に補強しました。事故現場に行って、ビデオ撮影、写真撮影、計測などを行って証拠を収集しました。また、工学鑑定の専門家に意見書の作成を依頼し、専門家の観点からも正しい事故態様を明らかにしました。
結果として、控訴審で大きく結論が変わったので、効果的な活動ができたのだと自負しています。 
被害者とそのご家族は、地裁の判決により、生活への不安を強く感じていました。
控訴審の結果、地裁の判断が見直され、既払金を除いて1億円の賠償金を受け取れたため、被害者とそのご家族にはご満足いただけました。
 

被害者は、バイクに乗って交差点を直進しようとしたところ、同じ交差点を右折してきた自動車と衝突しました。
この事故によって、被害者は、頚髄損傷などの怪我を負いました。この頚髄損傷によって、被害者は、四肢の運動障害・感覚障害、排尿排便障害麻痺となり、身の回りの動作に常に他人の介護が必要な状態になってしまいました。

【受任後の対応】
被害者から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。
被害者とご家族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。
刑事裁判では、加害者に対して被告人質問を行うなどして、事故状況の詳細を明らかにしたり、事故後の対応の意図や反省の有無を問い質しました。 
 
【後遺障害等級】
被害者は、『脊髄損傷』によって四肢麻痺という重篤な後遺障害を負ったため、
   別表第一第1級1号
と認定されました。
 
【裁判の争点】
自賠責保険によって後遺障害等級が認定された後、訴訟を提起しました。重篤な後遺障害を負っていたこと、被害者が過失割合に強いこだわりを持っていたことなどの事情から訴訟による解決を選択しました。
訴訟における争点は、多岐にわたりましたが、主な争点は、
  ・将来介護費の金額
  ・自宅を新築する必要性
  ・過失割合
でした。
 
 【裁判所の認定】
1 将来介護費
被害者は、重篤な後遺障害を負ったため、全ての日常生活に介護が必要な状態になっていました。
近親者だけでは、どんなに頑張っても全ての介護を担うことは難しく、もし全ての介護を近親者だけで行おうとすれば、近親者に過度の負担が集中し、短期間で介護を継続できなくなることが見込まれました。
このため、被害者は、介護サービスを利用していました。
また、近親者がヘルパーの資格を有していたこと、介護サービスを利用したとしても近親者の負担が大きいことなどの事情も強く主張しました。
この様な事情を主張した結果、裁判所は、職業介護人の介護費として1日2万円、近親者の介護費として1日1万円の将来介護費を認定しました。介護サービスを利用する週5日については合計3万円もの高額な将来介護費が認められたのです。 
2 自宅を新築する必要性
事故前から被害者が居住していた自宅は、親族から賃借していた物件でした。この自宅は、傾斜地に建てられていたため、道路と自宅敷地に大きな段差があり、車いすで出入りすることが困難でした。また、自宅の内部にも段差が多くありましたが、賃借物件だったことから、大幅なバリアフリー化は困難でした。
このため、新たに土地を購入し、車いすでの生活に適したバリアフリーの自宅を建築しました。
被告は、新築の必要性を争いましたが、裁判所は、新築の必要性を肯定し、新築費用のうち630万円を認めてくれました。
 3 過失割合
被告(保険会社)は、被害者に25%の過失があると主張しました。
当然、被害者は、ここまで大きな過失があると主張されることを承服できず、被害者の過失がより少ないと主張しました。
この結果、裁判所は、被害者の過失は15%であると認定しました。
 
【弁護士のコメント】
この事案では、事故直後の早い段階からご依頼を頂きました。このため、刑事裁判への対応から、損害賠償請求事件の解決まで、交通事故において生じる全ての段階における法的対応に当たらせていただきました。 
1 刑事手続
検察庁と裁判所に対し、ご家族が厳罰を望んでられることを明確に伝えました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、できるかぎり多くの記録(資料)を入手して検討を加え、公判廷で実施された被告人質問において、事故前後の状況、事故態様などについて質問し、事実を明らかにしました。
この対応をしたことが、後々の民事裁判における過失相殺の主張に役立ちました。 
2 損害賠償請求手続
被害者が重篤な後遺障害を負っていたこと、被害者やご家族が過失割合に強いこだわりを持っていたことなどの事情から訴訟による解決を選択しました。
訴訟では、過失相殺について主張したことは勿論ですが、十分な将来介護費を認めてもらうため、綿密な主張と立証を行いました。この結果、裁判所に、介護サービスを利用する週5日については合計3万円もの将来介護費を認めてもらうことができました。
高額な将来介護費などを認定してもらうことができ、被害者にも、ご家族にも、ご満足頂ける結果を得ることができたと思います。 
3 自動車事故対策機構(NASVA)への介護料請求
別表第一第1級1号に認定されれば、自動車事故対策機構から介護料の支給を受けることができます。
この情報を被害者とご家族に伝え、請求手続を代行しました。
この介護料制度は、一般にはあまり知られていません。制度の存在を伝え、手続も代行することで、少しでも被害者とそのご家族の生活を安定させたいと考えました。
 

Ⅴ.交通医療研究会レジュメ

交通医療研究会で取り上げたテーマの中で、脊髄損傷に関連するレジュメを掲載しておきます。ご参考になれば幸いです。

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交通医療研究会で取り上げたテーマの中で、脊髄損傷に関連するレジュメを掲載しておきます。ご参考になれば幸いです。